絶対見ておくべきキング原作の映画化作品10
『キャリー』(76)
狂信的な母親に育てられた超能力を持つ少女キャリーは、級友たちにいじめられていたが、高校卒業のプロム・パーティーで彼女がクイーンに選ばれるように仕向けた生徒たちのいたずらで感情が爆発し、恐ろしい出来事に発展する。キングの処女作を原作にブライアン・デ・パルマが監督して彼の最初の大ヒット作に。出演はシシー・スペイセクら。
『シャイニング』(80)
冬の間閉鎖されるコロラドの雪山のホテルに、管理を任された作家志望のジャックと妻子がやってくる。だがこのホテルでは過去に管理人一家が全員死亡するなど恐ろしい曰くがあった。やがてジャックにも異変が生じていくが…。名匠スタンリー・キューブリックがキングの長編小説を極め付きの映像美で映画化。出演はジャック・ニコルソンら。
『デッドゾーン』(83)
交通事故で長いこん睡状態に堕ちた男が目覚めると、人の手に触れるだけでその人物の未来が見える能力を持ってしまう。そんなある日、彼はある重要人物が世界を破滅に導く将来を予知してしまう。デヴィッド・クローネンバーグ監督がキングの世界を冷徹に描いたSFサスペンス。出演はクリストファー・ウォーケン。後にTVシリーズ化もされた。
『スタンド・バイ・ミー』(86)
キングの中編小説をロブ・ライナー監督が演出した青春映画の名作。ホラーやサスペンスが多いキング作品としては当時珍しい感動作だった。1959年、キャッスルロックという田舎町に暮らす4人の少年が、線路伝いに少年の死体があるという噂を聞き、好奇心から夏休みを利用して“死体探し”の旅に出るが…。出演はリヴァー・フェニックスら。
『ミザリー』(90)
雪山で事故に遭い、ある女性に助けられたベストセラー作家。動けなくなった作家を彼の熱烈なファンだという女性は献身的に看護してくれるが、次第に自分の願望を作家に押し付けてくるようになり、狂気の様相を呈してくる。ロブ・ライナー監督が今度はキングのホラー小説に挑戦。キャシー・ベイツがアカデミー主演女優賞受賞の熱演を披露。
『ショーシャンクの空に』(94)
キングの中編「刑務所のリタ・ヘイワース」を映画化したフランク・ダラボン監督作で、これもホラーではなく感動のヒューマンドラマとして高い人気がある。冤罪で投獄された銀行員アンディ。彼は不思議な魅力を発揮して獄中でレッドら受刑者の友人を作り、悪徳所長たちからも一目置かれる存在に。ティム・ロビンス、モーガン・フリーマンらが共演。
『黙秘』(95)
キングのミステリー小説「ドロレス・クレイボーン」の映画化で監督は『愛と青春の旅だち』のテイラー・ハックフォード。ジャーナリストのセリーナは、母ドロレスがメイドとして務めていた屋敷の夫人を殺害した容疑で逮捕されたと聞き故郷に帰るが、母は無実を主張しながら詳細を一切語らない。果たしてその真相は? 出演はキャシー・ベイツら。
『グリーンマイル』(99)
『ショーシャンクの空に』のフランク・ダラボン監督が再びキングの長編を脚色し映画化した感動ドラマ。世界大恐慌時代の米南部。双子の少女を殺した罪で、死刑囚舎房にやってきた不思議なパワーを持つ黒人死刑囚と彼を見守る看守たちの交流を描き、アカデミー賞作品賞などの候補に。出演はトム・ハンクス、マイケル・クラーク・ダンカンら。
『ミスト』(07)
キングの中編「霧」を原作にしたSFホラー。これも監督・脚色はフランク・ダラボンで、衝撃のラストシーンがトラウマになると話題を呼んだ。嵐の後、不気味な深い霧に覆われた街。身動きが取れなくなった住民たちはスーパー店内に逃げ込む。彼らは霧の中に潜む正体不明の生物に襲われ、次第に理性を失っていく…。出演はトーマス・ジェーンら。
「IT/イット」2部作(17〜19)
キングが86年に発表した作品の映画化(90年に一度TVドラマ化もされた)で大ヒットを記録。第1部『IT/イット“それ”が見えたら終わり。』ではピエロの姿をした悪魔ペニーワイズと少年たちの戦いを描き、第2作『IT/イットTHE END“それ”が見えたら、終わり。』では少年たちが大人に成長してからの再戦を描く。アンディ・ムスキエティ監督作。
NEWS キング原作の『チルドレン・オブ・ザ・コーン』が4Kで日本初公開中
スティーヴン・キング原作(「トウモロコシ畑の子どもたち」)の映画版でこれまでに約10作の関連作が製作されているホラー映画シリーズの第1作『チルドレン・オブ・ザ・コーン〈4K〉』(83)が現在シネマート新宿他で全国順次公開中。人気作ながら日本での劇場公開は今回が初めて。ネブラスカ州の小さな町で子供たちが急に〈大人狩り〉を始める。その街に迷い込んだカップルが目撃した恐るべき光景とは? 出演はピーター・ホートン、リンダ・ハミルトンら。監督はフリッツ・カーシュ。フリークスムービー配給。続いて第2作、第3作も連続公開が決まった。
NEWS いよいよ「死のロングウォーク」の映画化が決定
キングがリチャード・バックマン名義で書いた79年発行の小説「死のロングウォーク」を初映画化する『The Long Walk』が製作決定。主演は『リコリス・ピザ』のクーパー・ホフマンと、『エイリアン:ロムルス』のデヴィッド・ジョンソン。さらにマーク・ハミル、ジュディ・グリア、チャーリー・プラマーらが共演。監督は「ハンガー・ゲーム」シリーズのフランシス・ローレンス。原作は、近未来の米国を舞台に、謎の競技"ロング・ウォーク"を描く。この競技は10代の少年100人が参加してひたすら歩くものだが、参加者は歩行速度が落ちると警告を受け、1時間に3回以上警告を受けると射殺され、最後の1人になるまで続いていく。