「あぶ刑事」を全身で浴びるOP! 新世代が仕掛ける映像美も注目
ベイブリッジ、みなとみらい、そして大黒ジャンクション──。冒頭から38年前のテレビドラマからおなじみの軽快なテーマ曲が流れ、夕暮れから夜へと変わる横浜らしい風景が映し出される。そしてオープンカーに乗ったタカ&ユージが登場。運転するユージの手元にタカがじゃれついたり、カーステレオの音楽に合わせてリズムを取ったり。いくつになってもカッコイイしぐさがサマになる。
タカとユージの息の合った掛け合いも健在だ。埠頭に車を止めてニュージーランドで起きた騒動についてどちらが悪いか言い合うシーンは、軽口の応酬にクスッとさせられてしまう。これが舘ひろしと柴田恭兵のクランクインだったそうで、これぞ「あぶ刑事」という要素モリモリのオープニングシーンからワクワクが抑えられなくなるはずだ。
劇場版8作目となる今作は、原廣利監督を中心とした若い撮影チームが組まれ、「タカとユージをカッコよく撮るんだ!」と気合いを込めて撮影に臨んだという。その意気込みはスタイリッシュでシャープな画作りからも伝わってくる。
今回の劇場版はシネスコで撮影。「あぶ刑事」おなじみのコンテナヤードのアクションや、クライマックスの舘のハーレーを使ったアクションを原監督の現代的なセンスで撮影されたカッコイイ映像も見どころだ。
私服、プライベート、過去… 新作では内面へグッと踏み込む!
今作はタカとユージのプライベートや内面にグッと寄った見どころが盛りだくさん。横浜に戻ったタカとユージは新たにT&Y探偵事務所を始める。ダンディーとセクシー、それぞれの個性を活かしたスーツがトレードマークのふたりが探偵事務所ではカジュアルな普段着も披露。タカはシャツにカーディガンを羽織り、ユージは個性的な柄シャツやシンプルな白シャツとTシャツとの重ね着。スーツだけでなくカジュアルスタイルをサラッと着こなしてしまうのはさすがおしゃれなふたりならでは。
さらに土屋太鳳演じる永峰彩夏が、タカとユージのプライベートに彩りを与えている。T&Y探偵事務所の最初の依頼人となる彩夏にはふたりの娘かもしれないという疑惑が。ふたりとも彩夏の母の夏子と恋愛関係があり、お互いに「彩夏はオレに似ている」と一歩も譲らない。
事務所の屋上で彩夏が作った料理を食べる場面で、ふたりが彩夏を見つめるまなざしはもはや父性愛の域へ。「ふたりは愛し合ってる?」という彩夏の問いには、「お互いのためならいつでも命をかけられる」と最強のバディ愛を感じさせるセリフも飛び出す。ふたりの内面をさらけ出した、いろんな愛にあふれた名場面となった。
さらにミステリアスな美しさを湛えた吉瀬美智子演じるステラ・リー、岸谷五朗演じるステラ・リーのビジネスパートナーである劉飛龍、早乙女太一演じる元銀星会組長の息子・海堂巧という個性的な新キャラが「あぶ刑事」に参戦。彼らがタカとユージの過去にどう関わっているのか、ぜひ映画館に足を運んで自分の目で確かめて欲しい。
次世代刑事との交流も注目!
また港署からは早瀬梨花(西野七瀬)、剣崎未来彦(鈴木康介)、宍戸隼人(小越勇輝)という3人の新世代刑事が登場する。巡査部長の早瀬は課長である町田透の指示に従いならがも意見も言えるデキる部下。現場では男性刑事たちに「確保!」と指令を出す頼もしい姿で魅せてくれる。剣崎には捜査の情報収集をTikTokでしているという令和ならではの設定も。
宍戸は銃の撃ち方と腰の動きをユージから伝授される場面があるが、撮影の合間には舘と柴田が若い俳優たちに銃の構え方や闘い方、手錠の掛け方などを指導していたという。38年の歴史を体現するベテランふたりの指導を受けた若手たちの働きぶりも映画館でチェック!
知っておけばすごい「あぶ刑事」伝説
テレビ版の最高視聴率26.4%!
1986年10月に放送が始まると、コミカルな演出とスタイリッシュさが人気を呼び、2クール予定が1年間に延長。その後、続編「もっとあぶない刑事」が制作され、最高視聴率は26.4%を記録。1987~2000年まではほぼ毎年のように再放送されていた。
劇場版の総興行収入98億円!
映画第1作はテレビシリーズ終了2か月後の12月に公開。その後2016年1月公開の『さらば あぶない刑事』まで7作が作られ、総興行収入は98億円。1998年にはテレビと映画のメディアミックスが展開。映画も注目されていた。
みんなが真似したスタイル
スタイリッシュで隙の無いほどカッコいいタカとユージのスタイルは、本人たちのアイデアで1作目から確立されていたファッション、バイク、車、タバコといった彼らを象徴するすべてが当時の若者の間で大ブームに。
作曲でもシリーズを支える舘ひろし!
今作でも流れる「あぶ刑事」といえばのテーマソングと、「もっとあぶない刑事」のエンディング「翼を拡げて~open your heart」の作曲(こちらは作詞・歌も)はなんと舘ひろし。舘が手掛けた楽曲を集めた「あぶない刑事 TAKA THE BEST」というCDも発売されている。
多数の名アドリブを生み出す柴田恭兵!
コミカルなアドリブはほぼ柴田恭兵のアイデア。今回もアクションシーンで、息を切らしながら「これがホントのオイル(老いる)ショック」と死の背中合わせになりながらの絶妙なタイミングで笑える要素を入れている。
「ダイ・ハード」超え! 更新し続ける記録!
映画第7作『さらば あぶない刑事』で「同一キャストによる同一シリーズの刑事映画」としては、ブルース・ウィリス主演の「 ダイ・ハード」シリーズの6本を超え当時 世界最 多の制作本数となった。これも30年以上続く人気作の証!
『帰ってきた あぶない刑事』
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