世界が憧れるスーパースター エルヴィス・プレスリーと恋に落ちた14歳の少女・プリシラの物語を描く『プリシラ』が全国公開中。今回は、今作の監督を務めたソフィア・コッポラにクローズアップ! まずは、彼女の歩んだ軌跡から振り返ってみましょう。(インタビュー、文・斉藤博昭/デジタル編集・スクリーン編集部)
カバー画像:Credit Melodie McDaniel.

ソフィア・コッポラ フィルモグラフィー

1999年|『ヴァージン・スーサイズ』監督・脚本

画像: 『ヴァージン・スーサイズ』 U-NEXTで配信中 ©1999 by Paramount Classics, a division of Paramount Pictures. All Rights Reserved

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2003年|『 ロスト・イン・ トランスレーション』監督・脚本・製作

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2006年|『マリー・アントワネット』監督・脚本・製作

画像: 『マリー・アントワネット』 U-NEXTで配信中 ©2005 I Want Candy LLC.

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©2005 I Want Candy LLC.

2010年|『SOMEWHERE』監督・脚本・製作

画像: 2010年|『SOMEWHERE』監督・脚本・製作
画像1: 女性視点から物語を紡ぎ続ける、ソフィア・コッポラと今注目の女性監督たち

『SOMEWHERE』
Blu-ray発売中/価格:4,935円(税込)
発売元:株式会社東北新社
販売元:TCエンタテインメント株式会社

©2010-Somewhere LLC

2013年|『ブリングリング』監督・脚本・製作

2015年|『ビル・マーレイ・クリスマス』監督・脚本・製作総指揮

2017年|『The Beguiled/ ビガイルド 欲望のめざめ』監督・脚色/兄のロマンと共に製作も兼任。

2020年|『オン・ザ・ロック』監督・脚本・製作

2023年|『プリシラ』監督・脚本・製作

画像: 2023年|『プリシラ』監督・脚本・製作

『プリシラ』2024年4月12日より公開中
配給:ギャガ
©The Apartment S.r.l All Rights Reserved 2023

ソフィア・コッポラ インタビュー

プリシラの回顧録「私のエルヴィス」を読み心を動かされたと語るソフィア・コッポラ。今作にどのようにして取り組んだのか、その溢れる思いを語ってくれました。

『プリシラ』あらすじ

画像2: 女性視点から物語を紡ぎ続ける、ソフィア・コッポラと今注目の女性監督たち

1959年の西ドイツで、14歳のプリシラは兵役についていたエルヴィス・プレスリーに見初められる。17歳になったプリシラは、メンフィスにあるエルヴィスの邸宅、グレースランドへ招かれ、彼との生活がスタート。華やかな日常を送り、2人は結婚し、プリシラは娘も授かるが、多忙なエルヴィスとは心のすれ違いも生じていく。

画像: ソフィア・コッポラ インタビュー

──この『プリシラ』は、ふかふかのカーペットに素足が沈み込む映像で始まります。多くの人が期待する、あなたの映画ならではのセンスを感じられました。

あの映像で『これは私の映画です』と宣言しているわけではありません(笑)。私は自分自身を映画で表現している傾向もあるので、そのように受け取られることには慣れています。あのオープニングの映像は無意識に撮っていました。私としては、たとえばベッドルームに何人かの女の子たちが横たわっていたり、そういったイメージに自分らしさを感じる時はあります。

──本作はプリシラ・プレスリーの回顧録「私のエルヴィス」を基にしたうえで、プリシラ本人の協力も得ているのですよね。

はい。プリシラが私の前で人生を振り返ってくれました。そこで原作に書かれていないエピソードも出てきたのです。

たとえばプリシラとエルヴィスの映画館でのデート。エルヴィスはハンフリー・ボガートのセリフを暗記しており、スクリーンに合わせて復唱します。その直後の車の中のシーンで、エルヴィスはマーロン・ブランドやジェームズ・ディーンの演技に憧れていることをプリシラに語ります。ミュージシャンとしては最高の人気を得ていたエルヴィスが、俳優業ではキャリアに不満をもち、屈折感も抱えており、そうした感情はプリシラから直に聞いたことで脚本に入れ込むことができました。

──プリシラは完成作に満足してくれましたか?

初期のラフカットを観てもらう時は緊張しましたが、プリシラから『私の人生を伝えてくれてありがとう』と言われ安心しました。何よりプリシラになりきったケイリー(・スピーニー)の演技のおかげだと思います。

──ケイリー・スピーニーを、どのようにプリシラ役に導いたのでしょう。

当初、ケイリーはプリシラについて詳しくなかったので、一緒にコーヒーを飲みながら、時間をかけてプリシラの人生について説明しました。おたがいの意図を理解し合ったうえで、彼女はプリシラ役を引き受けてくれたのです。

撮影に入ってからは、エルヴィス役のジェイク(ジェイコブ・エルロディ)との相性が本作の成否を分けると感じていました。ジェイクに備わっていたカリスマ性と、どんな相手も受け入れる包容力によって、ケイリーもプリシラになりきってくれました。

──バズ・ラーマン監督の『エルヴィス』は気になりましたか?

『エルヴィス』は、本作の撮影が始まる前に観ましたが、全く方向性が違っていたので影響は受けていません。同作にはプリシラが少ししか登場しないので、私はむしろ別の視点から登場人物の感情を描けばいいと気がラクになりました。

──本作は撮ったことで、あなた自身が得た喜びを教えてください。

1960年代のカルチャーを再現し、私の母の人生を追体験できたことです。そこから私の世代、そして娘の世代で変化していったもの、また変わらず共有できるものなどに思いを巡らす喜びに浸りました。 

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