仕込まれた違和感が伏線として別の顔を見せる
──本作ではさまざまなエピソードが描かれていますが、Jホラーっぽい雰囲気やコミカルさもあり、描き方がさまざまです。全体的な演出としてはどんなことを意識しましたか。
いろんなテイストのエピソードがあることは大事ですが、バラバラなものがいくつも並んでいたようにはしたくない。そのバリエーションと統一感のバランスは難しかったですね。
過去のさまざまな作品を例にして「このシーンはこんなルックでやりたい」というルックブックを作ってスタッフと共有していますが、基本的には自分の好きな映画ばかり。そういった作品のような雰囲気が作り出せたらいいなと考えて、それぞれのトーンを作っていました。
──スピーカーの状況とアバターのいるバーチャルな世界の落差に現実世界の闇が浮かび上がってくるように思いました。
アバターたちがいるところはゴシップが金銭化される下品な場所ですよね。パチンコのデジタル画面のようにしようと思い、「300万円」とでかでかと出してみたりしました。そして、気の利いたどんでん返しのエピソードが続くと思って、気楽に見ていた人たちが「あっヤバい!自分も当事者だった」と気づく仕掛けがどうやったらできるかを必死に考えて作りました。
小6の子供が見てくれたのですが、一緒にご覧になった保護者の方が「子供たちにSNSの危険性を教える教材に使いたい」と言ってくれました。

──最後にこれからご覧になる方に向けて、ひとことお願いします。
仕掛けの多い作品で、いろいろなカットやいろいろなお芝居の中にいろいろな違和感を仕込んであります。その違和感がさまざまなところで伏線回収的に別のところで別の顔を見せたりもするので、目を皿のようにしてご覧いただいき、その違和感をさらって楽しんでいただけたらと思います!
<PROFILE>
豊島圭介監督
1971年静岡県浜松市生まれ。東京大学在学中のぴあフィルムフェスティバル94入選を機に映画監督を目指す。卒業後、ロサンゼルスに留学。AFI監督コースを卒業。帰国後、篠原哲雄監督などの脚本家を経て2003年に『怪談新耳袋』(BS-TBS)で監督デビュー。以降映画からテレビドラマ、ホラーから恋愛作品まであらゆるジャンルを縦横無尽に手掛ける。
映画は『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』(10)、『ソフトボーイ』(10)、『花宵道中』(14)、『ヒーローマニア-生活-』(16)、『森山中教習所』(16)、『耳を腐らせるほどの愛』(19)、『三島由紀夫vs東大全共闘〜50年目の真実〜』(20)など。
テレビドラマは「ホリック~xxxHOLiC~」(13)、「黒い十人の女」(16)、「徳山大五郎を誰が殺したか?」(16)、「I”s(アイズ)」(18)、「ラッパーに噛まれたらラッパーになるドラマ」(19)、「特捜9」(19)「書けないッ!?〜脚本家 吉丸圭佑の筋書きのない生活〜」(21)、「イタイケに恋して」(21)、「新・信長公記 〜クラスメートは戦国武将〜」(22)などがある。
『#真相をお話しします』2025年4月25日(金)全国ロードショー
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youtu.be<STORY>
あるビルの警備室で、パソコンの画面をのぞき込む警備員の桐山とその友人である謎の男・鈴木。
彼らは、生配信暴露チャンネル「#真相をお話しします」の配信を今か今かと待っていた。
そこで明かされるのは、あらゆるゴシップの真相。
有名人の裏の顔、世間を騒がせたあの事件の報道されていない真実…。
スピ-カー(話し手)に選ばれし者はとっておきの真相の暴露と引き換えに観衆からの投げ銭を獲得する、一世一代の大勝負が繰り広げられる今一番ホットな場所。
驚愕の暴露の数々に沸く観衆と、飛び交う高額の投げ銭。
チャンネルが史上最大の盛り上がりを見せるなか、ついに桐山が指名され投げ銭で大儲け。
しかし、友人だと思っていた鈴木も突如スピーカーとして名乗りでて…。
今宵明かされるその真相、あなたも覗きたいと思いませんか?
前代未聞の暴露(ゴシップ)系エンターテイメント開幕!
<STAFF&CAST>
監督:豊島圭介
原作:結城真一郎『#真相をお話しします』(新潮文庫刊)
脚本:杉原憲明
出演: 大森元貴 菊池風磨 / 中条あやみ 岡山天音 / 伊藤英明
配給:東宝
©2025 映画「#真相をお話しします」製作委員会