(文・米崎明宏/デジタル編集・スクリーン編集部)
カバー画像:『ロード・オブ・ザ・リング』より New Line/WireImage

例えば全米の歴代映画興行収入ランキングなどを見ても、ランクインしている映画はほとんどがシリーズ作品であることがすぐにわかる。上位を占めているのは「スター・ウォーズ」「アベンジャーズ」「スパイダーマン」「アバター」「トップガン」「ブラックパンサー」「ジュラシック・ワールド」…などおなじみのタイトルがズラリと並び、トップ50でも続編や関連作がない単独作品は現在『タイタニック』『バービー』『E . T . 』くらいだ。

一つの映画が大ヒットしたら、その続き、あるいは前日譚などを作るのはほとんど映画界の常識と言えそう。超大作でなくても熱心なファンが多い作品はシリーズにすればまた観客が映画館に戻ってきてくれる確率が高い。1作目が面白いという噂を聞きつけて、2作目以降ではそれ以上の観客がやってくることもある。どこまで続くかは需要と供給のバランス次第かもしれないが、やはり作品を愛するファンの声が重要と言えるかもしれない。

 さらにシリーズ映画には人気キャラクターも大事。わかりやすいのはスーパーヒーローたち。マーベルやDC作品が次々作られるのは、たくさんのヒーローたちが世界中のファンに愛され、それぞれ単独の主演シリーズがあり、時には彼らが一堂に集合してファン数を増幅させる現象が見込めるから。そこにリブートやマルチバース、アイコニックなキャラをクロスオーバーさせるシェアード・ユニバースなど、新しい概念が生まれたことによって、以前よりもシリーズ映画の数は増加傾向だ。

スーパーヒーローでなくとも刑事ものやスパイものアクション、子供から大人まで世代を超えて好かれるアニメーション、時にはユニークな殺人鬼などのホラーも長い人気を誇るシリーズが多い。感動ドラマでも主人公のその後の人生がどうなるのか気になる、という意見を反映したシリーズが作られる。

きっとあなたにも続きが見てみたい映画があるはず。映画界はファンが望むその声をいつも待っているのだ。

これだけは見逃せない!定番シリーズ映画
〜全作品SCREEN読者選出ベストテン入り!〜

まずは映画好きならこれだけは見ておきたい必見人気シリーズをピックアップ。いずれも全作品が本誌の読者ベストテンにランクインしたお墨付きの面白さ! シリーズものを抑えるならこの8つはマストです!(タイトル後の順位は公開年のSCREEN読者ベストテン作品部門参照)

「スター・ウォーズ」シリーズ

映画史に輝くスペース・オペラ・シリーズの金字塔

画像: 『スター・ウォーズ/新たなる希望(エピソード4)』ディズニープラスで見放題配信中 © 2024 Lucasfilm Ltd.

『スター・ウォーズ/新たなる希望(エピソード4)』ディズニープラスで見放題配信中
© 2024 Lucasfilm Ltd.

1977年に第1作(エピソード4)が全米公開されるや、歴史的大ヒットと熱狂的ブームを呼んだジョージ・ルーカスの壮大なSF大作で、旧3部作(エピソード4〜6)、新3部作(1〜3)、続3部作(7〜9)の計9作を“スカイウォーカー・サーガ”と呼ぶ。他にも映画シリーズ、アニメーション・シリーズ、オリジナルドラマシリーズなど関連作は多岐にわたる。本シリーズの新作企画はまだまだ続き、2026年には映画『マンダロリアン&グローグー(原題)』、その後もデイジー・リドリーも出演する新作が劇場公開予定。

SCREEN読者ベストテン作品部門

『スター・ウォーズ/新たなる希望(エピソード4)』1位、『帝国の逆襲(エピソード5)』2位、『ジェダイの帰還(エピソード6)』5位、『ファントム・メナス(エピソード1)』3位、『クローンの攻撃(エピソード2)』4位、『シスの復讐(エピソード3)』3位、『フォースの覚醒(エピソード7)』1位、『最後のジェダイ(エピソード8)』2位、『スカイウォーカーの夜明け(エピソード9)』1位

「インディ・ジョーンズ」シリーズ

秘宝をめぐって冒険家インディが世界を駆け巡る

画像: 『インディ・ジョーンズ/レイダース 失われたアーク《聖櫃》』ディズニープラスのスターで配信中 © & TM 2024 Lucasfilm Ltd.

『インディ・ジョーンズ/レイダース 失われたアーク《聖櫃》』ディズニープラスのスターで配信中
© & TM 2024 Lucasfilm Ltd.

子供のころに見た冒険活劇映画を愛するスティーヴン・スピルバーグが監督、ジョージ・ルーカスが製作を担当したアクション・アドベンチャーで、主人公インディ・ジョーンズが秘宝を求めて次から次へとノンストップで危機に見舞われる。1981年度の第1作『レイダース…』(アカデミー賞作品賞などで候補に)から40年以上もファンに愛され続け、主演のハリソン・フォードは昨年公開された第5作『…運命のダイヤル』まで全ての作品(監督はジェームズ・マンゴールドに交代)でインディを演じている。

SCREEN読者ベストテン作品部門

『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』1位、『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』2位、『同/最後の聖戦』4位、『同/クリスタル・スカルの王国』3位、『同/運命のダイヤル』3位

「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズ

破天荒な海賊ジャック・スパロウが繰り広げる大冒険

画像: 『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』ディズニープラスで配信中 © 2024 Disney

『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』ディズニープラスで配信中
© 2024 Disney

ジョニー・デップ扮する孤高の海賊、キャプテン・ジャック・スパロウと仲間たちの大海原の不可思議をめぐる活躍を描いた冒険アクションで、海賊映画は当たらないというジンクスも破り、自由奔放なジャック船長は世界的な人気者に。5作目を終えた現時点で一応の完結を見せているが、やはり超人気作品だけあって、新作の噂も絶えない。企画は2つあって、一つはジャックではなく女性海賊を主人公にしたスピンオフ的な作品。もう一つはジャックの若き日を描くリブート的な作品だ。実現するか注目!

SCREEN読者ベストテン作品部門

『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』1位、『同デッドマンズ・チェスト』1位、『同/ワールド・エンド』1位、『同/生命の泉』2位、『同/最後の海賊』6位

「アベンジャーズ」シリーズ

スーパーヒーローたちの最強チームが地球の危機を救う!

画像: ディズニープラスで配信中→ディズニープラスにて見放題独占配信中 ©2024 Marvel

ディズニープラスで配信中→ディズニープラスにて見放題独占配信中
©2024 Marvel

 マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の同じ世界に存在するヒーローたち、アイアンマン、キャプテン・アメリカ、ハルク、ソー、ブラック・ウィドウらが、時に反発しあいながらも手を組んで最強チーム“アベンジャーズ”を結成。スーパーヴィランのサノスと戦う。現在4作が作られ、『エンドゲーム』が全米興行8億5000万ドル超を稼ぎ出し、歴代2位の大ヒット作に(24年9月現在)。26年には第5作『アベンジャーズ/ドゥームズ・デイ』(原題)が公開予定で新たな展開が期待される。

SCREEN読者ベストテン作品部門

『アベンジャーズ』6位、『同/エイジ・オブ・ウルトロン』6位、『同/インフィニティ・ウォー』3位、『同/エンドゲーム』2位

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