GENERATIONSのメンバーが“本人役”で主演を務める映画『ミンナのウタ』(8月11日公開)。ホラー映画の巨匠・清水崇が監督を務め、音楽を呪いの元凶とした視覚と聴覚に訴える“体感型”の超絶ホラーはどのように制作されたのか。ホラーが大好きな白濱亜嵐とホラーが苦手な佐野玲於に撮影現場での怖い出来事や清水監督との作品作りについて、さらにホラー映画鑑賞時のこだわりを教えてもらった。(文・タナカシノブ/写真・久保田司/デジタル編集・スクリーン編集部)
画像1: 『ミンナのウタ』白濱亜嵐×佐野玲於インタビュー/メンバー全員が全力でやり遂げたことが次につながる

佐野玲於

1996年1月8日生まれ。東京都出身。俳優、アーティストとして活動。

出演作はドラマ「GTO」、「隠蔽捜査」、「会社は学校じゃねぇんだよ 新世代逆襲編」、「インフォーマ」、「ケイジとケンジ、時々ハンジ。」、映画は『虹色デイズ』(2018)、『ハナレイ・ベイ』(2018)など。

画像2: 『ミンナのウタ』白濱亜嵐×佐野玲於インタビュー/メンバー全員が全力でやり遂げたことが次につながる

白濱亜嵐

1993年8月4日生まれ。愛媛県出身。GENERATIONSのリーダーを務めEXILE/ PKCZ®︎と兼任しながら活動。

俳優としての出演作はドラマ「小説王」、「M 愛すべき人がいて」、「泣くな研修医」、映画は『ひるなかの流星』(2017)、『コンフィデンスマンJP プリンセス編』(2020)、『10万分の1』(2020)など。7月放送ドラマ「真夏のシンデレラ」に出演中。

“フィクションとリアルのバランスの細かい調整をメンバーと忠実に再現した事はすごく楽しかったです。”

画像: “フィクションとリアルのバランスの細かい調整をメンバーと忠実に再現した事はすごく楽しかったです。”

──メンバー全員が本人役で出演。脚本作りの段階から監督と綿密なコミュニケーションがあったと伺っています。

白濱 メンバーがどう呼び合っているのか、年齢の近い女性マネージャーがいたらどんな距離感で話すのかなど、細かくすり合わせをしていきました。私物の衣装を写真で送り、衣装さんが用意したものとの組み合わせを考えたりして。

白濱 僕の昭和世代の権田(マキタスポーツ)に対する態度はリアルとは正反対なので『実は昭和好きだけど、映画ではどんな感じでいきますか?』などとフィクションとリアルのバランスを細かく調整しました。

佐野 本人役ならそのままやればいいかなとも考えていたけれど、監督と話していくうちに、細かいところが気になってきて。例えば、スタジオではいつもどのあたりでどんなふうに着替えていて、メンバーは何をしているのかとなど。

佐野 そのうち画面には映らない部分ですら気になって、気づけばめちゃくちゃ打ち合わせしていました(笑)。細かいことを忠実にやる作業はすごく楽しかったです。

白濱 モキュメンタリーみたいな感じだったよね。

佐野 まさに!

白濱 僕は比較的出演シーンが多いので、話の流れも分かっていたし、次に何が出てくるのかも現場で見ていたのに、完成版でもしっかり怖がりました。ホラー作品には音が大事ということを改めて実感して、試写室で後ろの席にいた音響さんに『ありがとうございます!』ってお礼しちゃいました(笑)。

佐野 僕はホラー作品が苦手なので、自分が出るなんてとんでもないって思っていて…。

白濱 だよね。僕は大好きだから、現場で何か怖いことが起きるんじゃないかって期待するくらい楽しめたけど…。

佐野 子どもの頃、清水監督の作品がすごく流行っていて。『それがトラウマです』って清水監督に真っ先に伝えたくらいホラーは苦手です。

佐野 完成版はもちろん怖かったけれど、僕も音の重要性は実感しました。聞こえる音も静けさも怖い。構えると何も来なくて、油断するとびっくりさせられて。ホラーはエンタメ性が高いジャンルと再確認できました。モニターチェックの際にはホラー独特の輝度に怖さを感じる一方で、なんとなくオシャレにも見えたりして。

白濱 怖くてもちゃんといろいろチェックできたようでよかった(笑)。

佐野 勉強にはなったけれど、基本全部がマジで怖かった…。

──ホラー作品の撮影現場では怖いことが起きる…と言われていますが、今回の現場ではいかがでしたか?

