『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』でまたまた謎に包まれた秘宝をめぐる大冒険を見せてくれることになった我らがヒーロー、インディ・ジョーンズ。今回も命がけのアドベンチャーに飛び込んでいく彼ですが、これまでの4作(とTVシリーズ)を振り返ってみると、いかにスリリングなトレジャーハンター人生を送ってきたか一目瞭然。新作を観る前にもう一度シリーズを観返しておきたいもの!(文・相馬学/デジタル編集・スクリーン編集部)

ハリウッドの稀代のヒットメーカーたちが集結して生まれたかつてない娯楽巨編

「インディ・ジョーンズ」シリーズが世に放たれてから、早いもので42年。監督のスティーヴン・スピルバーグと製作のジョージ・ルーカスという当時最強のヒットメーカーがタッグを組み、主演に「スター・ウォーズ」シリーズのハリソン・フォードを迎えた、このシリーズは世界中を熱狂の渦に巻き込んだ。

そして2023年夏、15年ぶりの新作『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』が、いよいよ公開される。どんな内容か大いに気になるところだが、ひとまずはシリーズの歴史を復習しておこう。

画像: 『レイダース/失われたアーク《聖櫃》の冒頭、洞窟で巨大な岩に追われるシーン

『レイダース/失われたアーク《聖櫃》の冒頭、洞窟で巨大な岩に追われるシーン

1981年に製作された記念すべき第1作『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』はサマーシーズンに全米で大ヒットし、日本では年末に正月映画として公開され、やはり人気を博した。

物語は1936年、ナチスの台頭により第二次世界大戦の空気がたれこめている時代。強大な力を秘めたエジプトの秘宝、アークをナチスが捜索していた。これを阻止すべく米国陸軍諜報部が白羽の矢を立てたのが、我らが主人公インディアナ・ジョーンズ。大学で教鞭をとる考古学者にして、経験豊富な冒険家、トレジャーハンターでもある。かくしてインディこと、インディアナは秘宝をめぐって、昔の恋人マリオンとともに世界を駆け、ナチスと争うことになる。

洞窟内で転がる巨大な岩に追いかけられる場面をはじめ、まさに危機また危機の連続で、アクションの見せ場は盛りだくさん。

一方で、ユーモア満点であることも大きな魅力となっており、ジャングル慣れしているはずのインディなのにヘビは大の苦手という設定は面白い。気も強ければ酒も強いマリオンとの丁々発止にも、しばしばニヤリとさせられる。

ともかく、本作は内容的にも評価され、アカデミー賞では作品賞など8部門にノミネートされ、特別業績賞を含む5部門を制覇した。

画像: 『レイダース/失われたアーク《聖櫃》に登場した秘宝はキリストの十戒が収められた聖櫃だった

『レイダース/失われたアーク《聖櫃》に登場した秘宝はキリストの十戒が収められた聖櫃だった

2作目、3作目も世界中でスーパーヒットとなり1980年代を代表する人気シリーズに

この好評を受けて製作されたのが、1984年のシリーズ第2作『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』。スピルバーグにとって、続編を監督するのはこれが初めてとなったが、前作をなぞるような展開を避け、鮮度を保つことに成功。

画像: インド奥地にやってきたインディが子どもたちを危機から救う『魔宮の伝説』

インド奥地にやってきたインディが子どもたちを危機から救う『魔宮の伝説』

時代背景は前作よりも前の1935年。インドを舞台に、インディは子どもをさらう邪教集団とバトルを演じることになる。本作はつい最近もしばし話題に上ったが、それは『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(2022)で今年度アカデミー賞助演男優賞を受賞したキー・ホイ・クァンの出世作だから。当時子役だったクァンは、インディの相棒となる少年ショート・ラウンドにふんして、インディを危機から救う活躍を快活に演じてみせた。

画像: 『魔宮の伝説』に出演した子役時代のキー・ホイ・クァンと後のスピルバーグ夫人ケイト・キャプショー

『魔宮の伝説』に出演した子役時代のキー・ホイ・クァンと後のスピルバーグ夫人ケイト・キャプショー

ちなみに、本作の世界興収や全米興収は前作を下回ったが、日本では前作の倍以上の興収を上げ、人気の浸透を証明するかたちとなった。

画像: 『最後の聖戦』では13歳時のインディの秘話が冒頭で描かれた

『最後の聖戦』では13歳時のインディの秘話が冒頭で描かれた 

続くシリーズ第3弾『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』は1989年の製作で、全米でも日本でも前作を上回るヒットを記録。時代は一作目の後の1938年で、インディはまたもナチスを敵に回して伝説の聖杯を探すことに。

冒険はもちろんスリリングだが、新味はインディと、不仲だった父親ヘンリーを組ませたこと。同じ考古学者で、何歳になってもインディを子ども扱いするヘンリーの、どこかトボケたキャラクターがユーモアに拍車をかける。

画像: 父親ヘンリーも登場し親子漫才のようなやりとりも『最後の聖戦』の見どころ

父親ヘンリーも登場し親子漫才のようなやりとりも『最後の聖戦』の見どころ 

ヘンリーを演じたショーン・コネリーは初代ジェームズ・ボンド俳優として有名だが、これはスピルバーグが本シリーズを作るにあたり、“「007」のようなアクションを撮りたい”と考えていたことと符合する。

絶大な人気を受けて製作されたTVシリーズと19年ぶりの第4作

この後、劇場版シリーズは途絶えるが、テレビシリーズとして「インディ・ジョーンズ/若き日の大冒険」が1992~93年に製作された。これは邦題どおり、インディが学者になる前の少年・青年時代を描いたもので、第一次世界大戦前後の世界や米国の歴史を背景にしながら、そこで若きインディが繰り広げて来た冒険の物語が展開された。

映画版のシリーズ復活は2008年、19年ぶりの第4作『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』まで待たねばならなかった。フォードが再びインディ役を務める以上、さすがに戦前の時代設定は無理がある。というわけで、彼の加齢に併せて1957年に設定された。

画像: 『クリスタル・スカルの王国』の宿敵は冷酷なソ連のスパイ、スパルコ大佐

『クリスタル・スカルの王国』の宿敵は冷酷なソ連のスパイ、スパルコ大佐 

赤狩りや東西冷戦、核実験の時代。インディは秘宝のクリスタル・スカルをめぐり、ソ連の女スパイと攻防を繰り広げるのだが、面白いのはインディと一作目のヒロイン、マリオンとの間に生まれた息子のマットが相棒となること。

画像: 『クリスタル・スカルの王国』ではインディの息子マットと元恋人マリオンも登場

『クリスタル・スカルの王国』ではインディの息子マットと元恋人マリオンも登場

マーロン・ブランドやジェームズ・ディーンを気取ったこの若者がアクティブな面を担い、インディをサポートする。本作はシリーズ最大のヒットを記録し、衰えぬ人気を証明した。

そして新作『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』だ。1960年代、米ソの宇宙開発競争を背景にした秘宝争奪の物語になるという。御年80歳のフォードが、どんな頑張りを見せるのか? 製作にまわったスピルバーグから監督を継ぐ、『フォードvsフェラーリ』(2019)のジェームズ・マンゴールドの演出の手腕はいかに? 楽しみに待とう!

4作とも6月7日「4K Ultra HD+ブルーレイ」発売 6,589 円(税込)
発売元: NBCユニバーサル・エンターテイメント

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