驚愕のシーン連続の風刺のきいた新しいエンタテインメント『サブスタンス』。その熱演が話題を呼んだデミ・ムーアのインタビューとともに本作をご紹介します。(文・米崎明宏/デジタル編集・スクリーン編集部)

狂気の世界で暴走するキャラクターたち

画像: エリザベス(デミ・ムーア)

エリザベス(デミ・ムーア)

エリザベス(デミ・ムーア)

かつて大人気を誇った売れっ子女優だったが、50代に入って若さやレギュラー番組を失いショックを隠せない。そんな折に偶然知った奇跡的な再生医療を試したところ、“新たな自分”を手に入れ、その絶大な効果に溺れていく…。

画像: スー(マーガレット・クアリー)

スー(マーガレット・クアリー)

スー(マーガレット・クアリー)

エリザベスが試した再生医療によって、彼女の背中から生み出された若く美しいもう一人のエリザベス。スーと名乗ってオーディションを受け冠番組に出演。人気急上昇となり、絶対守るべき医療ルールをやぶってしまうが…。

画像: ハーヴェイ(デニス・クェイド)

ハーヴェイ(デニス・クェイド)

ハーヴェイ(デニス・クェイド)

その名前からもある実在人物を想起させる傲慢なTVプロデューサー。長い知り合いだが容貌の衰えたエリザベスを番組降板させ、若く才能のあるスーに一目ぼれしていきなり冠番組に大抜擢して成功するが…。

デミ・ムーア インタビュー

画像: 撮影合間のデミ(左)

撮影合間のデミ(左)

デミ・ムーアにとって45年のキャリアを塗り替えるような重要な作品となった『サブスタンス』。この企画はどのように彼女の元に舞い込んだのだろうか。

「ある日、私のエージェントから脚本を渡されたんですけど、『何も言わないからとにかく読んでみて』と言われたんです。それでそそられるように読み始めると、すごく興味深くて独特な内容で、デリケートな題材を深く掘り下げて描かれていたので驚きました。自分自身との関係や映画界との関係、そして自分の体と自己価値、さらに他人に与える影響力という、より深い疑問を投げかけていたので最高だと思いました」

と彼女自身が惚れ込んだ作品だが、観客にも楽しんでほしいと考えている。

「このジャンルのファンにとっては桁違いに強烈な体験になるはずです。スリル満点で、ホラーに求められる要素もすべて詰まっている。それだけでなく、もう少し深みがあり、考えさせるような映画が好きなファンにとっても同様に面白さを感じてもらえるはずです。いずれにしてもこの作品を見た人にとって自分を見つめなおすきっかけになればという思いもありますね。その時、ありのままの自分に感謝の気持ちを持ってくれると嬉しいです」

そんなデミは、共演者マーガレット・クアリー、監督・脚本のコラリー・ファルジェにも感謝の気持ちを述べている。

「才能豊かなマーガレットとの共演は夢のようでした。私たちは互いに無防備な裸になるシーンがあるんですが、最初から彼女と強い絆を感じました。2人には背中を預け合っているという安心感があって、それぞれを気遣って演じることができました。彼女とはそういう関係が築けて幸福でした。そこにコラリーも加わって3人のコミュニケーションが大切だったんです。コラリーはとても熱心で台本には事細かく具体的な説明が書いてありました。どんな変貌をするか、何が求められているのか、俳優としてこの脚本を読むのは特別な作業でした。過去にも役作りで特殊メイクの経験はありましたが、今回はいままでのどのメイクとも違っていて、感情的で痛いほど心に響くものでしたね」

と特別だった撮影の喜びと苦労を明かしてくれた。

『サブスタンス』
2025年5月16日(金)公開
イギリス=フランス/2024/2時間22分/配給:ギャガ
監督・脚本:コラリー・ファルジャ
出演:デミ・ムーア、マーガレット・クアリー、デニス・クェイド

©The Match Factory

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