今回で75周年を迎えた「SCREEN映画大賞」。本誌読者がこの長い期間に選出してきたベスト作品やベスト男女優のリストを眺めていくと、各々の「時代」を映し出すような結果が見えてきます。まずはベストワン作品から日本のファンが戦後から現在までどんな外国映画に魅了されてきたかを振り返ってみましょう。(文・米崎明宏/デジタル編集・スクリーン編集部)
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1950s:読者も玄人好みの名作を愛した時代

画像: 第1回ベストワン作品『イヴの総て』 Photo by 20th Century-Fox/Getty Images

第1回ベストワン作品『イヴの総て』
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今から75年前にスタートしたSCREEN読者大賞、記念すべき第1回の読者が選んだ年間第1位作品はアカデミー賞で作品賞など6部門で受賞した名作『イヴの総て』だった。このように50年代のベスト1作品を眺めていくと、この時代は読者が玄人好みの渋い名作を選んでいるのがわかる。特に54年には日本でも社会現象となった『ローマの休日』(3位)ではなく、フランスの傑作サスペンス『恐怖の報酬』がトップになっているあたりにその傾向が顕著。またこの時代は米国映画だけでなく仏、伊、英などヨーロッパの名作が1位になるあたりも大きな特徴だ。

1950年代読者選出ベストワン作品

1951『イヴの総て』 
1952『第三の男』   
1953『禁じられた遊び』 
1954『恐怖の報酬』  
1955『エデンの東』   
1956『ピクニック』   
1957『翼よ!あれが巴里の灯だ』 
1958『鉄道員』      
1959『北北西に進路を取れ』

1960s:大型映画からニューシネマの時代へ

画像: 『ウエスト・サイド物語』 Photo by Silver Screen Collection/Getty Images

『ウエスト・サイド物語』
Photo by Silver Screen Collection/Getty Images

60年代は『太陽がいっぱい』など映画史に残る名作群が軒並み首位に選出される中、現在まで続く「007」シリーズの第2作『007/危機一発(ロシアより愛をこめて)』が初めてシリーズ映画でトップを獲得。さらに『ウエスト・サイド物語』『アラビアのロレンス』『サウンド・オブ・ミュージック』といった大型スクリーンで鑑賞すべき超大作が愛された時代であったこともわかる。そんな雰囲気を一変させるのが60年代後半の『卒業』『真夜中のカーボーイ』といったニューシネマの時代の到来。また『冒険者たち』は現在のところ1位になった最後の仏映画だ。

1960年代読者選出ベストワン作品

1960 『太陽がいっぱい』  
1961 『ウエスト・サイド物語』  
1962 『ハスラー』        
1963 『アラビアのロレンス』   
1964 『007/危機一発(ロシアより愛をこめて)』
1965 『サウンド・オブ・ミュージック』 
1966 『ドクトル・ジバゴ』  
1967 『冒険者たち』   
1968 『卒業』         
1969 『真夜中のカーボーイ』 

1970s:『スター・ウォーズ』の出現で映画の新時代到来

画像: 『スター・ウォーズ(エピソード4/新たなる希望)』 Photo by Sunset Boulevard/Corbis via Getty Images

『スター・ウォーズ(エピソード4/新たなる希望)』
Photo by Sunset Boulevard/Corbis via Getty Images

1970年代は『明日に向って撃て!』のようなニューシネマの人気が終息に向かい、変わって『ゴッドファーザー』『スティング』『カッコーの巣の上で』『ロッキー』『ディア・ハンター』などオスカー作品賞受賞作や、『ポセイドン・アドベンチャー』『タワーリング・インフェルノ』のようなパニック超大作がファンに大受け。そして78年に日本上陸したジョージ・ルーカス監督の『スター・ウォーズ』の登場で世界中の映画界に激震が走った。大ヒットした『ジョーズ』(75年3位)のスティーヴン・スピルバーグ監督の存在も加わって映画の新時代が開幕した。

1970年代読者選出ベストワン作品

1970 『明日に向って撃て!』
1971 『ライアンの娘』     
1972 『ゴッドファーザー』   
1973 『ポセイドン・アドベンチャー』
1974 『スティング』       
1975 『タワーリング・インフェルノ』
1976 『カッコーの巣の上で』  
1977 『ロッキー』      
1978 『スター・ウォーズ』  
1979 『ディア・ハンター』 

1980s:スピルバーグ印の作品が映画ファンの心を掴む

画像: 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』 Photo by Universal/Getty Images

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』
Photo by Universal/Getty Images

1980年代は70年代に登場したスピルバーグやルーカスら新世代のフィルムメーカーたちが世界的なヒット作を生み出し、映画の在り方を変えたことで記憶するファンも多いだろう。特に『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』『E.T.』といった監督作や『バック・トゥ・ザ・フューチャー』といった製作作品がいずれも大当たりしたスピルバーグ・ムービーは絶大な人気を誇ったもの。また青春スター総登場の『アウトサイダー』出身でもあるトム・クルーズが主演した『トップガン』を筆頭に、当時ブームのMTVなどによる洋楽人気が牽引したヒット作も続々誕生した。

1980年代読者選出ベストワン作品

1980 『クレイマー、クレイマー』  
1981 『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』
1982 『E.T.』         
1983 『アウトサイダー』      
1984 『ストリート・オブ・ファイヤー』 
1985 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』
1986 『トップガン』      
1987 『スタンド・バイ・ミー』 
1988 『ラストエンペラー』
1989 『レインマン』  

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