スーパースター、トム・クルーズがアカデミー賞を初受賞! ガバナーズ・アワード授賞式で名誉賞を受けた彼は、ハリウッド、ひいては世界の映画界に貢献したといっていい活躍を、これまでの人生をかけて実行してきた稀有な俳優・製作者として不動の地位を築いてきました。今回の受賞を記念してその比類のない映画人生を振り返ってみましょう。(文・米崎明宏/デジタル編集・スクリーン編集部)
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オスカー像を手に「映画は私そのもの」と明言

もはやハリウッドが誇るスターの中のスターと言っても差支えないであろう、トム・クルーズ。これまで4回(演技部門だけでなく作品賞も含む)アカデミー賞候補になったが、無冠のままだった彼に、米映画芸術科学アカデミーは2025年6月、映画界にもたらした大きな業績を認め名誉賞を贈ることにしたと発表。そのガバナーズ・アワード授与式が25年11月16日、ロサンゼルスで行われ、トムに初となるオスカー像が、新作でコンビを組むアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督の手から渡された。

トムは自身に関わった全ての人々に感謝の言葉を述べつつ、幼かったころ、映画館で映写機からスクリーンに投影されるひとすじの光を見た時、自分の中の冒険や知識欲などの渇望に火がついたと明かした。

「映画は私を世界に連れて行ってくれます。そして違いを認め、尊重することを手助けしてくれます。また共通の人間性も示してくれます。どこから来た者であろうと劇場の中で私たちは共に笑い、感じ、希望を持ち、夢を見ます。それこそこの芸術形態の力なんです。だから私にとって重要なんです。映画を作ることは私がすることではなく、私そのものなんです」と熱く語り、「私はこの芸術を助けるため、新たな声を支持し擁護するため、常に全力を尽くします。そして約束します。自分にできることをすると。もしかしたらそれが次世代の子供たちにインスピレーションを与えることができるかもしれません。本当にありがとう」と締めくくった。

これほど映画に情熱を傾けたトムが演技の世界に飛び込んだのは、いまから45年ほど前のこと。『エンドレス・ラブ』(81)のチョイ役で映画デビューし、すぐにショーン・ペン、ティモシー・ハットンらと共演した『タップス』(81)の陸軍士官学校の学生役で印象的な演技を披露した。

同世代の若手アクターたちとフランシス・フォード・コッポラ監督作『アウトサイダー』(83)で共演し、人気を博したと思ったら、同年の主演作『卒業白書』が大ヒットし、あっというまにティーンのアイドルに。これに飽き足らず86年にはマーティン・スコセッシ監督作『ハスラー2』でレジェンドスター、ポール・ニューマンと共演し友情が芽生え、もう一つの主演作『トップガン』は当時空前のヒット作となり、世界中にその名を知られるスターの座に登り詰める。

『アウトサイダー』などでYAスターと呼ばれたころ

全米で大ヒットした『卒業白書』

『ハスラー2』で大先輩ポール・ニューマンと共演

世界的に大ブレイクとなった『トップガン』

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