自ら戦闘機に乗りこんで撮影を行った『トップガン マーヴェリック』に続き、『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』でも危険を伴う数々のノースタント・アクションに挑んだトム・クルーズ。その知られざる舞台裏、そして大きなスクリーンでの上映にこだわる理由について語ります。

“僕は常に観客と映画館のために戦っていく”

──『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』には今回も素晴らしいキャストが勢ぞろいしていますね。レギュラーメンバーもいますし、長年のシリーズのファンからすれば、ヘンリー・ツェーニーの再登場も見逃せません。

素晴らしいキャストたちです。サイモン(ペッグ)とヴィング(レイムス)は、キャラクターの扱い方がわかっている。レベッカ(ファーガソン)はとにかく素晴らしい。

他にも、シェー(ウィガム)や『トップガン マーヴェリック』(2022)のターザン(グレッグ・ターザン・デイヴィス)、ヘイリー(アトウェル)、ポム(クレメンティエフ)もいる。

ヘイリーは素晴らしい女優で、ローマでのカーチェイスのシーンを可能にし、インスピレーションを与えてくれた光のような存在です。

ポムはとても魅力的で、才能がある。主役のためだけではなく、アンサンブルキャストのために映画を作り、そのストーリーのために素晴らしい役者たちを迎え入れ、彼らがあらゆる面で貢献してくれる、そういう映画が好きなんです。ヘンリー(ツェーニー)との再共演も、嬉しかったです。

──ローマで撮影された素晴らしいカーチェイスシーンがありました。黄色いフィアットを片手で運転されていましたが、どのようなものだったか教えていただけますか?

とても楽しかったです。言っておかなければならないのは、片手での運転というのは、監督であるマックQ(クリストファー・マッカリー)のアイデアなんです。彼は僕が両端をドリフトさせながら運転するのを見たことがあると言うんです。それで僕が片手で運転してみたらどうかと言ったんです。

僕は『嘘だろう?』って思いましたよ(笑)。僕は片手に手錠をかけられ、様々な通りでドリフトすることになったんですが、楽しかったですよ。ヘイリーと僕はローマの街中を走り回ったんです。

画像: ローマで撮影されたカーチェイスシーンでは“片手運転”を敢行

ローマで撮影されたカーチェイスシーンでは“片手運転”を敢行

──それから断崖絶壁での大ジャンプのシーンがありました。あの瞬間は頭の中はどうなっているのでしょうか? アドレナリンが出ている感じでしょうか?

あのようなことをするときは、ただスタントをするのではなく、演技をしなければならないので、いろいろなことが起こります。

特にあのノルウェーでの崖のシーンは、バイクのバランスが崩れて空気の流れが乱れてしまわないか心配でした。地面に着陸するまで数秒しかないのですが、できるだけ長い間、撮影のために飛び続けなければならない。

上空にヘリコプターを飛ばしていて、最初の頃そのスピードを見ていたんです。もし僕が早く行き過ぎたり、タイミングを間違えたりすると、ヘリコプターからの吹きおろしで、僕が傾斜台から吹き飛ばされてしまう可能性がある。

ドローンも飛んでいて、ドローンにぶつからないように、演技をしながら傾斜台を進まなければならない。傾斜台から飛び降りたら、自分のスピードが正しいかどうか、パラシュートを開く前にもう少し飛べるだけの余裕があるかどうか、どれだけ深く谷に降りられるか、などについて心配しました。

パラシュートはきちんと開いたのですが、谷の壁の方に向かい始めてしまい、すぐに壁の反対のほうに離れたり、いろいろありました。

とにかく、すべては映画のためなんです。ストーリーが大事なんです。ただ、こういうことを思いついてやるんじゃない。何年も何年もトレーニングしていれば、やることを楽しめるようになる。

バイクや車を運転したり、そういうことを全部トレーニングしてきたんです。スカイダイビング、ジェット機、飛行機、軍用機、ヘリコプター、パラシュートなどなど、僕はいろいろやっていて、歌ったり踊ったりもします。これらのことを映画に適用したいと思っているんです。ミュージカルもできますよ(笑)。

ストーリーテラーとしての能力を高め、観客を楽しませるためにどのようなスキルを向上させることができるかを常に考えているのです。観客をどのように惹きつけるかが重要なのです。キャラクターの根底にあるのはストーリーなんです。

画像: ノルウェーの断崖絶壁での撮影はトムにとっても“過去最大のミッション”に

ノルウェーの断崖絶壁での撮影はトムにとっても“過去最大のミッション”に

──昨年は『トップガン マーヴェリック』で、コロナ禍での映画・映画館の復活に貢献されました。大きなスクリーンで他の観客と一緒に見ることがあなたにとってなぜ大切なのでしょうか?

僕は大画面のために映画を作っているんです。あの共同体験が好きなんです。いずれ他のプラットフォームでも公開されるのはわかっています。でも、僕たちは皆、異なる文化や生活様式を持っていて、映画館では一緒になって映画を体験するのです。僕はそうやって成長してきたんです。

そして、その経験が僕に夢を与え、世界中を旅したいと思うようにさせたのです。小さい頃からの僕の目標は、映画を作り、世界を旅することでした。ただ観光客になるのではなく、その世界で働き、そこで生活し、文化を理解する。それを実現できたのは観客のおかげです。観客のおかげで僕は皆さんを楽しませることができるのです。

これは僕にとって光栄なことであり、決して当たり前のことだと思ったことはありません。映画を作ること、そして皆さんを楽しませることが僕の情熱であり、僕は常に映画館のために、そして皆さんがこのような経験をすることができるように戦っていきます。

──あなたが映画館で映画を見るときは、どのようなスタイルで見るのでしょうか?

必ずポップコーンとソーダを持って鑑賞しますね。僕は常にトレーニングをしていて食事制限があるので、本当はソーダは飲んではいけないんですが、ちょっとズルしてね(笑)。

ただ座って、大画面で映画を見るだけです。帽子をかぶって、メガネをしていきますが、鑑賞中はメガネは外します。素晴らしいのは、本当に良い映画であれば、人々が夢中になっていて、僕がそこにいても、みんなで一体感を得られるところです。それが大好きなんです。

──今回のタイトルには『PART ONE』とありますが、どんな続きが待っているのでしょうか?

来年夏に話しましょう。今は何も言えません。ちなみに『PART TWO』の撮影は始まっています。とにかく、皆さんに本作を見てもらうのが楽しみです。まずは本作を見てもらってからです。

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『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』
2023年7月21日(金)公開
監督:クリストファー・マッカリー
出演:トム・クルーズ、ヘイリー・アトウェル、ヴィング・レイムス、サイモン・ペッグ、レベッカ・ファーガソン、ヴァネッサ・カービー、イーサイ・モラレス、ポム・クレメンティエフ、ヘンリー・ツェーニー
配給:東和ピクチャーズ

©2023 PARAMOUNT PICTURES.

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