現地時間1月15日に授賞式が開催された、米TVドラマ最大の祭典〝第75回エミー賞〞。なんと今回は、作品賞に輝いた3本の作品が各部門で大量受賞するという結果に。エミー賞の話題をかっさらった「一流シェフのファミリーレストラン」の魅力をご紹介します。(文・清水久美子/デジタル編集・スクリーン編集部)

エミー賞最多10部門受賞! 熱くて刺々しい料理人ドラマ

画像: エミー賞最多10部門受賞! 熱くて刺々しい料理人ドラマ

ディズニー傘下のFXが制作し、2022年から米Huluで配信されている大ヒットドラマ「一流シェフのファミリーレストラン」(原題The Bear)。日本ではディズニープラスにてシーズン2まで配信されており、すでにシーズン3の制作も決定している。

米国での人気は凄まじく、第75回プライムタイム・エミー賞(TV界のアカデミー賞)では最多10部門で受賞を果たす快挙を成し遂げた。

本作のクリエイターで、製作総指揮・監督・脚本も兼任しているのは、映画『エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』(2018)やTV「ラミー:自分探しの旅」などでもプロデューサーを務めているクリストファー・ストーラー。

主演は「シェイムレス 俺たちに恥はない」のリップ・ギャラガー役で知られるジェレミー・アレン・ホワイト、「GIRLS/ガールズ」のエボン・モス=バクラック、「ビッグマウス」のアイオウ・エディバリーらが共演する、見どころ満載の傑作ドラマだ。

あらすじ

画像: あらすじ

世界的に有名な一流レストランのシェフだったカーミーは、自ら命を断った兄マイケルのレストランを継ぐことに。古くて汚い店で、我の強い従業員を率いながら、どうにかして店を立て直そうと奮闘するカーミーは、新しく来た料理人のシドニーの協力を得て、きちんとしたシステムを築き、美味しい料理を提供しようと試行錯誤する。

レストランもトラブルだらけだが、カーミー自身も過去の心の傷や家族のことなど、さまざまな問題を抱えていた。

チェックポイント

戦場すぎる厨房

画像: 戦場すぎる厨房

開店準備から、料理の仕込み、オーダーが入ってからの調理など、まるで戦場のような厨房の様子を、心臓が破裂しそうな緊張感で描出。狭い場所をスタッフが行き交い、少しでも油断したら、ぶつかって大惨事になりそうなレストランの裏側を見せてくれる。キリキリするギターリフの音色や、料理する手元の寄りの映像も特徴的だ。

尖りすぎな人間ドラマ

画像: 尖りすぎな人間ドラマ

言うことを聞かない従業員たちや、汚くて使いづらい厨房で、思い通りにならないレストラン経営に苛立つカーミー。常に攻撃的なリッチーとの会話は激しい口論になり、アイデアを伝えたいシドニーも一歩も引かず、誰もが大声で話す状態に。でも尖ってばかりではなく、時には助け合える人間関係も魅力で、ホロリとさせられる。

色彩豊かな料理たち

画像: 色彩豊かな料理たち

カーミーやシドニーが編み出す料理や、マーカスが作るスイーツは美しく、物凄く美味しそうなものばかり。本作のフードコーディネーターを務めているのは、クリエイターのクリストファーの妹であるコートニー・ストーラー。彼女はパリやLAの一流レストランで働いた経験を活かし、色鮮やかな数々の料理でドラマを盛り上げている。

映画ファン歓喜な豪華カメオ

画像: 映画ファン歓喜な豪華カメオ

本作の重要人物である、亡くなった兄マイケルを演じているのは「ウォーキング・デッド」のジョン・バーンサル。シーズン2のゲストも非常に豪華で、「ベター・コール・ソウル」のボブ・オデンカーク、『なんちゃって家族』のウィル・ポールター、オスカー女優のジェイミー・リー・カーティスとオリヴィア・コールマンも登場!

〈コメディ・シリーズ部門〉で主要賞総なめ! 第75回エミー賞で最多10冠に輝く!

画像: 本作で大ブレイクを果たしたホワイト&エディバリー Photo by Kevin Winter/Getty Images

本作で大ブレイクを果たしたホワイト&エディバリー

Photo by Kevin Winter/Getty Images

本作のシーズン1が第75回プライムタイム・エミー賞のコメディ・シリーズ部門で受賞したのは、作品賞、監督賞と脚本賞(共にクリストファー・ストーラー)、主演男優賞(ジェレミー・アレン・ホワイト)、助演女優賞(アイオウ・エディバリー)、助演男優賞(エボン・モス=バクラック)、キャスティング賞、30分番組音響ミキシング賞、30分番組音響編集賞、シングルカメラ映像編集賞で、最多の10冠となった。

個性的な才能たちと組んで話題作を続々輩出「スタジオFX」

「一流シェフのファミリーレストラン」を制作したFXは、クリエイターの個性や作家性を重視するスタジオとして知られている。FXは、あまり知名度の高くないクリエイターであっても、その才能を認めて育てていき、質の高い話題作を多数送り出してきた。

2000年代には「ダメージ」、2010年代には「ジ・アメリカンズ」などの傑作ドラマがFXから誕生。エミー賞をはじめ数々の賞に輝いた「アトランタ」や、稀代のヒットメイカーであるライアン・マーフィーが贈る「アメリカン・ホラー・ストーリー」と「POSE/ポーズ」といった個性的なドラマもFX作品だ。

そして、最新作の「SHOGUN 将軍」はワールドプレミア上映後、批評家の絶賛が相次いでいる。真田広之主演で、戦国時代の日本を描いたドラマを、ハリウッドが圧倒的なビッグスケールのエンターテインメント大作シリーズとして、世界に発信することができるのも、FXならではと言えるだろう。

画像: 「SHOGUN 将軍」ディズニープラスの「スター」で独占配信中 © 2024 Disney and its related entities Courtesy of FX Networks

「SHOGUN 将軍」ディズニープラスの「スター」で独占配信中

© 2024 Disney and its related entities Courtesy of FX Networks

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