前作『ウェイ・オブ・ウォーター』から3年。「アバター」シリーズ第3弾としていままた熱い視線を浴びている『ファイヤー・アンド・アッシュ』を生み出したキャストとジェームズ・キャメロン監督のインタビューをお届け。新展開を見せるパンドラの世界の物語への興味がぐんと増してくる言葉が詰まっています。(文・デジタル編集・スクリーン編集部)
© 2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.

サム・ワーシントン(ジェイク・サリー役)

このシリーズは観客に
自分自身を見つめ直させる物語なんです

© 2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.

「アバター」の前2作は映画史に残る記録的な大ヒットとなったが、主人公ジェイクを演じるサム・ワーシントンはその大成功の理由をどう考えているのだろう。

「成功した理由はわからないですが、なぜ人がこの作品に共感するかはわかります。観客はジム(キャメロン)が自ら開発したテクノロジーを使って生み出した世界にどっぷりと浸かることができます。他の世界に連れていかれた観客はそこで姿は人間と違うけど感情移入できるキャラクターと出会い、彼らは日常で感じている葛藤、あるいは喜びを反映していることに気づきます。ジムは他のどんな監督よりも人間をとてもよく理解しているんです。前作『ウェイ・オブ・ウォーター』の後半でジェイクは息子のネテヤムのところに行きますが、とても感極まるシーンでした。成長しても彼にとってネテヤムはいつまでも子供なんですが、ジェイクはネテヤムが死んだことにすぐには気づきませんでした。あれはとても悲しいシーンでした。ジムは観客の心を予想もしない形で揺さぶるんです」

ネテヤムの死はジェイクの家族に大きな影響を与えるという。

「ジェイクの家族は今回悲しみを抱えたまま戦うことになります。『ファイヤー・アンド・アッシュ』を喪失についての映画、とは言いません。そこからどう立ち直るのか、立ち直るために必要な強さとはどんなものかを描く作品です。前2作は愛するものを守る話でしたが、今度は愛する者のために戦う話です。そういうパワフルなテーマを扱うブロックバスター作品なんです」

この映画には他にどんなメッセージがあるのだろう。

「ジムは世の中や環境問題について彼自身が感じていることや思っていることを映画で語ります。ただそのままやったら説教臭いと思われ、敬遠されてしまうので、頭のいいジムは、誰も見たことがない美しいビジュアルを持つエピックアクション映画という形で観客にそれを提示します。現代の社会問題や人間の行動といったテーマを、宇宙戦争のような話にして語るんです。このシリーズでは『I See You』というセリフが出てきますが、彼はいつもそれ、つまりYou=人間を見つめることをしてきたと思います。驚くようなビジュアルで語られるのは観客に自分自身を見つめさせる物語なんです」

ジェイクという一人の役を何年も演じ続けることをどう感じているだろう。

「僕はノンストップで映画に出るのが好きなので、こうやって継続的に仕事させてもらえることを嬉しく思ってます。しかもそれを最高なビジョンを持つジムとできるんですからね。自分が彼のフィルモグラフィーの中にいるということが信じられないくらいなんです。こういう方を友達と呼べて、一緒に仕事できることを当たり前だとは思っていません。ジェイク役を続けていければ最高です。でもジムとならどんな映画でも作りたいですね」

ゾーイ・サルダナ(ネイティリ役)

今の世の中を生きていく人々に
これまで以上に強く深い思いやりを感じました

© 2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.

ジェイクと共に生きる道を選んだパンドラ生まれのナヴィ、ネイティリを演じてきたゾーイ・サルダナ。前2作の大ヒットを彼女はどう受け止めているだろうか。

「人々が共感できるストーリーと美しいビジュアル。そしてこれはオリジナルの物語でこれまで誰も見たことがないものだったから、観客に驚きに満ちた経験を与えることができたのかなと思います。『アバター』シリーズは人間の物語でもあります。政治的にどんな立場にいる人でも会話のきっかけを作ってくれるし、戦争が答えにならないことや、地球に住んでいる以上、その母なる世界を大切にしなくてはいけないことも教えてくれる物語ですよね。このシリーズには大切なテーマがいろいろ詰まっています」