佐野 常に怖かったけれど、一番怖かったのはホテルでの撮影中の出来事です。撮影場所のホテルには宿泊客の方もいたので、本番以外はあまり大きな声を出せないのでヒソヒソ声で撮影していました。

佐野 そんな中、『テスト』『本番』『OK!』などの掛け声でどうしても大声になる気合の入った助監督がいて(笑)。その度に監督が『小さい声で』『宿泊客の方に迷惑がかからないように』と小声で伝えるんです。『ハイ』って小さく返事をした直後にまた『いきまーす、本番!』って大声になって…。

白濱 監督と助監督のやりとりがコントみたいでした。監督の言葉に返事をしているからメッセージは届いているはずだけど、カメラが回ると忘れちゃう、気合が入っちゃってるから(笑)。

佐野 集中している人間の怖さを体感しました。

白濱 通常のやり方が染み込んじゃっているんだろうね。

佐野 助監督が大声を出すたびに、小声で注意する監督の姿もおもしろかったです(笑)。

白濱 僕はYouTubeでホラー動画を毎晩チェックするくらいホラー作品が大好きなので、現場では『怖いこと起きてくれ!』と待っていたのですが、なかなか起きなくて残念でした。でも、今の玲於の話を聞いて一つ思い出しました。

佐野 何か怖いのあった?

白濱 クライマックスシーンの撮影のスケジュール調整をしているときに、大事なシーンだから大切に撮りたい、待ち時間が多めに出てしまうかも…みたいなやりとりをしていたスケジューラーさんが『大丈夫です、(待つことも含めて)それが役者の仕事なんで』と引くくらい大声で言い切ったんです。

白濱 それを見たマキタさんが『あいつ、言いやがったな』ってニヤッとし、何かリクエストが来るたびに『大丈夫です、それが役者の仕事なんで!』って言うようになって(笑)。そのフレーズが生まれた瞬間を見ていただけに、マキタさんが『大丈夫です!』って言うたびに笑いを堪えるのが大変で…って、怖いエピソードじゃないけれど。

佐野 現場の面白エピソードだね(笑)。決まり文句みたいだったから、マキタさんの中でブームなのかと思ってた。

──ホラーが大得意な白濱さんと超苦手な佐野さん。ホラー作品鑑賞時のこだわりを教えてください!

白濱 電気は全消し。なるべくいいスピーカーで音を楽しみます。

佐野 ホラーは音がポイントなので、作品の音を遮るような音楽をかけます(笑)。

──対照的ですね(笑)。メンバー全員で主演映画という本作を経て、今後みんなでやってみたいことのアイデアが出たりしましたか?

白濱 映画ができたなら、連ドラいけるかなって。

佐野 いいね!

白濱 7人全員主演の連ドラ。

佐野 ミステリーがいい!

白濱 考察系も楽しいかも。

佐野 個人的にはめちゃくちゃ悪い奴、猟奇殺人犯とかやりたいな。

白濱 役は決まったね(笑)。

佐野 ルパンみたいな話もいいよね。コメディ要素もあって夢もあってハラハラもしてカッコいいみたいな。

白濱 アクションできるし!

佐野 やりたいね。『オーシャンズ11』(2001)みたいなのもいいな。メンバーの役を考えるのも面白そう。

白濱 自分たちがグループのプロデューサーみたいなもの。自分たちをプロデュースしながら、面白い作品を残していきたいという純粋な気持ちはメンバー全員が持っているはず。

佐野 実現したい! こういうことを考えるだけでも楽しいよね

hair&make/寺本 剛(JYUNESU)
styling/吉田佳輔
[白濱亜嵐]ジャケット¥61,600、パンツ¥31,900/ラッド ミュージシャン(ラッド ミュージシャン 原宿) その他スタイリスト私物
[佐野玲於]ジャケット¥88,000、パンツ¥49,560/アーネイ(ジョワイユ) その他スタイリスト私物
問い合わせ先:ラッド ミュージシャン 原宿 ☎03-3470-6760/ジョワイユ ☎03-4361-4464

『ミンナのウタ』2023年8月11日(金)公開

画像1: 『ミンナのウタ』2023年8月11日(金)公開

それは、一本のカセットテープから始まった。呪いのメロディーを奏でる謎の女子中学生・さな。一度聴いてしまった者は、メロディーに取り憑かれ、自らも口ずさんでしまう。呪われたメロディーの連鎖の先に、思わぬ恐怖が待ち受ける。少女・さなの目的とは一体!?

白濱亜嵐

画像2: 『ミンナのウタ』2023年8月11日(金)公開

リアルとフィクションをミックスした本人役。昭和好きの白濱が、作中では昭和世代に嫌味を言うキャラクターに。「リアルとの違いも楽しんで!」とのこと。

佐野玲於

画像3: 『ミンナのウタ』2023年8月11日(金)公開

「そのまま演じればいい」と思った本人役だが、気づけば普段の自分を細かく確認する作業に発展したそう。本人&メンバー監修で忠実に再現した本人役に注目!

『ミンナのウタ』
2023年8月11日(金)公開
日本/2023/1時間43分/配給:松竹
監督:清水崇
出演:GENERATIONS、早見あかり、マキタスポーツ

©2023「ミンナのウタ」製作委員会

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