永野芽郁と高橋文哉が初共演する映画『からかい上手の高木さん』が公開される。原作は山本崇一朗による同名人気コミック。中学で隣の席になった女の子・高木さんに何かとからかわれる男の子・西片。どうにか高木さんにからかい返そうと策を練るもいつも見透かされてしまい失敗。そんな二人のからかいをめぐる日常が描かれている。映画はとある理由で高木さんが島を離れることになり、離ればなれになってしまってから10年が経った頃、島で再会するところから始まる。公開を前に今泉力哉監督にインタビューを敢行。作品に対する思いやキャストについて語ってもらった。(取材・文/ほりきみき)

原作者と原作ファンが喜んでくれるものにしたい


──ドラマと同じようなシチュエーションが映画にもあり、それを重ねるように編集をされていました。それを見ていたら、ドラマも見たくなりました。

あれは僕のアイデアというよりも、カメラマンや編集マンといったいろんなスタッフのアイデアです。僕が現場で「ドラマと同じアングルで」と言ったわけではありませんが、カメラマンは意識して撮ってくれていました。この作品をどういうものにするかという意識がスタッフみんな、すごく高かった気がします。

また、「曇っているから今日は撮影をやめよう。晴れの日に撮ろう」など、天気にもこだわって撮影しました。プロデューサーが全体の撮影スケジュール、予算など、いろんな面で、ゆとりを持って準備してくれたからできたことですが、現場に集まったのにその日の撮影がなくなったりしても、俳優部もスタッフも「いいものにするためにはそうしましょう!」という意識を持っていて、本当にありがたかったです。全般的にすごく丁寧に作れました。

画像1: 原作者と原作ファンが喜んでくれるものにしたい


──原作があるものを映画化する際に何か意識されることはありますか。

原作モノを映画化するときは、まず原作者と原作ファンが喜んでくれるものにしたい。この思いはすごく強いです。ですから、脚本執筆時などに、原作ファンの方々がその作品の何に惹かれているのか、原作へのファンの声、感想を検索して調べたりします。自分が原作を読んでいるだけでは気づけない原作の魅力に気づけるので。

この作品の脚本を作っているときも、原作ファンの声を検索しました。僕もこの作品を読んで面白かったのですが、なぜこの作品が特別にヒットしたのか、何が他のマンガと違うのかを知りたかったのです。それによって高木さんというキャラクターだけでなく、からかいを受ける西片のかわいらしさに魅かれている方が多いことがわかりました。これはこの作品を理解するうえでとても貴重な情報でした。

できあがった作品を原作ファンの方がどう見たかも気になって、よく検索しているのですが、先に配信、放送されたドラマを見て、「すごくよかった」という声も多く、中には「実写化に不安もあったけど、(ドラマを見て)手の平をひっくり返しました!映画も楽しみです」と書いてくれた人もいました。そういうものになればと思って作っていたので、すごくうれしかったです。


──これからご覧になる方々にひとことお願いいたします。

多くの恋愛モノ(創作物の中の恋愛)って、好きな人がいるところから始まって、その「好き」って気持ちは疑わずに進むものが多いと思います。そんな中で、“好きってどういうことなのか”に悩んでいたり、好きを伝えられなかったり、好きな気持ちを伝えたことで2人の関係性が変わるのが怖かったりといった、そういう恋愛の細部、機微を自分の映画では扱いたいという思いが常にあって。また、そもそも「好きな人がいる」前提で始まること自体がハードルが高いよ、好きな人とかいないよって人も一定数いて。現実の世界だって、24~25歳で誰かと付き合ったことがないとか、好きな人がいないって、全然珍しいことじゃないと思うんです。

この作品では、西片の性格の優柔不断さや真面目さ、また、二人のピュアさを通して、そういう人たちが見ても楽しめる恋愛映画を目指しました。この作品を見ることで、自分だけがこんなちっぽけなことで悩んでいるのでは、という思いから少しだけ解放されたり、誰かを好きになる手助けになったりしたら嬉しいです。中学生、高校生にも見てほしいし、大人の方が若い頃を懐かしんで見ていただいてもいいかなと思います。

<PROFILE>
今泉力哉
1981年生まれ、福島県出身。2010年、『たまの映画』で商業監督デビュー。2013年、『サッドティー』が東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門に出品され、高い評価を受ける。2019年、『愛がなんだ』が大ヒットを記録。2023年、Netflix映画『ちひろさん』を手がけ、世界配信と劇場公開を同日に行う。その他の主な作品に『his』(20)、『あの頃。』(21)、『街の上で』(21)、『猫は逃げた』(22)、『窓辺にて』(22)、『アンダーカレント』(23)など。

画像2: 原作者と原作ファンが喜んでくれるものにしたい

『からかい上手の高木さん』2024年5月31日全国ロードショー

画像: <予告>映画『からかい上手の高木さん』【5月31日公開】 youtu.be

<予告>映画『からかい上手の高木さん』【5月31日公開】

youtu.be

<STORY>
10年の時を越えて紡がれる、最高に愛おしい、初恋(からかい)の物語。
とある島の中学校。隣の席になった女の子・高木さんに、何かとからかわれてしまう男の子・西片。
どうにかしてからかい返そうと策を練るも、いつも見透かされてしまい失敗…。
そんなかけがえのない毎日を過ごしていた二人だったが、ある日離ればなれになってしまう…。
それから10年――、高木さん(永野芽郁)が島に帰ってきた!
母校で体育教師として奮闘する西片(高橋文哉)の前に、教育実習生として突然、現れたのだった!
10年ぶりに再会した二人の、止まっていた時間と、止まっていた「からかい」の日々が、再び動き出す――。

<STAFF&CAST>
出演:永野芽郁 高橋文哉
鈴木仁 平祐奈 前田旺志郎 志田彩良 白鳥玉季 齋藤潤 / 江口洋介
原作:山本崇一朗「からかい上手の高木さん」(小学館「ゲッサン少年サンデーコミックス」刊)
監督:今泉力哉 
脚本:金沢知樹 萩森淳 今泉力哉
主題歌:「遥か」Aimer(SACRA MUSIC/Sony Music Labels Inc.)
音楽:大間々昂 
配給:東宝 
(C)2024映画『からかい上手の高木さん』製作委員会 (C)山本崇一朗/小学館

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