ディズニー創立100周年となる2023年。ディズニー・ミュージカルの金字塔『リトル・マーメイド』が待望の実写化! 1989年に公開されたアニメーション版の魅力を引き継ぎながら、より深みを増したキャラクター造形や時代に合わせてアップデートした挿入歌なども必見。今、ディズニーが描く『リトル・マーメイド』の魅力をたっぷりとご紹介します!(文・山村祥子/デジタル編集・スクリーン編集部)

夢を追い求め、まだ見ぬ世界へ今、ディズニーが描く

画像: 夢を追い求め、まだ見ぬ世界へ今、ディズニーが描く

きらめく神秘的な海の世界。しなやかに尾を揺らして泳ぐ人魚たち。そこに響き渡る美しい歌声─1989年に製作されたアニメーション映画『リトル・マーメイド』から34年。世界中で愛された不朽の名作を、今年創立100周年を迎えるディズニーが満を持して実写映画化。

VFXによる美しくリアルな映像世界、そして伸びやかな歌声とともに新たに紡がれる名曲たちが、新鮮な驚きと同時にノスタルジーを感じさせ、予告編から期待を高めてきた。

音楽を担当するのは、アニメーション版で「Part of Your World」「Under the Sea」などヒットナンバーを生み出し、ディズニーを第二の黄金期へと導いた立役者アラン・メンケンと、『モアナと伝説の海』(2016)のリン=マニュエル・ミランダ。まさに夢のタッグといえるふたりは、今回の実写版にあわせて3曲の新曲を書き下ろしている。

監督は『シカゴ』(2002)『メリー・ポピンズ リターンズ』(2018)など、ミュージカル映画を手掛けてきたロブ・マーシャル。アニメーション版のストーリーラインをベースに、キャラクターをより現代的で深みのある存在へと描き上げた。

ヒロインの人魚姫アリエルを演じるのは、本作で映画初主演を務めるハリー・ベイリー。海の王トリトン役に『ノーカントリー』(2007)のハビエル・バルデム、海の魔女アースラ役に『ゴーストバスターズ』(1984)のメリッサ・マッカーシー、エリック王子役をドラマ「World on Fire」のジョナ・ハウアー=キングが演じる。

あらすじ

画像: 愛するが故、娘に人間の世界への憧れを禁ずるトリトン王

愛するが故、娘に人間の世界への憧れを禁ずるトリトン王

海の王国を治めるトリトン王の末娘アリエルは、世界で最も美しい声の持ち主。好奇心旺盛な彼女は、人間の世界に興味津々だが、海の世界から出ることは掟で禁止されていた。

そんなある日、嵐によって溺れかけていた人間の王子エリックを救い、彼に恋してしまったアリエル。一方エリックも、自分を助けてくれた美しい声の持ち主を忘れられずにいた。

画像: 夢を追いかけ新たな世界へ飛び出すアリエル

夢を追いかけ新たな世界へ飛び出すアリエル

未知の世界とエリックへの憧れを募らせるアリエルは、海の魔女アースラとある取引をする。それは3日間だけ人間の姿を手に入れる代わりに、美しい声をアースラに差し出すというものだった─。

登場人物

アリエル(ハリー・ベイリー)

画像: アリエル(ハリー・ベイリー)

海底で暮らす人魚姫。明るく好奇心旺盛。掟のある海の世界に窮屈さを感じている。

トリトン(ハビエル・バルデム)

画像: トリトン(ハビエル・バルデム)

アリエルの父親で海の王。人間の世界に興味を持つアリエルを心配し、厳しく接する。

エリック(ジョナ・ハウアー=キング)

画像: エリック(ジョナ・ハウアー=キング)

海で溺れていたところをアリエルに助けられた人間の王子。大海原を航海するのが夢。

アースラ(メリッサ・マッカーシー)

画像: アースラ(メリッサ・マッカーシー)

欲深くずる賢い海の魔女。自分を王宮から追放したトリトン王を恨み、王座を狙う。

フランダー(声:ジェイコブ・トレンブレイ)

画像: フランダー(声:ジェイコブ・トレンブレイ)

アリエルが本音で話すことができる、唯一の親友。臆病で小心者だが一緒に冒険する。

スカットル(声:オークワフィナ)

画像: スカットル(声:オークワフィナ)

陽気でおしゃべりなカモメ。アリエルに人間の世界の知識を教えるが、真偽が怪しい。

セバスチャン(声:ダヴィード・ディグス)

画像: セバスチャン(声:ダヴィード・ディグス)

トリトンに仕えるカニの執事長。アリエルの見張りを任される。音楽で場を盛り上げる。

チェックポイント1:逞しく美しい歌声を持つハリー・ベイリー

画像: チェックポイント1:逞しく美しい歌声を持つハリー・ベイリー

主人公アリエルを演じるのは、新星ハリー・ベイリー。2000年3月27日生まれの彼女は、現在23歳。幼少期より姉クロイとの音楽デュオ”クロイ&ハリー(Chloe x Halle)”として活動してきた実力派シンガーだ。

映画女優としてはほぼ新人ながら、監督から「彼女のエモーショナルな歌声を、誰も超えることはできなかった」と絶賛され、ヒロインに大抜擢。小さい頃に抱いた”人魚姫になりたい”という夢を、まさに叶えたのだ。

その美しく伸びやかな歌声は、繊細さと同時に芯の強さを感じさせ、アリエルにぴったり。世界が彼女に魅了される日も近い。

チェックポイント2:アニメーション版とは違うキャラクターの描き方

画像: チェックポイント2:アニメーション版とは違うキャラクターの描き方

アースラとの禁断の取引によって、人間の姿を手に入れるアリエル。それはエリック王子への恋心だけでなく、新たな世界に飛び込みたいという好奇心からでもある。実写版のアリエルは自分の夢にまっすぐで、情熱的なプリンセスなのだ。

一方、エリック王子の夢は、大海原へと冒険の旅に出ること。アニメーション版で描かれた伝統的な王子像から、より等身大で深みのあるキャラクターへと変化している。別の世界に生まれながらも、その心は似ているアリエルとエリック王子。未知の世界を夢見るふたりが出会い、新たに紡がれるストーリーに注目だ。

チェックポイント3:アラン・メンケンが現代に合わせ一部の歌詞を変更

画像: チェックポイント3:アラン・メンケンが現代に合わせ一部の歌詞を変更

アニメーション版を彩った名曲も、時代に合わせて歌詞の一部をアレンジ。アラン・メンケンが米billboardに語ったところ、「Kiss the Girl」はエリック王子がアリエルにキスを強制しているようにも捉えられること、さらにアースラのナンバー「Poor Unfortunate Souls」も、少女が不当な誘惑に応じることを懸念し、歌詞が変更されたそうだ。

そして新たに作曲されたアリエルの「For the First Time」、エリック王子による「Wild Uncharted Waters」、セバスチャンとスカットルが歌う「Scuttlebutt」の3曲が、映画の魅力的な世界に広がりをもたらしている。

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『リトル・マーメイド』
2023年6月9日(金)公開
アメリカ/2023/2時間15分/配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
監督:ロブ・マーシャル
出演:ハリー・ベイリー、メリッサ・マッカーシー、ジョナ・ハウアー=キング、ハビエル・バルデム

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