(文・相馬学/デジタル編集・スクリーン編集部)
カバー画像:© 2024 SHOWBOX AND PINETOWN PRODUCTION ALL RIGHTS RESERVED.
イントロダクション
4人が掘り返した墓に隠された恐ろしい秘密とは…?
朝鮮半島に伝わる伝統的な祭儀とサスペンスを結び付けたユニークなスリラー。風水師や葬儀師、韓国の巫女的な存在である巫堂(ムーダン)らがチームを組み、古い墓の掘り起こしに端を発する恐ろしい秘密に挑んでいく。民族的な要素を含んでおり、韓国の喪に関する慣習が垣間見え、興味深い。儀式のシーンもふんだんに盛り込まれているが、スリルと相まってその高揚感は並々ならぬもの。お祓いと祈祷、舞、そして一体化はスペクタクルと呼ぶにふさわしい。
『オールド・ボーイ』のベテラン、チェ・ミンシクが風水師を演じて重厚な存在感を発揮。その相棒である葬儀師にふんした、『コンフィデンシャル/共助』のユ・ヘジンは飄々とした存在感を漂わせながら、死者への深い敬意を体現する。巫堂の師弟コンビにふんするのは「トッケビ 〜君がくれた愛しい日々〜」のキム・ゴウンと、TVシリーズ「ザ・グローリー 〜輝かしき復讐〜」のイ・ドヒョン。いずれも若々しさの中にカリスマ性をしっかりうかがわせ、強烈な個性を印象づける。
監督を務めたのは、『プリースト 悪魔を葬る者』で韓国ホラーの新たな旗手として注目されたチャン・ジェヒョン。葬礼指導士の資格に挑戦し、実際に10回以上の改葬に立ち合った彼は、緻密な考証を重ねてドラマをリアルなものにしていった。その甲斐あって、本作は韓国で7週連続のナンバーワンヒットとなり、9月の段階で2024年最高の興行収入を記録している。
あらすじ
謎の病気にさいなまれ、今また赤子の命が危険な状態に置かれている奇妙な家族。調査を依頼された巫堂のファリム(キム・ゴウン)とボンギル(イ・ドヒョン)は、先祖の墓が原因であることを突き止め、墓の改葬のために風水師のサンドク(チェ・ミンシク)と葬儀師ヨングン(ユ・ヘジン)に協力を求める。サンドクはどう考えても人を埋葬すべき場所ではない墓に胸騒ぎを覚え、一度は断るが、説得されて腹をくくり、墓を改装する“破墓”の儀式に臨むが…。
登場人物
サンドク(チェ・ミンシク)
埋葬に適切な場所を探し出すキャリア40年の風水師。庶民的で、仕事には真面目で誠実。
ファリム(キム・ゴウン)
まだ若いが韓国トップクラスの巫堂。つねに毅然としており、自信を持って人を助ける。
ボンギル(イ・ドヒョン)
ファリムに命を救われたことから弟子となった巫堂。全身に逐経のタトゥーを入れている。
ヨングン(ユ・ヘジン)
大統領の遺体を清めたこともあるベテラン葬儀師。キリスト教信者で、死者につねに敬意を払う。
『破墓/パミョ』
2024年10月18(金)公開
韓国/2024/2時間14分/配給:KADOKAWA、KADOKAWA Kプラス
監督:チャン・ジェヒョン
出演:チェ・ミンシク、キム・ゴウン、ユ・ヘジン、イ・ドヒョン
© 2024 SHOWBOX AND PINETOWN PRODUCTION ALL RIGHTS RESERVED.