第76回エミー賞で史上最多18部門を受賞した「SHOGUN 将軍」をはじめ、今年も多くの秀作・話題作が登場した海外ドラマ。どんな作品が注目を集めたのか改めて振り返ってみましょう。(文・池田敏/デジタル編集・スクリーン編集部)
カバー画像:「SHOGUN 将軍」より ディズニープラスの「スター」で独占配信中 Courtesy of FX Networks
2024前半戦は「SHOGUN 将軍」はじめ力作集中
引き続いてたくさんの海外ドラマが日本になだれ込んできた2024年。膨大なボリュームゆえ駆け足となるが、振り返りたい。
特に前半は、前年6月から今年5月までに全米で放送・配信されたドラマを対象とするエミー賞のノミネーションが7月に発表されるためか、力作・意欲作が集中した。
中でもエミー賞史上最多の18冠を制した、真田広之が主演・プロデュースの戦国ドラマ「SHOGUN 将軍」(ディズニープラス)は日本のニュースでも紹介されるほどの大反響。アンナ・サワイ(シーズン2が配信されたApple TV+の「Pachinko パチンコ」にも出演)がエミー賞でドラマシリーズ主演女優賞に輝いたのも感動的。
エミー賞では、以前から継続中の秀作群、「ザ・クラウン」(Netflix)「ギルデッド・エイジ -ニューヨーク黄金時代-」(U−NEXT)「ザ・モーニングショー」「窓際のスパイ」(以上はApple TV+)「一流シェフのファミリーレストラン」(ディズニープラス)「FARGO ファーゴ」(Prime Video)に加え、「トゥルー・ディテクティブ」のシーズン4「〜ナイト・カントリー」(U−NEXT)などの最新シーズンも健闘。
新作は、スティーヴン・スピルバーグ、トム・ハンクスという黄金コンビが、オースティン・バトラーらをキャストに迎え、第二次世界大戦での米軍パイロットたちの激闘を再現した「マスターズ・オブ・ザ・エアー」(Apple TV+)が迫力満点だった。
ブラッド・ピット&アンジェリーナ・ジョリーが主演のヒット映画を独自のタッチでドラマ化したスパイスリラー「Mr. & Mrs. スミス」(Prime Video)も評判に。新潟出身の日本人を母親に持つ俳優マヤ・アースキンらが出演。
世界的ベストセラー小説を「ゲーム・オブ・スローンズ」の製作陣がドラマ化した「三体」(Netflix)、ゲーム原作の「フォールアウト」(Prime Video)など、SF方面もにぎやか。
ひとつのシーズンで物語が完結する、リミテッドシリーズも充実。エミー賞でその作品賞を制したのは「私のトナカイちゃん」(Netflix)。女性ストーカーとその被害に遭った年下の男性の実話が下敷きのオフビート編。英国ドラマの底力を示した。
「リプリー」(Netflix)は名作映画『太陽がいっぱい』の原作小説を、アンドリュー・スコット、ダコタ・ファニングの顔合わせでドラマ化した本格サスペンス。