神木隆之介インタビュー
主人公・敷島浩一を演じている神木隆之介。子どもの頃は怪獣遊びよりもおままごと派で「僕はゴジラ新人!」と笑う神木が、 対峙して分かった脅威でありながらも、世界中で愛され続けるゴジラの魅力とは?
神木隆之介
1993年5月19日生まれ。埼玉県出身。1995年にCMデビュー、1999年にドラマデビューを果たす。
映画『妖怪大戦争』(2005)で第29回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。その後、映画『桐島、部活やめるってよ』(2012)、『フォルトゥナの瞳』(2019)、「るろうに剣心」シリーズ(2014-2021)など話題作に出演。
2023年は連続テレビテレビ小説「らんまん」、映画『大名倒産』で主演を務めた。声の芝居にも定評があり、『君の名は。』(2016)、『すずめの戸締まり』(2022)など出演作多数。
敷島浩一(神木隆之介)
戦争から生還するも、家族を失い、荒廃した日本で、典子と出会う。
── 2023年は映画『大名倒産』で江戸を、ドラマ「らんまん」で明治から昭和を、本作では戦後を生きています。
以前、インタビューで「役でいろいろな時代を生きていることが役者としてとても役立っている」とお話されていましたが、新たな時代を経験した今の心境を教えてください。
『この作品をやってよかった』『この役をやってよかった』と感じるタイミングがいつになるかはわからないけれど、いつか『ゴジラ』に携われて幸せだったと思う日が来るのを楽しみにしているというのが正直な気持ちです。
出演できたことにはとても感謝しているし、得たものもたくさんあるけれど、それを実感するのはもう少し先になるのかなと思っています。
──東京国際映画祭のクロージング作品。お披露目が東京国際映画祭という場所になることをどのように感じますか?
スケジュール帳にレッドカーペットと書いてあって、今から緊張しています。目下の課題は、どんな顔をして歩けばいいかということ。
僕が手を振って振り返してもらっても『いやいや、お前じゃない、ゴジラに振ったんだ』って言われちゃうかもしれないし(笑)。きっとペコペコして、山崎監督の方をチラチラ見ながら歩いている気がします。
でも映画祭というみんなが楽しく盛り上がれる場所で自分携わった作品が大きな役割を担うことはとても光栄です。『おめでとう』と言ってもらえる感じはシンプルにうれしいです。
──小さい頃は怪獣遊びよりもおままごとで遊ぶ方が好きだったとのこと。ゴジラとの出会いを覚えていますか?
怪獣遊びはしなかったけれど、ゴジラの存在もあのテーマソングもいつの間にか知っている。すごく不思議な存在ですよね。僕は映画館にゴジラ映画を観に行ったことがないのに、ゴジラのテーマソングはちゃんと知っている。
浜辺さんが会見でおっしゃっていたように、日本人の遺伝子に刷り込まれている物なのかもしれないですね。
──映画、アニメ、ゲーム、フィギュアなどさまざまな形で愛され続けるゴジラ。ゴジラが愛され続ける理由がどこにあると思いますか?
僕はゴジラ新人の立場ですが、なんだろう。ゴジラって、居ることがなぜか腑に落ちてしまうんですよね。山崎監督の話なども聞いて思ったのは、ゴジラという存在は負の遺産でもあるのかなと。人間のエゴや欲を含んだものを具現化したのがゴジラなのかなと思っていて。
突然姿を現すけれど、自然の中から急に生まれてくるものではない。ただの理不尽ではなく、人間のエゴや欲が影響してゴジラというものを生み出してしまっている。それが人間に歯向かう時もあれば、ただ歩いて街を壊すだけの時もある。
いろいろな説明を聞くと、自分たちが生み出してしまったものと思えるから、腑に落ちてしまうのかなと感じています。
後悔や反省と向き合っていかなければいけない。人間はゴジラへの向き合い方を問いかけられている。だからこそ、他人事ではない、自分ごとのように捉え惹かれてく。今の世の中のすべての問題を具現化した生物、そんなとこが腑に落ちるから、興味を持たれ、愛され続けているのかなと思います。
『ゴジラ-1.0』2023年11月3日(金・祝)公開!
戦後、すべてを失った日本。無(ゼロ)になった日本へ追い打ちをかけるように現れたゴジラがこの国を負(マイナス)に叩き落す……。史上最も絶望的な状況での襲来に「誰が」「どうやって」立ち向かうのか?
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『ゴジラ-1.0』
2023年11月3日(金・祝)公開
日本/2023/配給:東宝
監督・脚本:山崎貴
出演:神木隆之介、浜辺美波、山田裕貴、青木崇高、吉岡秀隆、安藤サクラ、佐々木蔵之介
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