『この家、何かが、変、ですよね─』累計発行部数77万超えの同名人気小説を映画化した「変な家」。ある奇妙な家の間取りから人間の闇が明かされるという、今までにない斬新な展開のミステリーだ。そんな本作で、主人公の動画クリエイターを演じ、印象的な演技を見せている間宮祥太朗。“変な家”にのめり込んでいく主人公の心情や、劇中でバディを組んだ佐藤二朗との仕事で感じたことまで、撮影を振り返りながら語ってくれた。(文・山村祥子/写真・野口貴司(sandrago)/デジタル編集・スクリーン編集部)

間宮祥太朗 プロフィール

1993年6月11日生まれ。神奈川県出身。O型。2008年に俳優デビュー。

近年の主な出演作品に『破壊』(2021)映画『東京リベンジャーズ』シリーズ(2021、2023)『BLUE GIANT』(2023・声の出演)映画『ある閉ざされた雪の山荘で』(2024)や、ドラマ「ナンバMG5」(2022)「魔法のリノベ」(2022)「真夏のシンデレラ」(2023)がある。

主演ドラマ「ACMA:GAME アクマゲーム」(日本テレビ系)が4月クールに放送を控える。

──奇妙な間取りの家から、恐ろしい真実が明らかになっていく『変な家』。雨穴(うけつ)さんのYouTube動画と小説がベースになっていますが、脚本を読まれた時はどのように感じましたか。

先に『変な家』の動画を見ていたのですが、雨穴さんの動画はどこか自然体で淡々としていて、気づかないうちに引き込まれるところがありました。どうやって映画の脚本に落とし込んでいくんだろう、と思っていましたが、実際に読んでみて『映画らしい脚本だな』と感じました。動画からストーリーを広げつつも、脚本としてまとまりがあり、後半に行くにつれて盛り上がっていく展開もイメージができました。

──間宮さんが演じた動画クリエイター・雨宮の人物像については、どのように捉えられていますか。

石川淳一監督とお話していたのは、平均よりも良い大学に入学して、順調に人生を歩むはずが、就活で失敗して動画配信を始めた、ということでした。動画が一本当たって配信で生計を立てようと思ったけれど、そう簡単にはいかない。雨宮自身は“俺の人生、もっとうまくいくはずだったのに”と考えていると思います。動画配信で大金を稼ごうというよりは、社会で仕事をしたくなくて、職業として動画配信を捉えているんですよね。そんな雨宮が一本一本の動画に魂や情熱をこめるのはちょっと違うと思っていたので、冒頭の動画に関わるシーンも意識して演じていました。

──演じるうえで、他に意識されていたことはありますか。

最初は“変な家”について軽く捉えていたところが、囚われるようにそのことしか考えられなくなっていくイメージで演じていました。雨宮の心情には芝居の中で自然に入りこむことができたので、起きていく状況に合わせて素直に演じましたね。あとは作品とお客さんの橋渡しをするというか、例えば主人公の“怖い”とか“驚いた”という反応は、見る人をビビットに作品に引き込むと思うんです。お客さんに共感してもらえるように、状況に合わせてリアクションの加減は調整していました。

──変な家に踏み込むシーンは張りつめるような緊張感がありますが、撮影はいかがでしたか。

自分でもカメラを回しながら演じていたので、家の中でも“監督が使いそう”というポイントをカメラに映すようにしていました。撮影した動画は、雨宮の視点で映しているシーンでも実際に使われているんです。雨宮は深い闇へと入り込んでいきますが、家のセットやロケ地によって、よりリアリティを感じながら演じられたと思います。

──闇に近づくと同時に、戻れなくなることの恐ろしさを警告する描写もありますが、それでも突き進む雨宮には共感できますか。

雨宮が変な家にのめり込んでいったのは、商売道具であるカメラという、フィルターのような存在があったことも大きいと思うんです。その対象と自分の間に何か一枚挟まることで、歯止めが効かなくなるというか、カメラを向けることで“小さな画面の中の出来事なんだ”と錯覚してしまうところがあると思います。雨宮は本能的に危ないということを察しつつも、仕事として入り込んでいくわけですが、“本当にこの距離感で向き合っていいのか”という迷いのようなものは、演じる時も少し意識していました。僕自身でしたら『危なそうだな』と感じたらやめてしまうと思います。

hair&make・三宅茜/Styling・津野真吾(impiger)
衣装協力/ジャケット¥139,700、セーター¥33,000/DIESEL(DIESEL JAPAN)、その他スタイリスト私物
問い合わせ先/DIESEL JAPAN 0120-55-1978

『変な家』2024年3月15日(金)公開

画像: 『変な家』2024年3月15日(金)公開

“雨男”の名で活動するオカルト専門の動画クリエイター・雨宮トオル。ある日、マネージャーから、引っ越しを検討している一軒家の奇妙な間取りについて話を聞いた雨宮は、設計士の栗原に意見を求めることに。ミステリー愛好家の栗原は、違和感を次々と指摘し、雨宮が想像すらしなかった一つの仮説を導き出す。

そんな矢先、その”変な家”の近くで死体遺棄事件が発生。雨宮がそれをネタに動画を投稿すると、“変な家”に心当たりがあるという女性・宮江柚希から連絡が入り……。

ウェブライターにして動画クリエイターの雨穴(うけつ)による同名小説を『ミックス。』(2017)の石川淳一監督が映画化。映画『ある閉ざされた雪の山荘で』(2024)の間宮祥太朗と、『さがす』(2022)の佐藤二朗がそれぞれ雨宮と栗原役でW主演を務める。

謎の女性・柚希を『地獄の花園』(2021)などの川栄李奈が演じるほか、長田成哉、DJ松永(Creepy Nuts)、瀧本美織、根岸季衣、髙嶋政伸、斉藤由貴、石坂浩二らが出演。

雨男/雨宮トオル(間宮祥太朗)

画像: 『変な家』間宮祥太朗インタビュー/答えを導くために、たどり着いた真実

オカルト専門の動画を配信するクリエイター。マネージャーから奇妙な間取りの”変な家”について相談を受けたことから、設計士・栗原とともに謎の究明に動き出す。

『変な家』
2024年3月15日(金)公開
日本/2024/1時間50分/配給:東宝
監督:石川淳一
脚本:丑尾健太郎
出演:間宮祥太朗、佐藤二朗、川栄李奈、長田成哉、DJ松永(Creepy Nuts)、瀧本美織、根岸季衣、高嶋政伸、斉藤由貴、石坂浩二

Ⓒ2024「変な家」製作委員会

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