グローバルな製作陣が贈る、新生“ジャンゴ”!
西部劇ドラマ「ジャンゴ ザ・シリーズ」は、荒野に開拓した理想郷を舞台に家族を失った男ジャンゴと生き別れの娘、そして彼らを取り巻く男女の“因縁”と“宿命”の物語。原案の『続・荒野の用心棒』(66)は、クエンティン・タランティーノ監督がオマージュを捧げた『ジャンゴ 繋がれざる者』(12)でも話題となったイタリア生まれの西部劇の傑作。日本では「マカロニウエスタン」の愛称で親しまれてきた。TVドラマ化で盛り込まれたのは、人種、ジェンダー、LGBTQなどの現代的なテーマ。現代感覚を取り入れた新解釈の西部劇が誕生した。
キャストにはマティアス・スーナールツ、ノオミ・ラパス、ニコラス・ピノックら映画・ドラマで活躍する多国籍キャストが集結。監督は『まっさらな光のもとで』(09)でベネチア国際映画祭にて4冠に輝いたフランチェスカ・コメンチーニやドラマ「ダウントン・アビー」シリーズのデヴィッド・エヴァンスらが務め、脚本&クリエーターにはイタリアンマフィアを描いた人気ドラマ『Gomorrah:The Series(原題)』を手がけたレオナルド・ファソーリとマッダレーナ・ラヴァリらといった、イタリア、フランス、イギリスとグローバルな製作陣が集結。従来の西部劇では描かれなかった強い女性やLGBTQなど現代的なアングルも織りまぜ、西部劇に新たな風を吹き込んでいる。
フラッシュバックで明かされていくジャンゴを取り巻く人々の悲しく複雑に絡み合う過去。自分の取った行動がその後の人生や自分の愛する人にどんな影響を及ぼすのか。“喪失”と“再生”の物語は、時代を問わず万人に通じるメッセージを投げかける!
CHECK
後続の作品に多大な影響!
『続・荒野の用心棒』
『荒野の用心棒』の時ならぬヒットを受けて、急遽、1966年に公開された作品。マカロニウエスタン勃興期で、もちろん続編ではないが、原題の「DJANGO」という主人公の名前は以降のアメリカ映画、イタリア映画に大きな影響を与えた。
監督・脚本のセルジオ・コルブッチは、メリハリの利いたアクションと残酷趣味で貫き、マカロニエスタンの定型をつくった。泥濘のなか棺桶を引き摺りながら町にやってきたジャンゴが、町を牛耳る元南軍一派とメキシコ独立派相手に立ち向かっていく。酒場の女マリアとの愛も織り込みながら、ジャンゴの男伊達を称えてみせる。
主演のフランコ・ネロも『殺しのテクニック』などでこの時期売り出し中。ヒゲ面に挑戦して作品の勢いをさらにもりあげる。ネロは以降、イタリアのみならず国際的な活動を展開した。コルブッチの問答無用の演出力と知性が際立つ仕上がりだ。この作品は本国でも話題となり、コルブッチのエンターテインメント能力は評価されたが、作品が評価されることはなかった。クエンティン・タランティーノはコルブッチの大胆な語り口を高く評価して『ジャンゴ 繋がれざる者』が生まれた。コルブッチの後継者の思いだろうか。
text/稲田隆紀
『続・荒野の用心棒』スターチャンネルEXで配信中/BS10 スターチャンネル7月放送
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映画ファンもここに注目!
映画・ドラマで活躍する世界的なキャストが集結
ジャンゴ役に『アムステルダム』(22)のベルギー出身マティアス・スーナールツ、エリザベス役に『LAMB/ラム』(22)のスウェーデン出身ノオミ・ラパス、ジョン役はドラマ「フォーティチュード/極寒の殺人鬼」シリーズのイギリス出身ニコラス・ピノックなど、映画・ドラマで活躍する多国籍キャストが揃った。
フランコ・ネロも出演!『続・荒野の用心棒』とのリンク
『続・荒野の用心棒』を原案に、マイノリティの視点を取り入れ現代人に響くオリジナルストーリーが展開されるが、棺桶を引きずる人物が劇中に登場するなど、西部劇ファンの心をくすぐるシーンも散りばめられている。さらに『続・荒野の用心棒』のジャンゴ役フランコ・ネロのカメオ出演といううれしいサプライズも。
この人に注目!
マティアス・スーナールツ
Matthias Schoenaerts
主演作『潜水艦クルスクの生存者たち』(18)で運命に翻弄された司令官役の好演も記憶に新しいスーナールツがマカロニウエスタン最大のヒーロー、ジャンゴ役に挑む。フランコ・ネロの陰鬱で神秘的な雰囲気をまとった強烈なジャンゴは現代的な新解釈で描く本作でどう生まれ変わるのか。現代版“新・ジャンゴ”に期待。
Photo by Elisabetta A. Villa/WireImage
【配信・放送情報】
「ジャンゴ ザ・シリーズ」(全10話)
2022/DJANGO
配信:「スターチャンネルEX」
【字幕版・吹替版】独占配信中
放送:「スターチャンネル」〈字幕版・吹替版〉
【STAR1 字幕版】6月6日より 毎週火曜よる11:00 ほか
※6月3日(土)午後1:00 吹替版第1話無料放送
【STAR3 吹替版】6月8日より 毎週木曜よる10:00 ほか
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