カバー画像:『ミッション:インポッシブル』Photo by Murray Close/Getty Images
こんな映画が世界的にヒット!
今も続く熱狂の原点 ──「シリーズを育てる時代」の幕開け
1996年は、今も続く人気シリーズの原点となる作品が相次いで公開された年だった。その代表作が『ミッション:インポッシブル』だ。
同作は、1960年代の人気テレビドラマ「スパイ大作戦」を基にして、トム・クルーズ が主演と製作を兼ねて映画化した。スパイ組織IMFのエージェント、イーサン・ハントがさまざまな陰謀に巻き込まれながら真相を追う中で、緻密なサスペンスと大胆なアクションを融合させた物語が展開する。とりわけ、厳重な警備を誇るコンピューター室へ、ハントがワイヤで宙づりになって侵入するシーンは映画史に残る名場面。以後、第8作『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』(25)まで続く長寿シリーズとなった。

『ミッション:インポッシブル』
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米国本国では前年95年11月の公開だが、『トイ・ストーリー』が世界的な公開を迎えたのも1996年。おもちゃたちが人間の見ていないところで生きているというユニークな発想を、世界初となるフルCG長編アニメーションとして具象化させた作品だ。主人公のカウボーイ人形ウッディと最新玩具バズ・ライトイヤーの友情と成長を描く物語は、子どもだけでなく大人の観客の心もつかんだ。製作したピクサー・アニメーション・スタジオは一躍世界の注目を集め、その後のアニメーション映画の製作手法そのものを変える存在となった。現在『トイ・ストーリー5』が公開中だ。
この二作品のほかにも、96年には『スクリーム』の初作が公開された。これらに共通するのは、単発のヒット作では終わらせず、続編や関連作品を生み出しながら長期的なブランドへと発展した点だった。96年は、映画界にとって「シリーズを育てる時代」の幕開けを告げる年だったのだ。
ディザスター映画が世界的に大ヒット

『インデペンデンス・デイ』
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一方、96年にヒットした作品として、世界興行収入ランキングの年間1位となったのは、宇宙人の地球侵略を描いたSF超大作『インデペンデンス・デイ』だった。巨大宇宙船が世界の大都市上空を覆い尽くし、ランドマークが破壊される映像は当時としては圧倒的なスケールを誇った。人類が一致団結して侵略者に立ち向かうというシンプルな物語も世界中で支持され、90年代ディザスター映画ブームの頂点となった。

『ツイスター』
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2位の『ツイスター』もまた、最新CG技術を駆使した災害映画。巨大竜巻が町や農場を飲み込む映像は観客に強烈な衝撃を与え、「自然災害を映像スペクタクルとして体験する映画」という新たなジャンルを確立した作品となった。

『ザ・エージェント』
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そして3位の『ミッション:インポッシブル』と同じくトム・クルーズが主演した『ザ・エージェント』が4位に入った。スポーツエージェントとして再出発を図る主人公をトムが熱演し、アカデミー賞候補ともなった本作は、派手なアクションではなく人間ドラマで観客を魅了した。

『身代金』
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『ザ・ロック』
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ランキング全体を眺めると、96年はCGによる映像革命を背景にした災害映画やアクション大作が市場を牽引する一方、スター俳優の魅力を生かしたドラマやコメディーも健闘した年だった。大規模な映像体験と俳優の存在感、その両方がヒット作の条件となったのだ。

『ナッティ・プロフェッサー クランプ教授の場合』
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『評決のとき』
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1996年全世界興収ランキング
1位:『インデペンデンス・デイ』(3.06億ドル)
2位:『ツイスター』(2.42億ドル)
3位:『ミッション:インポッシブル』(1.81億ドル)
4位:『ザ・エージェント』(1.54億ドル)
5位:『身代金』(1.36億ドル)
6位:『101』(1.36億ドル)
7位:『ザ・ロック』(1.34億ドル)
8位:『ナッティ・プロフェッサー クランプ教授の場合』(1.29億ドル)
9位:『バードケージ』(1.24億ドル)
10位:『評決のとき』(1.09億ドル)
(BoxOffice Mojo調べ、10万ドル以下は四捨五入)
