劇場映画デビュー作『レオン』(1994/リュック・ベッソン監督)マチルダ役で、視聴者に与えたその余りにセンセーショナルなインパクトの反動から、一時は映画界から距離を置くことも考えたナタリー・ポートマン。その後は、多くのオファーを受けながらも学業中心に勤しみ、ハーバードとイェール大学に現役で合格。前者へ進学後は心理学を専攻し、在学中から数か国の公用語も収得するなど、ジョディ・フォスター等と肩を並べる才媛たる女優の筆頭格となった。
ナタリー・ポートマンのキャリア・スタートは、映画ではなくオフ・ブロードウェイで上演された『Ruthless!!』(1994)。同年に大ヒットした『レオン』の後に再び大きな脚光を浴びたのは、1999年公開『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』のパドメ・アミダラ役となるが、ナタリーはこの作品の壮大なワールド・プレミアさえも、高校の最終試験を受けるため欠席している。主演であることに拘らず、かつ様々なジャンルのキャラクターへ挑戦する中、『Vフォー・ヴェンデッタ』(2006)では、8台のカメラを駆使した一発勝負のスキンヘッドも披露した。出演作を重ねる中でネームバリューは確実に上昇し、やがて国内外様々な媒体の人気投票でも上位ランキングの常連に———そのボルテージは、2010年『ブラック・スワン』の熱演における、アカデミー賞主演女優賞受賞という栄誉を受けることでさらに昇華する。以降も、女優として、プロデューサーとして、精力的に多くの話題作を世に送り出し続けているのは周知のところだ。
劇場映画デビュー作『レオン』公開の際に、相棒ジャン・レノと共に初来日となったナタリー・ポートマン。日本の着物を身に着けたそのあどけなく愛くるしい表情で、SCREENの取材にも懇切丁寧に対応していただきました。ナタリーは大の親日家で、43歳になったばかりのこの6月(2024年)には、2010年からCM~2014年からフレグランスのミューズも務める「ミス・ディオール」のジャパン・エキシビションのために7年ぶりの来日。多くのファンを前に、幼いころと変わらない満面の笑顔で応えてくれました。
SCREEN Collectionsでは、ナタリー・ポートマンのデビュー時からの貴重なオートグラフを多数保管。今回はその中でも珍しい、彼女が1997年=16歳の時に主演したブロードウェイ舞台『アンネ・フランクの日記』のオリジナルポスター(希少部数)に、出演者各々の名前を書き記したメモリアルな直筆オートグラフ等を公開します。
ナタリー・ポートマンは、オードリー・ヘプバーンの生き方や終生に亘る活動にも大きな感銘を受けていて、2011年からは国際協力団体のフリー・ザ・チルドレンのアンバサダー等も務めながら、各国における講演やチャリティ活動にも精力的に取り組んでいます。