「2人とは、何も隠すことなく、何でも話せちゃいます」
――「ゆとりですがなにか」は、ドラマ版の時から大好きだったので、映画化されると聞いた時は嬉しい驚きでした!
「(岡田将生と柳楽優弥も)3人とも驚きました! スペシャルドラマをやったので、今回もそうかなと思ったんです。そうしたら、まさかの映画だったという」
――岡田さんと柳楽さんとは、いつも親しい間柄だとお話しされていますが、「ゆとり……」の現場に入ったらすぐに、あの3人の関係性みたいものは取り戻せましたか?
「そうですね。昔の友達に会った時に、当時の自分に戻ったりするじゃないですか。それと似たような感覚です」
――以前と比べて、2人の印象や、話す内容は変わりましたか?
「変わらないです。お互いの近況報告や、最近この現場に入って、誰々と共演して、この監督と今一緒にやっているとか、そんな話をしています。2人とは、何も隠すことなく、何でも話せちゃいます」
――映画『ゆとりですがなにか インターナショナル』の台本を最初に読んだ時、どんな印象を持ちましたか?
「やっぱり宮藤(官九郎)さんは、さすがだなと思いました。ゆとり世代って、ちょっと前じゃないですか。ドラマでは、ゆとり世代全盛期を描いていましたが、今回はそれ以降のいろんな世代を取り上げています。ゆとり世代から見た今の時代をうまく切り取って、そこにちゃんと宮藤さん節のメッセージが込められている本だと思いました」
――特に面白いと思ったところは?
「宮藤さんって、いいセリフをちゃんと言わせない書き方というか、サラッと言わせようとするんですよ。会話をポンポンしている中に、この作品を通して伝えたいメッセージがサラッと書かれているんです。だから、こっちも気負いなく言える。それが本当に面白いし、すごいところだと思います」
――コメディではあるけれど、リアリティがありますよね。
「そうなんです。(安藤)サクラさんが演じる茜ちゃんが、子育て奮闘中に抱える悩みなども共感を呼ぶと思います。日常に転がっているものをピックアップして形にしているので、男女問わず“あるある”が多いんです」
――山路で言うと、教師として子供たちに多様性を教えなければいけない難しさに直面する場面が描かれていますが、その辺りはいかがでしたか?
「山路は、新しい世代と接することによって、教え方や、教える種類というものを、どんどんアップデートしていかなきゃいけなくなっています。海外から転校生がやって来ても、分け隔てなく教えなければならない。客観的に見ても、大変そうだと思いました」