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前4作でハリソンが語った「インディ・ジョーンズ」発言録
これまで4度インディ・ジョーンズを演じてきたハリソン・フォード。その公開時、彼がどんなことを語っていたか、当時の本誌インタビュー記事から振り返ってみましょう。
1作目『インディ・ジョーンズ レイダース/失われたアーク《聖櫃》』公開時
初めて脚本を読んだ時、ものすごくエキサイトした。ジョージ(ルーカス)は脚本をスティーヴン(スピルバーグ)に渡すと殆んどお任せ状態だったので、インディのキャラクター作りはほぼスティーヴンと私の仕事だった。
アクションもなるべく自分でできることは自分で演じたよ。インディとハン・ソロを比べるのは難しいが、演じる点ではインディの方がパーソナリティーやキャラクターの広がりがあって面白いと感じるね。
(SCREEN1982年1月号より抜粋)
2作目『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』公開時
前作を見た人たちは今度は当然もっと面白くなると期待しているから、同じインディ・ジョーンズというキャラの映画でありながら違うものにしなくてはならなかった。
『魔宮の伝説』で一番大変だったのは実は象に跨ることだった。ようやく乗れたと思ったら、象の背中の幅が広いから股裂きの苦行を受けている感じなんだ(笑)。保険をかけているからどんな高いところからでも飛ぶ心構えはできているけど、本当に体力的にきつい仕事だよ。
(SCREEN1984年9月号より抜粋)
3作目『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』公開時
ショーン(コネリー)がインディの父親を演じると聞いて、がぜんやる気がアップした。ユーモアが増えただけじゃなくて、父と子の感情的な絆ができたからね。
これはシリーズの中で一番心に訴えるものがあったと思う。前作の時は大けがして手術もしたけど、今度は青あざとかコブができた程度で済んだ。作っている途中でいい作品になると思っていたが、完成品を見たらさらに良いものになっていた。演じていて本当に楽しかったよ。
(SCREEN1989年8月号より抜粋)
4作目『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』公開時
3作目で終わりと考えられていたが、いつかまたフェドーラ帽を被って鞭を振ってみたいと秘かに考えていたから、スティーヴンがまたやるかいと聞いてきた時は、もちろん!と答えたよ。
その後、彼は忙しくなり中断していたが、この3年くらいで話が進み、いつスタートしてもOKと言える状態でいたいと、シェイプアップを欠かさずにいた。19年前と服のサイズ、体重も変わっていない。俳優として体調を整えるのは最低限の基本だからね。
(SCREEN2008年8月号より抜粋)
ディズニープラス「スター」で配信中 © & TM 2023 Lucasfilm Ltd.
インディ、ハン・ソロ以外にも多彩な役柄でファンを魅了
ハリソン・フォードが名演した6人の男たち
ハリソンと言えば、真っ先にインディ・ジョーンズと「スター・ウォーズ」シリーズのハン・ソロ役が思い浮かびますが、彼の長いキャリアの内にはそれ以外にも忘れられない名演を残したキャラクターがたくさん! そこから代表的な役柄をピックアップしましょう。
『ブレードランナー』(1982)のリック・デッカード
人間に対して反乱を起こし始めたレプリカント(人造人間)を取り締まる専任捜査官“ブレードランナー”のデッカードをクールに演じたハリソン。ハードボイルドタッチのSFで、探偵小説の主人公のような雰囲気が彼にピッタリ。俳優として新たな魅力を発揮した。
『刑事ジョン・ブック/目撃者』(1985)のジョン・ブック
殺人事件を目撃してしまったアーミッシュの少年とその母親を守るため、母子の暮らす村で犯人たちの追跡をかわそうとする刑事を好演し初のオスカー候補に。文化の違う村人たちとの交流や少年の母との淡い恋も描かれ、ハリソンの硬軟の魅力が味わえる。
『逃亡者』(1993)のリチャード・キンブル
妻を殺害したと誤解された医師キンブルが逃亡し、追跡してくる警察の目をかいくぐって真犯人を見つけ出すサスペンス大作。冤罪を晴らそうと奔走するタフさと共に逃走中にもやむにやまれず医療行為を施したり、人間味のあるキンブル役はハリソンに相応しい!
『今そこにある危機』(1994)のジャック・ライアン
『パトリオット・ゲーム』(1992)に続き、ハリソンがCIA情報アナリスト、ジャック・ライアン役を再演したアクション映画。大統領命令で麻薬カルテルの捜査を開始し、政治腐敗の闇を突き止めるライアンの活躍を熱演するハリソンの正義漢ぶりに安定感あり。
『エアフォース・ワン』(1997)のジェームズ・マーシャル大統領
テロリストに占拠された米大統領専用機(エアフォース・ワン)の中に残り、武装したハイジャック犯と攻防を繰り広げる勇猛な大統領という設定に納得感を与えるスターはハリソンしかいない! “戦う大統領”に説得力を持たせるハリソンの存在感は随一。
『42~世界を変えた男~』(2013)のブランチ・リッキー
史上初の黒人メジャーリーガー、ジャッキー・ロビンソンに故チャドウィック・ボーズマンが扮した実話ドラマで、彼をチームに迎え入れたゼネラルマネージャー、リッキーを特殊メイクも使って本物そっくりに演じたハリソン。珍しく自ら志願した役だったという。
ハリソン・フォードの“最後のインディ・ジョーンズ”
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