新種薬物事件の背後で蠢く日本のヤクザと汚職刑事たちを“怪物刑事”マ・ソクトが追い詰めていく。映画『犯罪都市 NO WAY OUT』はマ・ドンソクが拳ひとつで最狂の悪党たちを撃ち破る『犯罪都市』の3作目である。本作ではシリーズ初となる2人の最強ヴィランが登場。敵役の一人として青木崇高が抜擢され、極悪非道な“ヤクザの殺し屋”リキ役を演じた。公開を機に、マ・ドンソク氏がイ・サンヨン監督とともに公式初来日。青木崇高氏も一緒にSCREEN ONLINEのインタビューに応じてくれた。(取材・文/ほりきみき)

見どころは進化したボクシングアクション

──韓国と日本で、撮影現場に違いはありましたか。

青木:韓国の作品はすごく好きで、これまでも見ていましたし、韓国の現場に興味もありましたが、今回いちばん驚いたのは、現場で編集作業が行われるという点です。各部署が同時にビジュアルを共有できるというのは、作業的な面でも無駄ない。しかも、その日撮ったものを繋いで、みんなで見て確認できるのはモノを作る喜びみたいなものが感じられて、モチベーションにおいても大きな作用があるのではないかと思いました。

また、現場のスタッフのみなさんが若くてパワーがある。現場で思いついたアイデアもいいとわかればどんどん取り込んでいく。その瞬間、その瞬間でのベストを探していくことに対して躊躇なくやっていく姿勢はクリエイティブにおいてとても大切だと思いました。

宣伝においては、韓国では舞台挨拶の時間こそ短いですが、できるだけ多くの映画館を回って、直接、顔をお見せする。それをお客さまが動画で撮って拡散してくれる。我々出演者はその熱量をそのまま受け止めることでエンタメの力を再確認でき、次の作品のエネルギーに繋げていく。いい循環ですよね。アジアだけでなく世界を席巻していく韓国のエンタメにいいシステムはどんどん取り込んでいくという姿勢を感じました。

画像: 見どころは進化したボクシングアクション

──今回の本作ならではの見どころはどんなところでしょうか。

:まずはアクションですね。私と20年間ずっと一緒にやってきたアクションチームが『犯罪都市』のアクションも担当してくれています。俳優に合ったアクションをデザインしてくれました。

私は幼い頃からボクシングをやってきましたが、今回はそのボクシングアクションを1や2よりも進化させました。新たなボクシングアクションをご覧頂けると思います。ボクシングの専門家の方が“これをこんな風に映画で形にできるのか”とご覧になって驚かれていました。

またアクションだけでなく、ストーリーにおいてもしっかりと作り上げるために長い時間をかけて努力してきました。『犯罪都市』シリーズ特有のウィットに富んだユーモアなども楽しんで頂けると思います。

青木:アクションもそうですが、素晴らしい役者さんが出てくるのも大きな魅力です。私としては同じ日本人パートで登場する國村隼さんの存在もすごく大きく、作品に深みを与えてくださいました。それぞれのキャラクターの魅力を楽しんでいただければと思います。

<PROFILE>

イ・サンヨン監督

1作目『犯罪都市』の助監督を務め、2作目『犯罪都市 THE ROUNDUP』を演出、そして『犯罪都市 NO WAY OUT』にも参加する、シリーズオリジナルスタッフの代表イ・サンヨン監督。2作目ではシリーズならではの痛快さを豪快に表現し、2022年韓国最高のヒットをとばした。「観客の期待に応えなければ、という気持ちで本当に力を入れて作りました」と語るイ・サンヨン監督は、シリーズのオリジナリティを維持しながらも、その中に新鮮さをプラスするために、主演俳優であり企画、制作者であるマ・ドンソクと絶えず話し合いを行ってきた。「同じパターンが繰り返される瞬間、ありきたりだと興味を失われてしまう」と感じた監督は、『犯罪都市』シリーズならではのアクションとユーモアを維持しながら、キャラクターの多角化とマ・ソクトの部署異動で世界観を拡大する方法を選択した。

マ・ドンソク

“ジャンルそのものがマ・ドンソク”と言わしめた映画『犯罪都市』シリーズ。マ・ドンソクは“マ・ソクト”というライフワークとなるキャラクターを誕生させ、マーベルヒーローの一員としても全世界に愛される俳優となった。よりグレードアップしたマ・ドンソクの“ワンパンチアクション”は言わずもがな必見!近年の出演作:『狎鴎亭(アックジョン)スターダム』『犯罪都市 THE ROUNDUP』(ともに22)、『エターナルズ』(21)、『白頭山大噴火』(19)ほか。

青木崇高

シリーズ初のグローバル・ヴィランとして本作に参加し、初めて韓国映画に挑戦する。青木は本作のために、自身の出演作『るろうに剣心』シリーズのアクションチームを招き、日本でのトレーニングを自ら買って出た。練習映像を撮影して『犯罪都市』スタッフに共有するなど、作品へ真剣に取り組み、努力と情熱の末に誕生した青木の日本刀アクションは、マ・ソクトに対抗する日本のヴィランとして韓国の観客に強烈な印象を残した。近年の出演作:NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(22)、『ゴジラ-1.0』(23)ほか。公開待機作に、huluオリジナル「十角館の殺人」、映画『ミッシング』などがある。

『犯罪都市 NO WAY OUT』

2月23日(金)より新宿ピカデリー、グランドシネマサンシャイン 池袋ほか全国公開

画像: 『犯罪都市 NO WAY OUT』本予告 www.youtube.com

『犯罪都市 NO WAY OUT』本予告

www.youtube.com

<STORY>
ベトナムでの凶悪犯一斉検挙から7年後。マフィアも恐れる“怪物刑事”マ・ソクト(マ・ドンソク)は、ソウル広域捜査隊に異動し、ある転落死事件を捜査していた。捜査を進めるうち、事件の背後に新種の合成麻薬と、日本のヤクザが関わっているという情報を掴む。一方、麻薬を盗んだ組織員たちを処理するため、極悪非道な“ヤクザの解決屋”リキ(青木崇高)が、一条親分(國村隼)の指示のもと密かにソウルへ送りこまれていた。さらに消えた麻薬の奪取を目論む“汚職刑事”チュ・ソンチョル(イ・ジュニョク)も加わり、事件は三つ巴の激戦に突入、2人の最強の敵を前にマ・ソクト最大のピンチが訪れる—

<STAFF&CAST>
監督:イ・サンヨン
脚本 : キム・ミンソン
脚色 : イ・サンヨン、マ・ドンソク、イェ・ドンウ
主演:マ・ドンソク
出演:イ・ジュニョク、青木崇高、國村隼
配給:ツイン 
2023年/韓国・日本語ほか/韓国語/カラー/シネマスコープ/原題:범죄도시3/105分/PG-12/字幕翻訳:根本理恵

公式サイト:https://hanzaitoshi3.com/

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