今回で第10回を迎えた「海外ドラマ大賞」。これを記念して、日本にも戦後1950年代に上陸した“海外ドラマの歴史”を振り返ってみましょう。この長い年月の間に、いかに多くのドラマがファンに愛されてきたかが一目瞭然です。(文・池田敏/デジタル編集・スクリーン編集部)

*画像のキャプションは、「作品名」(本国での初公開年、日本初公開年)
*文中( )内の数字は本国での放送年

1950年代~60年代

戦後普及したTVで放送された多くの海外ドラマにお茶の間が熱中!

第二次世界大戦が終わると、TVという新しいメディアは少しずつ普及を開始。日本では1953年、NHKがTV放送を始めた。

だが放送という“器”はあれどそこに入れる“中身(番組)”は不足。輸入に頼り、一気に海外ドラマはブームに。3年後の1956年、日本上陸した初の海外ドラマは西部劇「カウボーイGメン」(1952~53)だった。

しかもTVの受像機は高価で、単純明快や勧善懲悪を掲げたような、家族そろって見られるドラマが好まれた。アメコミを早くもドラマ化した「スーパーマン」(1952~58)は視聴率第1位に。

画像: 「スーパーマン」(1952、1956)

「スーパーマン」(1952、1956)

そして「ローン・レンジャー」(1949~57)「ガンスモーク」(1955~75)「拳銃無宿」(1958〜61)「ローハイド」(1959~65)「ララミー牧場」(1959~63)他の西部劇、「アイ・ラブ・ルーシー」(1951~57)他のコメディが人気だったが、「アンタッチャブル」(1959~63)他のアクション、「ヒッチコック劇場」(1955~65)他のサスペンス、「ミステリー・ゾーン(未知の世界)」(1959~64)他のSFと、ジャンルは徐々に多様化。

ちなみに敗戦国・日本はまだ復興の時代だった。なので多くの日本人が、ドラマで見られる米国人の豊かな暮らしに憧れたという。

60年代から始まったカラー放送で多様化した数々のドラマが見られるように

当初のTVはモノクロ(白黒)だったが、ちょうど1960年からカラー放送が始まって映像の表現力が高まると、ドラマのジャンル・題材はより多様化していった(ただし以下の一部の番組はモノクロ)。

日本では西部劇もまだ好調だったが、他のジャンルも、ファンタジーコメディ「奥さまは魔女」(1964~72)、サスペンス系の「サンセット77」(1958~64)「逃亡者」(1963~67)、病院ドラマ「ベン・ケーシー」(1961~66)、戦争ドラマ「コンバット!」(1962~67)、SFドラマ「宇宙家族ロビンソン」(1965~68)「スタートレック/宇宙大作戦」(1966~69)、スパイもの「0011 ナポレオン・ソロ」(1964~68)、後に『ミッション:インポッシブル』として映画化される「スパイ大作戦」(1966~73)などのスパイものが人気を博した。

一部のドラマは主題歌・テーマ曲も印象的。今なお日本のバラエティで使われる。

とはいえ日本上陸する海外ドラマの本数は1964年をピークに、減少に転じた。高度経済成長もあり、国内で日本人向けの番組を作ることが可能になったからだった。また、各局に“洋画劇場”の枠ができて、映画をTVで見るという慣習が定着した影響もある。

1970年代~80年代

放送本数は減ったものの、刑事・探偵ものなど人気作品が次々誕生

1960年代後半、上陸する作品が激減した海外ドラマだが、1970年代、NHK総合テレビ、日本テレビ日曜夜10時30分枠、TBS火曜夜10時30分枠などで、一部の新作が話題に。

画像: 「刑事コロンボ」(1968、1972)

「刑事コロンボ」(1968、1972)

ピーター・フォークが主演し、後に日本の「古畑任三郎」に影響を与えた傑作ミステリー「刑事コロンボ」(1968〜78)、西部開拓時代の一家を描いた感動のホームドラマ「大草原の小さな家」(1974~83)、リンジー・ワグナー主演の「バイオニック・ジェミー」(1976~)、アメコミが原作の「ワンダーウーマン」(1975~79)「超人ハルク」(1977~82)など。これらが好きな本誌読者は多かった。

画像: 「大草原の小さな家」(1974、1975)

「大草原の小さな家」(1974、1975)

また、海外ドラマ人気は下がったといっても、米国でブームになった警官・刑事・探偵が主人公のドラマは輸入されることが多く、「刑事コジャック」(1973~78)「ロックフォードの事件メモ」(1974~80)「刑事スタスキー&ハッチ」(1975~79)「チャーリーズ・エンジェル」(1976~81))「白バイ野郎ジョン&パンチ」(1977~83)はわが国でも人気に。

画像: 「刑事スタスキー&ハッチ」(1975、1977)

「刑事スタスキー&ハッチ」(1975、1977)

画像: 「チャーリーズ・エンジェル」(1976、1977)

「チャーリーズ・エンジェル」(1976、1977)

そしてベストセラーノンフィクションが原作の「ルーツ」(1977)が大反響を呼んだ。短期間に集中放送される長時間ドラマ(現在でいうリミテッド・シリーズ)の興隆を導いた。

1980年代に登場したシリーズは今も人気が高いものが多い

引き続いて日本上陸する本数は少ないが、スケールの大きなドラマが増えていった。

SFコメディ「UFO時代のときめき飛行 アメリカン・ヒーロー」(1981~)、“しゃべるスーパーカー”が活躍する「ナイトライダー」(1982~86)、女性刑事コンビが奮闘する「女刑事キャグニー&レイシー」(1982~88)、アクションの「超音速攻撃ヘリ エアーウルフ」(1984~87)「特攻野郎Aチーム」(1983〜87))、ドン・ジョンソン主演の刑事ドラマ「マイアミ・バイス」(1984~90)、宇宙SF「新スタートレック」(1987~)、そしてコメディの「フルハウス」(1984~94)、デヴィッド・スーシェ主演(1987〜95))「アルフ」(1986~90)などは今も人気が高い。

画像: 「フルハウス」(1987、1993)

「フルハウス」(1987、1993)

後の映画スターたちも、マイケル・J・フォックス主演「ファミリータイズ」(1982~89)、ブルース・ウィリス主演「こちらブルームーン探偵社」(1985~89)を出世作に。

一方、以前からドラマ作りに定評があった英国で、ジェレミー・ブレット主演「シャーロック・ホームズの冒険」(1984〜94)、デヴィッド・スーシェ主演「名探偵ポワロ」(1989~13)が生まれたのもこの時期だった。

また日本のレンタルビデオ業界ではSF長時間ドラマ「V」(1984~85)がヒットした。

画像: 「名探偵ポワロ」(1989、1990)

「名探偵ポワロ」(1989、1990)

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