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ヴィゴ・モーテンセンの演技にうなる5タイトル
キャリア初期の作品からオスカー候補になった作品まで、演技でキャリアを飛躍させた5作品をピックアップ。
『インディアン・ランナー』(1991)
1960年代のネブラスカの田舎町。パトロール警官ジョーは、ベトナム戦争から帰還した弟フランクの行状を心配するが、フランクはやはり事件を起こしてしまう。デヴィッド・モース演じる実直な兄と、モーテンセン扮する精神的に不安定な弟の兄弟愛が胸を打つ。
『ロード・オブ・ザ・リング』(2001-2003)
この三部作で流浪の野伏から高貴な王までを演じて人気俳優に。音楽の才能も披露し、第3作の戴冠式で彼が歌う「Aragorn's Coronation」は彼自身の作曲。第1作のエクステンデッド・エディションの追加シーンでは「The Lay of Beren and Lúthien」も歌う。
『ザ・ロード』(2009)
原作はコーマック・マッカーシーの同名ベストセラー小説。文明が滅亡し人間が互いに襲い合う世界で、父親が、幼い息子を悪に染まらせずに生き延びさせようと旅を続ける。モーテンセンが悪の誘惑に負けそうになりながら息子のために踏みとどまる父親を演じる。
『グリーンブック』(2018)
1962年、人種差別が残るアメリカ南部をツアーする黒人の天才ジャス・ピアニストと、彼の運転手をする白人のナイトクラブの用心棒が、旅の中で互いを認め合うようになっていく。モーテンセンが、無教養でガサツな肉体派という、彼には珍しい役柄を巧演。
『フォーリング 50年間の想い出』(2020)
モーテンセンが脚本も手がけた初監督作。息子が同性愛者であることを認めない頑固な父が、認知症を患うようになり、親子が久々に同居することになるが…。対立しながらもどこかで許し合う父と息子の複雑な心理を、ランス・ヘンリクセンとモーテンセンが競演。
ヴィゴのキャリアに影響を与えた2人の盟友
『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』で4度目のタッグを組んだデヴィッド・クローネンバーグ監督とは、2001年のカンヌ国際映画祭のパーティで初対面して以来の盟友。この出会いが『イースタン・プロミス』でのアカデミー賞初ノミネートに繋がっていく。
そして、2010年に死去したデニス・ホッパーは、『インディアン・ランナー』で共演以来、ブレイク前のモーテンセンの庇護者的存在だった。モーテンセン初の個展の記録に、詩の朗読などのCDを加えた作品集「Recent Forgeries」(1998)では、序文をホッパーが執筆。
また、『ダイヤルM』(1998)にはモーテンセンによるコラージュ作品が使われているが、彼がそれを製作したのはホッパーのアトリエだった。
さらに2001年に一緒にアムステルダムへ旅行し、その時の写真は、モーテンセンの作品集「Sign Language」(2002)に収録されている。モーテンセンは自身の出版社からホッパーの作品もリリース、2005年にはホッパー撮影の写真や絵画等を集めた作品集「Bucharest Nights」が刊行されている。
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