長く演じていてネイティリに共感できる点はどういうところだろう。

「ネイティリも私も家族を愛しているところが同じで、自分のルーツやアイデンティティに誇りを持っている点も共感できます。1作目の頃は私も若く、ネイティリの恐れ知らずのところや、運命に立ち向かい自身の人生をコントロールしようとするところ、自分の声を持っているところに惹かれました。2作目では母になったネイティリに共感できましたね。私の人生も母になったことが最高のギフトでしたから。さらに『ファイヤー・アンド・アッシュ』を撮り終えて、現実で戦争や抑圧の中、生きていこうとする家族にこれまで以上に強く深いレベルの思いやりを感じました。私はその人たちのことを想っています」

今回、ネイティリとジェイク、そして子供たちはさらに深刻な危機に直面する。

「現実世界で私たちが見て来たことと似ていると思うでしょう。『アバター』シリーズが探求してきたテーマは、今の世の中を考えるとより共感できますし、現実に近すぎるのではとさえ見え、リアルに感じます。それは悲しいことではありますが『ファイヤー・アンド・アッシュ』を観て、サリー一家の生き様から何かを学んでもらえればと思います」

母親役として子役たちの成長を見ることが嬉しいともいう。

「ネイティリの子供たちを演じる若い俳優たちが成長して、優秀なアーティストになり、人間としても素晴らしくなっていくところを間近で見ることができたのは最高です! 彼らのことを考えると私の母性本能が全開になってしまいますね。またティーンの娘・キリを演じるシガニー(ウィーヴァー)はずっと敬愛している私のアイドルなんです(笑)。撮影の間はいろいろ学ぶところも多いですし、彼女の母親を演じられるのは楽しいです」

シガニー・ウィーヴァー(キリ役)

キリを演じる上でティーンの真似をするような
演技はしたくなかったですね

© 2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.

1作目では人類のグレイス博士を演じ、2作目からはナヴィの少女キリを演じているシガニー・ウィーヴァー。グレイスが死んだと思っていたところに、ティーンという設定のキリ役をオファーされた時はどう感じたのだろう。

「ジムが2作目の脚本を書こうとしている時にランチに誘われて、キリという森の少女のアイデアを少し明かしてくれたんです。彼女は森で特別なことができ、ある意味で森そのものなんです。私はそれを聞いて日本的な発想だと思いました。キリの持つ自然とのつながり、敬意は、自然を敬う日本の文化に共通していると思いました。最新テクノロジーのおかげで私が14、5歳の少女を演じられるなんてラッキーそのものでした。誤解している人もまだ多いのですが、『アバター』は私たちが声だけをあてていると思っている人もいるんです。実際にはこれ以上ないくらい役者にできる最大の演技をしています」

そんなキリを演じるのは実のところ大変だったのでは?

「ティーンの真似のような演技はしたくなかったので、まず肉体面から自分がその年の頃、どう感じていたかを思い出そうとしたんです。撮影まで準備期間があったので、私の中からキリが生まれ、なりきることができました。若い俳優たちとの共演では仲間に入れるか心配でしたが、彼らが私を年寄りと思わず、受け入れてくれたのが嬉しかったですね。一方で私の長年の経験で俳優としての基本を教えてあげることもできました」

彼女の演じるキリは今回、これまでにない危機を体験する。

「パンドラの象徴のようなエイワとの繋がりをいくつかの理由で絶たれてしまうんです。キリはエイワを信じているので困惑しますが、エイワは彼女を助けてくれないんです。それだけでなく『ファイヤー・アンド・アッシュ』には前2作になかったことがたくさん詰まっていますよ」

『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』
2025年12月19日(金)公開
アメリカ/2025年/ウォルト・ディズニー・ジャパン配給
監督・脚本:ジェームズ・キャメロン
出演:サム・ワーシントン、ゾーイ・サルダナ、シガニー・ウィーヴァー、ウーナ・チャップリン

© 2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.

This article is a sponsored article by
''.