『ローズ家〜崖っぷちの夫婦〜』の主人公となったローズ夫妻は、アツアツの時代も、冷え切った時も「リアルな夫婦像」を笑いと戦慄の中に描いていますが、古くから映画に登場する夫婦たちは、実話でもファンタジーでも時に理想的だったり、時に反面教師的だったり、観客の感情を大きく揺さぶってきました。見る者に希望と教訓を与えてくれるそんな夫婦たちをピックアップしてみましょう。(文・米崎明宏/デジタル編集・スクリーン編集部)
夫婦という特別な間柄は実は喜劇なのかも?
ホットな出会いから熱が冷めていき、そしてその後は? 『いつも2人で』(67)

『いつも2人で』
Photo by FilmPublicityArchive/United Archives via Getty Images
オードリー・ヘプバーンとアルバート・フィニーの主演で贈るロマコメで、一組の夫婦の1954年から66年までの軌跡を六つの時間軸を交差させながら描く。出会ったころから、結婚して数年後、子供が生まれたころ、子供が育ってから、と設定を変えながら、2人の旅する様子と夫婦間の心境の変化が笑いも含めて描写され「熱愛の後の試練」と称されている。
全く違う性格の2人が夫婦になったらどうなる? 『裸足で散歩』(67)

『裸足で散歩』
Photo by Silver Screen Collection/Getty Images
若き日のロバート・レッドフォードとジェーン・フォンダが結婚したばかりの若夫婦に扮したコメディ。かけだし弁護士のお堅いポールと自由奔放なコリーがNYのアパートで暮らし始め、変わり者の隣人たちに囲まれながら新婚生活をスタートすると、早くも大喧嘩発生! 離婚騒ぎにまで発展するが、酔ったポールが暴挙に出たことで最後は大団円に?
殺人事件がきっかけで中年夫婦に刺激が加わる? 『マンハッタン殺人ミステリー』(93)

『マンハッタン殺人ミステリー』
倦怠気味の中年夫婦が隣人の死をきっかけに変化していくウディ・アレン監督のコミカル・ミステリー。編集者のラリー(アレン)とキャロル(ダイアン・キートン)の夫妻は同じマンションのお向かいの夫人が急死し、キャロルが彼女を夫が殺したと推理したことから探偵気取りの真似ごとに走る。2人の“捜査”はエスカレートしていき退屈な日々が一変?
