カバー画像:Photo by Tim P. Whitby/Getty Images for The Walt Disney Company Limited
美しき才能の原点 始まりの光、終わらない旅のはじまり
1995年12月27日に生まれたティモシー・シャラメは、今年30歳を迎える。最近は実在の人物を演じたり髭を生やすなど、“ティモシー=美”で話題をさらっていた頃からさらに大人の男性の魅力が加わりますます目が離せない存在に。そんな彼の軌跡を改めて振り返ってみたいと思う。
9歳からCMに出演していたティモシーは、子役としてドラマに出演したのちにアート系の名門として知られるラガーディア芸術高校に入学。卒業後は『インターステラー』(14)、『シークレット・チルドレン 禁じられた力』(15)、『マイ・ビューティフル・デイズ』(16)などを経て、ルカ・グァダニーノ監督の『君の名前で僕を呼んで』(17)では、年上の男性と恋に落ちる主人公を演じた。みなさんご存知の通りこの作品は世界的に大ヒットし、ティモシーは第90回アカデミー賞主演男優賞にノミネートされた。日本でもティモシー人気が高まり、そんな中で公開されたグレタ・ガーウィグ監督の『レディ・バード』(17)では、プレイボーイのバンドマンを演じて新たな魅力を開花させていた。
クリスチャン・ベールと共演した『荒野の誓い』(17)は小さな役だったが、その後は『ビューティフル・ボーイ』(18)、『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』(19)、Netflix映画『キング』(19)と主演作が続き、再びグレタ監督とタッグを組んだ『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』(19)や、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督のSF大作『DUNE/デューン砂の惑星』(21)の主演などティモシーの快進撃は勢いを増すばかり。
アダム・マッケイ監督の『ドント・ルック・アップ』(21)では脇役、ウェス・アンダーソン監督の『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』(21)ではオムニバス形式で描かれるエピソードの一つの学生運動のリーダー役、再びルカ監督とタッグを組んだ『ボーンズ アンド オール』(22)では人喰いの青年、Netflixのアニメーション『キッド・カディ: Entergalactic』(22)では声優として参加(ラッパーのキッド・カディはティモシーの友人である)するなど、幅広い役柄に挑戦する彼の姿に俳優としての意欲が感じられた。そんなティモシーはコロナ禍にとんでもない難役の準備に取り掛かるのだった…。
挑戦の果てに見えた新たな地平 ティモシー・シャラメ、次なる伝説へ
2020年にはロンドンで舞台デビューとなるはずだった「4000マイルズ」がコロナ禍になったことで残念ながら公演中止となり、さらには全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)のストライキも始まったことで彼を生で一目見たいと願うファンをヤキモキさせた。ところが『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』(23)の日本公開直前でストが終了し、初の来日プロモーションでは美しいビジュアルと気さくな人柄でティモシーは日本のファンを魅了した。
その後は『デューン 砂の惑星PART2』(24)、ボブ・ディラン役を演じた『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』(24)が公開。とんでもない難役とは“生きる伝説”ボブ・ディランのこと。コロナ禍で撮影がストップし、時間が空いたことが功を奏し、歌とギターのレッスンに励むことができたという。ティモシーが全編ライブでの生演奏と生歌唱に挑んだシーンは圧巻で、彼の底知れぬ才能に震えた。
俳優としてのネクストステージへ進んだティモシーの今後の待機作には、サフディ兄弟の兄ジョシュ・サフディ監督が単独でメガホンをとったA24作品『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』(今年12月25日に北米で公開予定)、「DUNE/デューン」シリーズ第3弾の『Dune: Part Three(原題)』、ジェームズ・マンゴールド監督と再タッグを組む『High Side(原題)』が控えている。中でも『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』は徹底した役作りで天才卓球選手マーティ・マウザー役に挑んでおり、来年のアカデミー賞主演男優賞に2年連続3度目のノミネート&初受賞への期待が高まっている。キャリアを重ねて自信に満ち溢れているティモシーの活躍を、今後も追っていきたいと思う。
