まもなく2019年2月24日(現地時間/日本時間2月25日)に開催される今年のアカデミー賞授賞式。今回は稀に見る大激戦が繰り広げられていると話題ですが、果たしてどの作品、どの俳優に注目すればいいのでしょう?これを読んでおけば、本番が10倍楽しめること請け合いの直前特集をお届けします!注目の見どころは最後のページに記載。すみずみまでチェックを〜!

今回の見どころはココ!こんな記録が生まれるかも?

01:台風の目は「ROMA/ローマ」

なんといっても今回の注目は「ROMA/ローマ」。もし本作が作品賞を受賞すると様々な記録が生まれることになる。また本作は最多10部門で候補になってもいて、最有力作のひとつであることは間違いない。まずハリウッド映画でも英語圏映画でもなく、正式には劇場用映画でもないネットフリックス作品の本作。外国語映画にもノミネートされているが、この2部門にノミネートされたのは、「Z」『移民たち』(日本未公開)、「ライフ・イズ・ビューティフル」「グリーン・デスティニー」「愛、アムール」に続いて6作目。このうち『移民たち』以外は外国語映画賞を受賞して、作品賞は逸しているが、もし作品賞も受賞すれば史上初。そしてネットフリックス作品としても初受賞となり、10部門中5部門以上を受賞すれば外国語映画として最多記録になる。

02:一人で4部門候補のキュアロン

また「ROMA/ローマ」のアルフォンソ・キュアロン監督も記録を作るかもしれない。

クアロンは作品賞(製作)、監督賞のほか、脚本賞と撮影賞でもノミネートされ、一人で4つの部門の候補に。これは「天国から来たチャンピオン」と「レッズ」のウォーレン・ベイティ(作品、監督、主演男優、脚本)と並ぶタイ記録。ちなみに「天国から来たチャンピオン」では1つも受賞できず、「レッズ」では監督賞を受賞した。キュアロンが2部門以上で受賞すると記録になるが、どうなるか。

03:無冠の名女優受賞なるか

俳優部門で注目されるのは、まず主演女優賞候補のグレン・クローズ。前述したように彼女はこれで7回目のノミネートで、いままで受賞なし。今回も受賞できなければ女優として単独記録を作ってしまう。

「天才作家の妻 40年目の真実」のグレン(左)

これまで6回ノミネートされて一度も受賞できなかったのは、グレンとデボラ・カー、テルマ・リッターの3人。ところがここに今回助演女優賞候補のエイミー・アダムスも名を連ねてしまうかもしれない。彼女は本命レジーナ・キングに次ぐ、対抗馬とされているが、逆転受賞なるだろうか。また他部門でも久々に撮影賞候補となったベテラン・カメラマン、キャレブ・デシャネル(「Never Look Away」)も今回6回目のノミネートで無冠。「メリー・ポピンズ リターンズ」で作曲賞と歌曲賞候補になっているマーク・シャイマンも6回目の候補で無冠。今回はどうだろうか。

04:ブラックパワー今回は?

今回もブラックパワーは健在だった。作品賞には「ブラックパンサー」「ブラック・クランズマン」が、監督賞にスパイク・リー、助演男優賞でマハーシャラ・アリ、助演女優賞でレジーナ・キングが候補になったほか、脚色賞でスパイク・リーと「ビール・ストリートの恋人たち」のバリー・ジェンキンズがノミネートされるなど、存在感を示している。そしてもしスパイク・リーが監督賞を受賞すれば黒人として初になる。またバリー・ジェンキンズが脚色賞を受賞すると、「ムーンライト」に続いて2度目の受賞となる。マハーシャラ・アリも「ムーンライト」に続いて2度目の助演男優賞となる可能性が高い。

「ブラック・クランズマン」

05:日本映画2作が候補に

日本の映画ファンが注目するのは外国語映画賞部門と、長編アニメーション賞の2部門だろう。

外国語映画賞部門では「万引き家族」(是枝裕和監督)、長編アニメーション部門では「未来のミライ」(細田守監督)がノミネートされている。外国語映画部門は先述のとおり「ROMA/ローマ」が本命で、ついで3部門で候補になっているポーランドの「COLD WAR あの歌、2つの心」が優勢。「万引き家族」も侮れない存在だが、ダントツといえないところがネック。とはいえ「おくりびと」の時も本命ではなかったが受賞を果たした経緯もあり、最後まで注目したい。

同じく長編アニメーション部門では「スパイダーマン:スパイダーバース」が本命で、「未来のミライ」のノミネートはサプライズに近いものだったという。しかしアニー賞で最優秀インディペンデント作品賞を受賞するなど知名度は徐々に上がりつつあり、これも最後の瞬間まで見逃せない。

06:連続受賞なるか?

2年連続候補になっているのは、まず助演男優賞候補のサム・ロックウェル(『バイス』)。彼は昨年「スリー・ビルボード」で同部門の受賞を果たしているので、今回受賞すれば2年連続受賞となる。

昨年助演男優賞候補だった「フロリダ・プロジェクト真夏の魔法」のウィレム・デフォーは、今年は『永遠の門 ゴッホの見た未来』で主演男優賞でノミネートされている。昨年の雪辱を果たせるか。

また昨年「ゲット・アウト」で脚本賞を受賞したジョーダン・ピールは今年は「ブラック・クランズマン」の製作者としてノミネート。ちなみに同じ「ゲット・アウト」の製作者ショーン・マッキトリックも「ブラック・クランズマン」で連続候補に。昨年「シェイプ・オブ・ウォーター」で作曲賞受賞のアレクサンドル・デスプラは、今回「犬ヶ島」でノミネート。受賞すれば2年連続3度目となる。

「バイス」のロックウェル(右)

07:最高と最低を同時?

今回主演女優賞候補になった『キャン・ユー・エバー・フォーギブ・ミー?』のメリッサ・マッカーシーは、今年の最低映画賞ことゴールデン・ラズベリー賞でも「パペット大騒査線追憶の紫煙」などで最低主演女優賞候補になっている。かつてサンドラ・ブロックが「しあわせの隠れ場所」でアカデミー主演女優賞を受賞した時、同時に「ウルトラ I LOVE YOU!」でラジー賞も受賞したことがあったが、その再現なるか?

08:オスカーとグラミー賞

歌曲賞で「アリー/スター誕生」の“シャロウ”と「ブラックパンサー」の“オール・ザ・スター”が候補になっているが、惜しくも逃してしまったものの、これはどちらも第61回グラミー賞でレコード・オブ・ザ・イヤーとソング・オブ・ザ・イヤーにもノミネートされていた。アカデミー賞では前者が最有力、後者が対抗馬となっているが、果たして結果はどうなるか?

09:司会者なし…⁈

毎年司会が誰になるのかも注目されるが、今回は一度決まったケヴィン・ハートが過去のLGBTQに関する差別的なツイートの件を掘り起こされ、本人が辞退を表明。結局、主となる司会者なしでショーが進行する珍しいケースに。これは30年ぶりのこととか。どんなアカデミー賞授賞式になるだろうか?

第91回アカデミー賞ノミネーション一覧

部門別ノミネーション一覧

作品別ノミネート部門一覧

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