36回目を迎える東京国際映画祭。これまではその年ごとにテーマやポイントを設定してきたが、今年から新たに基本理念となるミッション(理念)を策定し、映画祭を運営していくことを宣言。それは「東京から映画の可能性を発信し、多様な世界との交流に貢献する」というもの。アンバサダー改めナビゲイターに安藤桃子監督を迎え、コロナ禍を越えて新たなステージに進む映画祭に、今回は海外からも多くのゲストが来場、注目の企画も盛りだくさん! この特集で期待作をチェックしてから参加してみては?(文・米崎明宏/スクリーン編集部)
第36回東京国際映画祭
期間:2023年10月23日~11月1日(10日間)
会場:TOHOシネマズ日比谷、シャンテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネスイッチ銀座、角川シネマ有楽町、 丸の内TOEI、丸の内ピカデリーほか千代田区、および中央区の劇場、ホール等を使用
タイムスケジュールなど詳細は公式サイトにて(チケットは発売中)
コンペティション
ヴィム・ヴェンダースはじめ、中国の女優チャオ・タオ、スペインのアルベルト・セラ監督ら国際的な5人の審査員たちが世界各地から応募のあった1942本から厳選された15作品を審査、グランプリなどを決定する。
中国からは3作が選出された。
- グー・シャオガン監督の『西湖畔に生きる』
- ガオ・ポン監督の『ロングショット』
- これが遺作となったぺマ・ツェテン監督の『雪豹』
来場が予定されている注目監督の新作は、
- ドイツのファイト・ヘルマー監督の『ゴンドラ』
- ロシアのアレクセイ・ゲルマン・ジュニア監督の『エア』
さらに、様々な国の視点で今を描いた作品が上映される。
- アゼルバイジャンの『鳥たちへの説教』(ヒラル・バイダロフ監督)
- ジョージアの『タタミ』(ザーラ・アミール・エブラヒミ監督)
- アメリカとイランを舞台にした『ペルシアン・バージョン』(マリアム・ケシャヴァルズ監督)
- チリの『開拓者たち』(フェリペ・ガルベス監督)など
日本からは富名哲也監督の『わたくしどもは。』、岸善幸監督の『正欲』、小辻陽平監督の『曖昧な楽園』の3作がノミネートされている。
ガラ・セレクション
日本公開前の最新作をプレミア上映する、映画ファンにとっては最も人気の高い部門。今後の賞レースで名前の挙がりそうな新作をいち早く鑑賞できるお楽しみもあり。
- 先日のベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞したヨルゴス・ランティモス監督、エマ・ストーン主演
『哀れなるものたち』
- カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞したトラン・アン・ユン監督
『ポトフ(原題)』
- タイカ・ワイティティ監督、マイケル・ファスベンダー主演
『ネクスト・ゴール・ウィンズ』
- ブラムハウス製作で名作ホラーのその後を描く
『エクソシスト 信じる者』
- 中国で大ヒットしたチャン・イーモウ監督の歴史劇
『満江紅(マンジャンホン)』
- 山田太一の小説をロンドンに舞台を移し映画化したポール・メスカル主演の
『異人たち』 - アンディ・ラウ主演の風刺コメディ
『ムービー・エンペラー』
- 北野武監督が戦国時代を舞台に描く意欲作
『首』 - 三池崇史監督のサスペンス
『怪物の木こり』
など内外14本の話題作がラインナップされている。