ポイント1:色調もアクションも、『マンダロリアン』『アソーカ』系
本作は、平和な惑星で暮らす子供たち4人が、地面に埋まっていた謎の宇宙船を発見、それが動き出したことから始まる壮大なアドベンチャー。なので、物語の中心人物は少年少女だが、冒頭は宇宙海賊たちの襲撃からスタート。このシーンの画面の色調は、ダーク。格闘や銃撃のアクションの演出も、『マンダロリアン』や『スター・ウォーズ:アソーカ』レベルの強度で、これからのドラマが楽しみになる。
ポイント2:映像のリズム、ストーリー展開のスピードをアップデート
作中で子供たちが操縦するスピーダー系の乗り物の速度は、おそらく『スター・ウォーズ』旧三部作のスピーダーより速いのではないか。本作は、各種乗り物の速度も、ストーリーの展開も、スピードが速くて気持ちいい。
物語の中心となる子供たちのいかにも子供らしい行動や会話がたっぷりだが、それもそのはず、本作のクリエイターのジョン・ワッツは、彼が監督した『COP CAR/コップ・カー』でも、トム・ホランド主演版の『スパイダーマン』シリーズでも、子供をヴィヴィッドに描くのが得意。第1話はワッツ監督自身が監督し、彼らしい演出が楽しめる。
ポイント3:ストーリーに"謎"があるから、続きが見たくなる
物語には冒険だけではなく、"謎"がある。子供たちが出会う、ジュード・ロウ演じる謎の男は何者なのか。彼はなぜ、フォースのような力が使えるのか。また、子供たちが暮らす惑星アト・アティンの住民が従事する"大いなる事業"とは何なのか。この惑星が、宇宙海賊たちの間では"存在するはずがない伝説の惑星"になっているのはなぜなのか。ドラマが進むにつれて謎が増えていき、物語の続きが見たくなる。
ポイント4:やっぱり! おなじみの種族やドロイド、乗り物があちこちに
時代背景は『マンダロリアン』や『スター・ウォーズ:アソーカ』と同じ、旧三部作のすぐあと。なので、やっぱり、期待通りにおなじみの種族やドロイド、知ってる乗り物があちこちに。それらが出てくると、ああ、同じ世界なのだなぁ、と痛感せずにはいられない。
また、新たなドロイドSM-33も登場。その声を演じるのは、ニック・フロスト。『ショーン・オブ・ザ・デッド』などスリー・フレーバー・コルネット三部作でのサイモン・ペグとの名コンビでおなじみのフロストが、いい雰囲気で演じている。
ポイント5:エピソード監督の顔ぶれが、かなり映画ファン向け
実は各エピソードの監督は、映画ファンならビックリの注目株揃い。全8話のうち、第1話とラスト第8話は、先述のクリエイターでもあるジョン・ワッツ。第2話、第3話は『グリーン・ナイト』『ピーター・パン&ウェンディ』のデヴィッド・ロウリー。第4話は『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』のダニエル・クワン&ダニエル・シャイナート。第5話はマーベルの新作映画『サンダーボルツ*』が控えるジェイク・シュライアー。第6話は『マンダロリアン』も手がけたブライス・ダラス・ハワード。第7話はこちらも『マンダロリアン』組の『ミナリ』『ツイスターズ』のリー・アイザック・チョンというスゴイ顔ぶれ。
クリエイターのジョン・ワッツは「自分が好きな監督に声をかけたら、全員が引き受けてくれた」と語っている。この顔ぶれが揃ってどんなドラマを創り出すのか、続きを見ずにはいられない。
*『スター・ウォ ーズ:スケルトン・クルー』12月3日(火)よりディズニープラスにて初回2話日米同時独占配信開始