理由1:クリエイターには「ゲーム・オブ・スローンズ」のコンビが
ドラマ『三体』のクリエイターは、大ヒットドラマシリーズ『ゲーム・オブ・スローンズ』のコンビ、デヴィッド・ベニオフ&D・B・ワイスと、ドラマ『ザ・テラー』シーズン2のクリエイターのアレクサンダー・ウーの3人。『ゲーム・オブ・スローンズ』のコンビが手掛けるとなれば、見ないわけにはいかない。このコンビは、熱狂的なファンを持つ、ジョージ・R・R・マーティンの未完の長尺ファンタジー小説『氷と炎の歌』シリーズを、ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』として映像化。ドラマは原作をかなりアレンジしているのに、原作の魅力はそのままで、原作ファンにも絶賛された実績の持ち主。このコンビなら『三体』の魅力をドラマ化してくれるはず。
もちろん、原作ファンでなくても大丈夫。クリエイターコンビは「ファンタジーが好きではない方々が『ゲーム・オブ・スローンズ』を楽しんだように、SFファンではない方々がこのドラマを気に入ってくれたら嬉しい」と語っている。そういうコンセプトで作られてたドラマなのだ。
理由2:謎解き仕立てのストーリーで、どんどん次が見たくなる
このドラマのストーリーをネタバレなしに紹介するのは難しい。というのも、ドラマは、さまざまな謎が登場し、それがどんな意味なのかが少しずつ明らかになっていく謎解き仕様。だから、次から次へと、どんどん続きが見たくなる。シーズン1は全8話で、ドラマ展開が速いのも気持ちいい。
ドラマの始まりの一つは、1960年代の中国。文化大革命の中、若い女性科学者の行動が描かれていく。もう一つの始まりは、2024年のロンドンで暮らす、オックスフォード大学で一緒に物理学を学んだ男女5人。世界中で科学者たちの自殺が相次ぎ、彼らの恩師も自殺するが、それはなぜなのか。5人のうちの1人の目の前に、カウントダウンのような数字が表示されるようになるが、それは何なのか。また、別の1人は自殺した恩師の残したVRゲーム「三体」に没頭していくが、このゲームは何のためのものなのか。さまざまな謎が解き明かされていき、やがて人類全体の存亡を左右する、壮大な事態の全貌が明らかになっていく。その時間的にも空間的にも巨大すぎるスケールが、衝撃的だ。
そして、その謎解きに登場人物たちそれぞれの人間ドラマが絡んでいく。演じるのは、『ゲーム・オブ・スローンズ』でもおなじみのリーアム・カニンガム、ジョン・ブラッドリー、ジョンナサン・プライスに、『ドクター・ストレンジ』シリーズのベネディクト・ウォン、『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』のエイザ・ゴンザレス、『『パーティで女の子に話しかけるには』のアレックス・シャープら、個性豊かな顔ぶれだ。
理由3:ビジュアルがインパクト大! 映像作品だからこその面白さ
そして、映像作品だからこその魅力は、ビジュアルのインパクト。中でも、VRゲーム「三体」はログインするたびに風景が変わり、その世界ならではの奇妙な出来事が起きる。また、60年代の中国も、現代のロンドン、80年代のロンドンなど、さまざまな時代のいろんな場所が登場。現実にはまだ存在しない新たなテクノロジーの視覚化も興味深い。
理由4:原作を読むと「脚色」の技が分かって2度オイシイ
このドラマを楽しむのに、原作を読んでおく必要はないが、原作を読むと『ゲーム・オブ・スローンズ』コンビの脚色ぶり、原作をどうアレンジしたのか、その技の見事さが分かって、2度オイシイ。大胆なアレンジぶりも見事だが、それでいて、原作に登場する感動的なシーンは、ほぼ原作のまま描かれたりもする。ドラマを楽しんだ後で原作を読んでも、ドラマがさらに面白くなりそうだ。
*Netflixシリーズ「三体」は3月21日(木)世界独占配信