カバー画像:『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』より ©2025 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.
ラミ・マレック as フレディ・マーキュリー
『ボヘミアン・ラプソディ』(2018)

『ボヘミアン・ラプソディ』ディズニープラスの「スター」で見放題配信中
© 2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.
フレディの独特な所作を完コピ
実在の有名シンガー役でのアカデミー賞主演男優賞は、『Ray/レイ』のジェイミー・フォックスと、このマレックのみ。クイーンのボーカルで、45歳で亡くなったフレディ・マーキュリー。圧巻なのは、クライマックスのライブエイドでのパフォーマンスで、マレックが本人の独特の動きを完コピし、ファンには涙モノだった。歌はマレックの地声、マーキュリー本人の音源、そっくりさんの新音源などを駆使して作り上げられ、こちらも理想的な仕上がりに。
アーロン・テイラー=ジョンソン as ジョン・レノン
『ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ』(2009)

©2009 Lennon Films Limited Channel Four Television Corporation and UK Film Council. All Rights Reserved.
癖を徹底的に研究しアプローチ
カリスマ・ミュージシャン映画の中でも俳優が比較的、自由に演じている印象の本作。ビートルズを結成する前の時代のジョン・レノンがモデルだからだ。とはいえ、テイラー=ジョンソンはレノンの歩き方や言葉のアクセントの癖などを徹底的に研究。肉体に叩き込んで天才の若き日にアプローチしており、このあたりが『名もなき者』のシャラメに似ている。問題児だった側面や、孤独感、実母との複雑な関係など、音楽以外でもエモーショナルな見どころが多い。
CHECK #2)あの新星たちがビートルズに!?
正式な出演契約はこれからだが、サム・メンデス監督が手がけるザ・ビートルズの映画では、ポール・マッカートニーにポール・メスカル、ジョン・レノンにハリス・ディキンソン、ジョージ・ハリソンにジョセフ・クイン、リンゴ・スターにバリー・コーガンと、実力も人気もトップクラスの若手スターが集結。しかも1人1本の4作の長編になる予定。公開は2027年と少し先だが、ミュージシャン映画として空前の話題になるのは確実?

(左から)ポール・メスカル、ハリス・ディキンソン、ジョセフ・クイン、バリー・コーガン
Photos by GettyImages
ゲイリー・オールドマン as シド・ヴィシャス
『シド・アンド・ナンシー』(1986)

© Photo by Michael Ochs Archives/Getty Images
本人の母親の話も参考に!
パンクロックを代表するバンド、セックス・ピストルズのベーシスト、シド・ヴィシャス役で、後に実力派スターの道を進むオールドマンの出世作となった。恋人ナンシーとの自由奔放で壮絶な恋愛の結果、破滅的な運命をたどり、わずか21歳でこの世を去ったヴィシャス。オールドマンはヴィシャスの母親にも話を聞き、過激なライブステージも生々しく体現。1970年代のパンクカルチャーが刻印され、カルト的名作として現在に語り継がれている。

© Photo by Michael Ochs Archives/Getty Images
マリサ・アベラ as エイミー・ワインハウス
『Back to Black エイミーのすべて』(2024)

『Back to Black エイミーのすべて』
配給:パルコ ユニバーサル映画
©2024 Focus Features, LLC. All Rights Reserved.
劇中の全曲を熱唱
2008年にグラミー賞5部門を制覇しつつ、2011年、27歳の若さで早逝した歌姫、エイミー・ワインハウス。死の前から薬物やアルコールに冒されていたという彼女の、17歳からの10年間は、サクセスストーリーと問題だらけの夫との関係など、光と影が交錯していたことを本作は伝える。アベラはトレーニングを積んですべての曲で魂の熱唱に挑戦。もちろんメイクで外見はそっくり。『バービー』の“王女バービー”役でも発揮したその存在感は格別だ。