美しいハイトーンボイスも相まってロマンチックな『白雪姫』
1937年『白雪姫』
白雪姫[代表曲]♪いつか王子様が
ディズニー・ブリンセスが初登場した映画は、1937年の『白雪姫』だ。ディズニーが作った初めての長編アニメーションでもある。この時に歌われた主題歌が邦題「いつか王子様が」の「Someday My Prince Will Come」王子様にひと目惚れした白雪姫が、「もう一度彼と会いたい」という思いから歌う曲。内容は「いつか王子様がやってきて、2人でお城に行ってずっと幸せに暮らすの」と歌い上げ、好きな人と共にいることの大切さ、素晴らしさを訴える内容だった。美しいハイトーン・ボイスも相まってとってもロマンチックな歌となっている。
1950年『シンデレラ』
シンデレラ[代表曲]♪夢はひそかに ♪これが恋かしら
次にプリンセスとして登場してきたのが、1950年の『シンデレラ』のシンデレラ。彼女が歌うのが邦題「夢はひそかに」の「A Dream Is a Wish Your Heart Makes」。ずっと継母や義理の姉たちにいじめられて育ってきたシンデレラが、「夢を信じて生きていればいつか、あなたの夢は叶う」と切々と歌いあげていくもので、シンデレラの甘い夢や淡い想いが見事に表現されている。
クラシックが基調となっている『眠れる森の美女』
1959年『眠れる森の美女』
オーロラ姫[代表曲]♪いつか夢で ♪私は不思議
そして1959年には6年の歳月と、300人のアニメーターにセル画数100万枚と贅を尽くして製作された『眠れる森の美女』が公開される。ここでオーロラ姫が歌うのが「Once Upon a Dream」、邦題「いつか夢で」。途中でフィリップ王子とデュエットになるこの曲は、「あなたとのことを夢に見る」と歌い上げる内容で、楽曲自体はチャイコフスキーのバレエ音楽「眠れる森の美女」の第1幕第6番の「ワルツ」が元になっている。
どれも女性たちの淡い願望や夢が描かれていて、曲調も全体的にクラシックが基調となっている。当時の女性像の影響もあるのだろうが、どちらかというと主人公たちがすべて受け身で、夢が叶うのを待つ…という展開だった。