「東昇と朝陽は“表裏一体”だと思います」
――今回、東昇を演じる上で、声の出し方がいつもの岡田さんと違う印象を受けました。
「本当ですか? 特に意識してはいなかったのですが、この映画を撮影していた時、仕事の移動が多くて肉体的に疲労していたので、それを追い詰められている東昇の役に活かそうとは思っていました。今回はどのシーンも、ものすごく悩みながら演じていて、子どもたちにも『こういう風に動いた方がいいかもしれない』と話したりする場面もありました。今までとは違う目線で演じたのかもしれないですね。終わった後は本当にやり切ったという気持ちになって、スッキリした状態で気持ち良く沖縄から東京に帰れました」
――頭が良いはずの東昇が子どもの朝陽に先回りされたりしますよね。そんな東昇を、どのような気持ちで演じましたか?
「これは僕の個人的な意見なんですけど、僕は朝陽が東を上回る方がいいと思っています。僕は東昇の前に朝陽が現れてくれて良かったと思うし、東昇と朝陽は“表裏一体”だと思います。やっぱり、この映画は子どもたちが輝く映画なんですよね。犯罪なので、ダメな輝きなんですけど」
――金子修介監督との共同作業はいかがでしたか?
「金子監督は基本的に何も言わないんです。本当に自由にやらせてもらった感じなんですが、だからこそ今回の役では不安になる部分も多々ありました。映画は監督のもので、監督について行こうと思って演じていましたが、『東昇としてこういう風にやった方がいいのではないか』と思った時は監督とお話させて頂くこともありました。広く意見を受け止めてくださる監督なので、現場はスムーズに、あまりストップすることなく撮影できました。そこは監督の懐の深さだと思います。僕のことを信頼してくださったのもうれしかったです。撮り方やカット割りはとても映画的で、ワクワクしました」