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初来日時はまだあどけなさが残っていたが再来日ではオーラを発散
『レヴェナント:蘇えりし者』(2015)でアカデミー賞主演男優賞を獲得したレオナルド・ディカプリオが、2度目の受賞に王手をかけたと評判の『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』。
日本では10月に公開が予定されるこの作品は、敬愛してやまない巨匠マーティン・スコセッシ監督との6作目のコラボ作。
振り返れば、今年は『ボーイズ・ライフ』(1993年)が日本で公開されてから30周年。そのキャリアは、「(スコセッシの朋友)ロバート・デ・ニーロのように優れた俳優になりたい」という“初心”を忘れずに、進化し続けている。
レオが大きな脚光を浴びたのは『ギルバート・グレイプ』(1993年)。ジョニー・デップが演じる主人公の知的障害を持つ弟を好演し、19歳でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされてからだ。
その後は主演作が目白押し。『バスケットボール・ダイアリーズ』(1995年)では麻薬に溺れる少年の破滅的な青春をリアルに、『太陽と月に背いて』(1995年)では詩人ポール・ヴェルレーヌと禁断の恋に落ちるアルチュール・ランボーを魅惑的に。
そしてバズ・ラーマン監督が時代設定を現代に変えた『ロミオ&ジュリエット』(1996年)では、ワイルドなロミオを演じて女性ファンを熱狂させた。そして、その“熱狂”は1997年の『タイタニック』のモンスター・ヒットにより、全世界で炸裂。一夜にして世界的なスターの座についたのは、いまやハリウッドの伝説だ。
初来日は、『ギルバート・グレイプ』を携えた1994年。もうすぐ20歳になるレオは、気さくでちょっぴりやんちゃ。ママに隠れタバコが見つかってシュンとなったりする、まだあどけなさの残るかわいい坊やだった。
しかし、その3年後。『タイタニック』のプロモーションで再来日したときにはスタイリッシュなスーツに身を包みスターオーラに輝いていた。とはいえ外見は少々大人っぽくなっても、「禁煙2ヶ月めだよ」と自慢げに言ったりして、素直でお茶目な内面は変わりないし。
世界中から熱い視線を浴びる“狂騒”にも、ご本人がいちばん戸惑っていた。「スターになった人のマニュアル本なんてないからさ。何をお手本にしていいかわからないんだ。とにかく、いまは人として人生を踏み外さないように、優れた俳優になるように、一歩ずつ歩いていくしかないね」