2023年には売上本数3億本を突破した超人気ゲーム「マインクラフト」(以降、マイクラ)がまさかの実写映画化。現実世界から、すべてが四角いブロックでできた世界・「マイクラワールド」へ迷い込んでしまった人々の奮闘を描くのは、『ナポレオン・ダイナマイト』(04)や、『ナチョ・リブレ 覆面の神様』(06)のジャレッド・ヘス監督だ。ゲームの開発元Mojang Studiosと組んで「マイクラ」の世界観を映画に落とし込んだヘス監督が、そのこだわりや製作の裏側を、本作のプロデューサーとして参加したMojang Studiosのトルフィ・フランス・オラフソンと共に、日本のメディアに語ってくれた。

視覚面で何より大事にしたのは「キューブっぽさ」

――ブロック世界のゲームを実写映画化する上で、どの程度デフォルメを行ない、どの程度リアリティを持たせるかは、どのように決めていきましたか。

ヘス監督「何よりも『キューブっぽさ』を大事にしました。一にも二にも。いろんなコンセプトアートを考案しながら練り上げていきましたが、16ビット感をどう出していくのかを一番大事にしながら、この映画のルックスを作り上げていったんです。

クリーパーには色々な試行錯誤がありました。最初に出てきた案は『甲羅のない亀』のようなすごく不気味なもので、これはちょっと違うなと。その後に案を変更して、最終的には『マイクラ』らしいアイコニックなクリーパーに戻していきました。

スケルトンなら、ゲームにはない関節をどう付けるか、映画の中でどう動かすか。ゾンビなら、ターコイズ色のシャツを着せたり、ブルーのパンツを履かせたり、頭が四角い・・・というアイコニックで象徴的なルックスは保持しつつ、どのように肉付けしていくのか。色々考えたんです。

どうやってピクセルを映画というメディアに落とし込むかについては、色んなアイデアがありますが、最終的に落ち着いた今の案に私たちは満足していますよ。

画像1: 視覚面で何より大事にしたのは「キューブっぽさ」

いろんなクリエイターがYouTubeでも『マインクラフト実写版』として作品を作っていますが、私たちがこの映画で表現しているのは、あくまでも“一つのバージョン”です。なので映画のタイトル(原題)も『The Minecraft Movie』ではなく、『A Minecraft Movie』という、あくまでも“一つのアイデア”という表現にしています。

デザインチームやVFXチームにも色々と頼りっぱなしでした。『ジャングル・ブック』やマット・リーヴス監督の『THE BATMAN-ザ・バットマン-』、『猿の惑星:創世記』などを手掛けたダン・レモンさんと色々と協議をしながら見せ方は探っていきました」

オラフソン「ゲーム版に慣れ親しんでいなくても、『これが「マインクラフト」か、なるほどね』とわかるような、ビジュアルとして立つようにすることは意識しました。ストーリー的にはアドベンチャーですが『「ロード・オブ・ザ・リング」にあまり似せすぎてはいけないよね』なんて言いながら。美術は『ロード~』三部作を手掛けたグラント・メイジャーさんなんです。私も大ファンなので、(憧れから)同僚として意識することすらやっとで。緊張感のある中でご一緒させてもらいました。

画像2: 視覚面で何より大事にしたのは「キューブっぽさ」

キャラクターに関しては、キューブ型のものにどのように関節を付けて立体化して、映画に馴染ませていくのか、といったことを考えていました。また、山だったら実写の山をどうやってブロックに寄せるかではなくて、ブロックから山をどう創造していくのかを考えました。『ゲームから、より映画へ』というベクトルで作っていったんです」

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