声優初挑戦の見上に、大きな影響を与えた花江
——本作の物語、世界観をどのように感じましたか?原作とは違う視点で描かれている点などの印象も含めてお聞かせ下さい。
花江「漫画を読んでいたので、まずはリタ視点というのがすごく新鮮でした。リタもケイジもいわゆる強いキャラクターではありません。だからこそより精神的な成長も含めて、成長が感じられる展開が楽しめる気がしました。後半は特に、実は昔…とか、自分の弱さのようなところを伝えるシーンもあって、今まで知っていた『ALL YOU NEED IS KILL』とはちょっと違った、より繊細な印象を受けました」

見上「原作とはまた違う方向で生きる希望を生み出せる作品になっているように思いました。花江さんがおっしゃったように、弱い二人だからこそ、感情移入しやすいというか。二人を観ていると、自分もこういう状況になり得るかもと思う瞬間がいっぱいあって。そういったところも作品の魅力になっているように感じました」
——リタとケイジの成長を軸とした物語が描かれます。リタとケイジを演じるにあたり、意識していたことを教えてください。
花江「原作はとても有名でいろいろとメディア展開されていますが、本作はSTUDIO4℃さんが手がけるアニメーションです。STUDIO4℃さんは、アニメーションの作り方も、雰囲気も本当に独特で、映像を観ていても、本当に唯一無二だなと。最初に資料をいただいた時に、この唯一無二の雰囲気を極力壊さないようなお芝居の作り方をしたいと思いました。お相手が見上さんと聞いて、基本的には現場に入って見上さんの雰囲気についていけたらいいなと考えていました」
見上「声のお仕事が初めてで、何を意識したらいいのかも分からないくらい、本当に何も分からなかったです。普段の台本の読み方と同じように読んだのですが、それをどう声で表現できるのかも、正直分からなくて。とにかく分からないことだらけでしたが、とにかく飛び込もうという気持ちでした」
——見上さんにとっては分からないことだらけで初挑戦した声優のお仕事。花江さんの存在は、リタがケイジを見つけた時のように心強かったと思います。一緒にお芝居をした時の印象や吸収できたことはありましたか?
見上「1日目は一人、2日目は花江さんとご一緒して、3日目も一人でという収録でした。花江さんとご一緒してから、1日目とは比べものにならないくらい何もかも全部変わった、すごく良くなったとみなさんに言われて。実は、3日目に1日目の収録分を全部録り直しています。そのくらいすごく影響を与えていただきました。プロの技を間近で見させていただくなんてことはそうそうないですし、見たところで到底真似もできません。でも、温度感みたいなものというのでしょうか。とにかくご一緒させていただいた時には、何かを感じ取りたい、受け取りたいという思いでいっぱいでした」
——ご自身ではどこが変わったのかは分かりましたか?
見上「正直、どこがと訊かれると分からないのですが、花江さんと一緒にやっていく中で、どうしたらいいか分からないという不安が少しずつ減っていき、こうしてみようと思えるようになったこと、目指すことができたというか。こんなふうにやってみたいという状態を思い描くことができるようになったのは分かりました」
——見上さんとのお芝居はいかがでしたか?
花江「すごく素敵でした。最初から声の質感が素晴らしいと思っていました。声優としてアニメの経験を重ねると、必要な技術はもちろん身についていきますが、初めてやるときの初々しさや、新鮮さというものは徐々に失われてしまいます(笑)。今回の物語ではリタが急に巻き込まれて、そこから脱出しようと抗って必死にやっている。どこか見上さんの心境的にリンクするところがあるんだろうなと思うくらいに、役にも世界観にも入り込んでいる印象がありました。そういったところが、掛け合いをする中で僕自身にもすごく助けになっていた部分でもあります。1日の中で最初と最後ではすごく変わっていたのを感じたので、人の成長って感動だな、なんて思いながら見ていました」
『ALL YOU NEED IS KILL』
2026年1月9日(金)から、新宿バルト9ほか全国11劇場にて上映開始
配給:クロックワークス
©桜坂洋/集英社・ALL YOU NEED IS KILL製作委員会
