“イーサンの相棒”としておなじみのベンジー役サイモン・ペッグをはじめ、『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』のキーパーソン四人にインタビュー。今回の撮影、トム・クルーズとの共演は彼らにとってどんな体験になったのでしょうか?

サイモン・ペッグ(ベンジー・ダン役)

“映画体験がいかに驚異的なものであるか思い知らされる作品になっています”

画像: サイモン・ペッグ(ベンジー・ダン役)

──本作が2作に分けなければならないほど大きな作品になった理由は何でしょうか?

僕が言えることは、マックQ(クリストファー・マッカリー監督)とトム(クルーズ)がこの物語で本当にやりたかったことは、キャラクターの深堀りだったということです。

彼らは常にキャラクターを第一に考え、そこから物語を発展させることに腐心している。設定されたストーリーの中にキャラクターがただ押し込まれていくようなものであってはならないんです。

その結果、じっくりと時間をかけて、2つの映画を作ることになった。両作品とも完全にそれ自体で完結したものですよ。

──本作でのベンジーのお気に入りのシーンとその理由を教えてください。

空港での素晴らしいシーンがあります。ベンジーとルーサー(ヴィング・レイムス)が再会してすぐに、通常ならそれで映画が終わるような大騒動になる。これは冒頭のほうのシーンです。

イーサン、ベンジー、ルーサーは3つの異なる場所にいて、3つの異なる危機に対処する。素晴らしいシーンで、この作品のスケールの大きさ、複雑さ、面白さを物語っています。そして、それは氷山の一角に過ぎないのです。

──コロナ禍で人けのないヴェネツィアでの撮影はいかがでしたか?

映画『赤い影』(1973)的な不気味さでしたね! ヴェネツィアは信じられないほど刺激的な街です。とても美しく、まるで生きている映画のセットのようです。僕はそれまで行ったことがなかったのですが、到着して2時間もしないうちに、大運河でのボートの運転方法を学んでいました。

僕とターザン(グレッグ・ターザン・デイヴィス)、ヘイリー(アトウェル)は同じホテルに泊まっていて、ある晩、みんなで『赤い影』を見たんです。そして翌日、映画に出てくる橋やロケ地を探して回ったら、赤いコートの少女を見かけたんです!

──観客はこの作品に何を期待できますか?

観客は、映画体験がいかに驚異的なものであるかを思い知らされるでしょう。トムとマックQの映画という芸術形式における技術と知恵は別次元にある。『トップガン マーヴェリック』(2022)はそのことを非常によく表していましたが、映画館で興奮するということはどういうことなのかという点で、本作品はさらにその上を行くものだと思います。

また、登場人物に感情移入できなければ、爆発やスタントなどどうでもいいということも彼らは理解している。それがこの作品で何よりも優先されたことす。そのおかげで、アクションがよりエキサイティングでスリリングに感じられるのです。

ヘイリー・アトウェル(グレース役)

“トムといると大きなリスクを背負っても大丈夫だと思えるんです”

画像: ヘイリー・アトウェル(グレース役)

──あなたが演じたグレースというキャラクターをどう表現しますか?

彼女は巧みに身をかわす、一匹狼です。また、あまり自分を理解できていないんです! イーサンとの関係はとても楽しいです。グレースとイーサンは、同じ部屋にいるべきでない二人ですが、共通の目標があるために、そうせざるを得ないのです。彼女がイーサンを苛立たせれば苛立たせるほど、面白さが増していくんです。

──サイモン・ペッグは、大きなスタントをするのはトムなのに、共演者がスタントをするときにトムはとても気を遣うと言っています。あなたもそう思いますか?

彼はリングの隅にいるボクシングのコーチのようなものです。私たちが何かをする前に、トムが『よし、ちょっと見てみようか』と言ってハーネス(安全ベルト)をチェックしてくれるんです。そういう人なんです。

彼はとんでもないことをやり抜くけれど、その準備の細かさは徹底している。決して無謀なことはしないんです。何度も何度もトレーニングし、練習を重ねた結果、自然にできるようになるくらいのレベルに到達するんだと思います。

彼のやり方を見ていると、とても刺激になります。もし、そういうことをする人と一緒に仕事をしても、その人がとても神経質だったり、無鉄砲だったりしたら、私の中に恐怖心が生まれ、もっと制御してしまうかもしれない。でも彼といると安心できるんです。大きなリスクを背負っても大丈夫だと思えるんです。

──レベッカ・ファーガソンは、あなたがグレースというキャラクターで作り上げたものに賞賛の声を上げています。「ミッション」ファミリーの一員となったことは、あなたにとってどのようなものだったのでしょうか?

とにかく嬉しい。レベッカはとてもパワフルな人です。レベッカには、映像に自然な存在感をもたらす、並外れた静けさがあり、グレースとはまったく異なるエネルギーです。グレースは常に警戒しているようなところがあります。

この映画には、個性的で異なる女性キャラクターが登場します。ヴァネッサ・カービーは、滑るように動く。彼女の声はシルクのようで、背の高いシャンパンのグラスのようです。ポム・クレメンティエフは暗殺者で、激しく、常に周囲のものを把握することで、素早く殺すことができる。

この4人は、それぞれ異なるタイプのキャラクターで、異なるエネルギーを持っています。私たちは皆、とても楽しい時間を過ごしました。

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