エメラルド・フェネル監督が再構築した『嵐が丘』は、もはや古典の枠を飛び越えた、五感を刺激するラブロマンス。あまりに過剰で、美しい愛の深淵を一緒にのぞいてみましょう。(文・スクリーン編集部、大森さわこ(コラム)/デジタル編集:スクリーン編集部)
カバー画像:『嵐が丘』より ©2026 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.

「属していない」ことを強調する、徹底した空間設計!

身長196cmのジェイコブ・エロルディに対し、屋敷(アーンショウ家)のセットの天井をあえて低く設計。これは彼を完全に立てないようにすることで、彼が「ここに完全に属していない」存在であることを強調している。一方、マーゴット・ロビーの顔には専用のカスタム・ステンシルを用いたエアブラシ塗装が施され、緻密に計算された「そばかす」を再現。35mmフィルムが捉えるこのリアリズムが、二人の生々しい実在感を鮮明に映し出している。

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制御不能な熱量から産まれた、素晴らしい音楽たち!

フェネル監督から台本が送られて来たチャーリーXCXは、「本作の為に曲を作りたいか?」との問いにフルアルバムを書き下ろす形で応えた。監督が求めたのは、単なる劇伴ではなく、「聴く者の身体的な反応を呼び起こす、本能的な体験」としての音だ 。映像が捉える肉体的なディテールと呼応するそのビートは、150年前の古典を、今この瞬間に観客の感覚を支配する中毒的な体験へとアップデートしている 。

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画面から漂う「汗と体温」のリアリズム!

美術監督のスージー・デイヴィスが「質感があまりにリアルなので、匂いすら感じられる」と語るほど、セットには徹底したこだわりが貫かれている。アーンショウ家のセットでは、「家自体が生きている」かのように壁の隙間から自然が滲み出し、湿り気や土の気配を醸し出すデザインを採用。視覚から生理的な感覚を呼び起こすこの徹底したディテールが、本作の愛が清廉なロマンスではなく、逃れられない「身体的な執着」である事実を突きつける。

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奇想天外な料理が並ぶダイニングルーム!

ダイニングルームは、クロームとシルバー、そして汗や湿気を象徴する銀の雫と結晶で構成されている。食卓には、サルバドール・ダリの料理本「Les Diners de Gala」を参考に、丸ごとの魚を封じ込めたゼリー、シルクハットをかぶったエビ、口ひげとイヤリングを付けたロブスターなど、10〜12種類の特注テーブルセッティングが並べられた。室内にはスプーンやフォークなどの廃材を用いたアン・キャリントンの彫刻作品も配置されている。

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キャサリンの「肌」に包囲される寝室!

リントン家にあるキャサリンの寝室の壁は、マーゴット・ロビー自身の肌(血管やそばかす)をプリントしたパネルで構築されている。壁には静脈が浮き出し、本物の毛が生えた「ほくろ」までが配置されており、部屋そのものが彼女の身体であるかのような狂気的な空間を作り上げた。壁だけでなく、カーペットやカーテンにも「キャサリン自身」の要素が取り入れられ、ベッドヘッドやカーテンには彼女の髪色に合わせた編み込まれた毛髪が使用されている。

画像: キャサリンの「肌」に包囲される寝室!

『嵐が丘』
2月27日(金)公開
アメリカ/2026年/2時間16分/東和ピクチャーズ・東宝配給
監督:エメラルド・フェネル
出演:マーゴット・ロビー、ジェイコブ・エロルディ、ホン・チャウ

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