映画のアカデミー賞にならぶ、アメリカ・エンターテインメント界を代表する栄誉のひとつ、エミー賞。今年も話題作・人気俳優が集う第78回授賞式を前に、注目ポイント5選、主要部門の見どころ、そしてSCREENライター陣による受賞予想をお届けします!(文・池田敏/デジタル編集・スクリーン編集部)*本記事は8月21日発売のSCREEN10月号の記事をWEB用に再構成したものとなります。
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第78回エミー賞 各部門の注目トピックス!

ドラマ・シリーズ部門:本命「ザ・ピット」以外も秀作ぞろい!

映画界のアカデミー賞もそうだが、作品が多様化していることを受けてか、作品賞にノミネートされる作品数が増えたエミー賞。しばらく7本という年が続いたが、今年はドラマ・シリーズ作品賞もコメディ・シリーズ作品賞も増え、8本ずつノミネートされた。

画像: 「ザ・ピット / ピッツバーグ救急医療室」シーズン2

「ザ・ピット / ピッツバーグ救急医療室」シーズン2

「ザ・ピット / ピッツバーグ救急医療室」シーズン2
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画像: Apple TV「窓際のスパイ」

Apple TV「窓際のスパイ」

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ドラマ・シリーズ部門の本命は別項にもある通り、昨年のウィナー「ザ・ピット/ピッツバーグ救急医療室」が有力。本作の原点になったのは名作「ER 緊急救命室」だが、いま米国のTV界で働いている人ならみんな大好きなのではないか。対抗は、ゲイリー・オールドマン主演の「窓際のスパイ」(すでにシーズン6・7の製作が決まっている)か、「ブレイキング・バッド」のクリエイター、ヴィンス・ギリガンによる異色のSFドラマ「プルリブス」。ノミネートされた作品はかつてならどれが受賞してもおかしくない秀作ばかりだが、手軽な動画配信サービスが普及・定着したことで、一部のドラマにどっと注目が集まりがちになったか。すると番組開始からスタートダッシュを切ったような「ザ・ピット〜」「窓際のスパイ」「プルリブス」が有利な気もするが次シーズン、来年はまたがらりと変わるかもしれない。

コメディ・シリーズ部門:日本未上陸「Hacks」が有終の美を飾る?

画像: 「Hacks(原題)」のジーン・スマートとハンナ・アインビンダー(写真は昨年の授賞式のもの) Photo by Kevin Mazur/Getty Images

「Hacks(原題)」のジーン・スマートとハンナ・アインビンダー(写真は昨年の授賞式のもの)
Photo by Kevin Mazur/Getty Images

画像: 「一流シェフのファミリーレストラン」シーズン4

「一流シェフのファミリーレストラン」シーズン4

「一流シェフのファミリーレストラン」シーズン4
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作品賞の本命は、日本で未放送・未配信なのが惜しい「Hacks(原題)」。ラスベガスの老スタンダップコメディアン、デボラ(ジーン・スマート)とお付き作家エヴァ(ハンナ・アインビンダー)の日常を描く。笑いのセンスからSNSの使い方まで、ジェネレーション・ギャップを描いて面白く、業界ものということもあってこれはエミー賞に投票する人々なら嫌いではない。今年シーズン5で幕を下ろしたが、有終の美を飾る可能性は高い。対抗はジェレミー・アレン・ホワイト主演「一流シェフのファミリーレストラン」。前々回は「Hacks(原題)」、前回は「ザ・スタジオ」に敗れたが、その前に受賞しているので復活はありうる。この部門の常連、「アボット エレメンタリー」「マーダーズ・イン・ビルディング」、ノミネート2回目の「シュリンキング:悩めるセラピスト」「こんなのみんなイヤ!」も気になるが、大穴としてふれたいのはまだシーズン1の「ウィドウズ・ベイ」。地方の港町でおかしな面々が繰り広げる人間模様や不思議な現象を描き、ソフトでユーモラスな「ツイン・ピークス」を思わせる。計5話を監督した、日本出身であるヒロ・ムライの快進撃もまた要注目だ。

リミテッド・シリーズ/アンソロジー部門:昨年の「アドレセンス」のインパクトで2026年は予想が難しい!

かつてはシーズン1だけで物語が完結するのがリミテッド・シリーズ(昔はミニシリーズと呼んだが作品が壮大だったりするとミニと呼ぶのがおかしい作品も多かった)、各話毎に物語が完結するのがアンソロジー・シリーズだったが、それらの境界線が曖昧なのは確かに事実。日本については2年以上続くのがドラマ・シリーズ、残り全部をリミテッド・シリーズと呼ぶのでもいいだろう。

今年だが、昨年は社会現象級の大反響を呼んだ英国ドラマ「アドレセンス」のインパクトが強すぎたこともあり、どれが作品賞の本命かちょっと予想しづらい。

画像: Netflixシリーズ「BEAST -私のなかの獣-」

Netflixシリーズ「BEAST -私のなかの獣-」

Netflixシリーズ「BEAST -私のなかの獣-」
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ダコタ・ファニングも出演した「全部、彼女のせい」、クレア・デインズとマシュー・リスが共演した「BEAST −私のなかの獣−」、群像コメディ「欲望のセントルイス」、実話が下敷きの「ラブストーリー ジョン&キャロリン」も、正直いってややこじんまりとした印象。「BEEF/ビーフ」もアジアの要素が減ったシーズン2は薄味だったと思う。

画像: Netflixシリーズ「BEEF/ビーフ」

Netflixシリーズ「BEEF/ビーフ」

Netflixシリーズ「BEEF/ビーフ」
Netflixで独占配信中

映画の上映時間より長い時間を使って物語をじっくりと描ける点、ドラマならではの面白さを期待できるフォーマット。「アドレセンス」クラスの衝撃や破壊力がある作品をしばらく楽しみに待ちたい部門である。

本年度もビッグネームぞろい!映画ファン注目すべき俳優部門

俳優方面の各部門だが、映画ファンも気にしたい重要なノミニーが何人かいる。

画像: 「シュリンキング:悩めるセラピスト」のハリソン・フォード

「シュリンキング:悩めるセラピスト」のハリソン・フォード

Apple TV「シュリンキング:悩めるセラピスト」
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画像提供:Apple TV

ドラマ・シリーズ主演男優賞の「TASK/タスク」のマーク・ラファロ、リミテッド・シリーズの助演男優賞・助演女優賞は「BEEF/ビーフ」シーズン2のオスカー・アイザックとキャリー・マリガン。コメディ・シリーズ助演男優賞は「シュリンキング:悩めるセラピスト」の大物ハリソン・フォード、ドラマ・シリーズ助演女優賞は『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』でアカデミー賞の助演女優賞に輝いた、「ザ・ディプロマット」のアリソン・ジャネイ、リミテッド・シリーズ/アンソロジー主演女優賞は「BEAST −私のなかの獣−」のクレア・デインズ、コメディ・シリーズ助演女優賞は『ファンタスティック・ビースト』シリーズでユーラリー役を演じたジェシカ・ウィリアムズと、以前ならドラマには出なかったような映画界のビッグネームがずらりと顔を揃えて華やかだ。

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「ザ・ディプロマット」のアリソン・ジャネイ

Netflixシリーズ「ザ・ディプロマット」独占配信中

授賞式は毎年、プレゼンターの顔ぶれも充実。映画界のアカデミー賞、音楽界のグラミー賞、演劇界のトニー賞に肩を並べる全米エンタメ界のビッグイベント、エミー賞からけっして目を離してはいけない。

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