主演男優賞
賞レース開始時期あたりでは「バイス」でディック・チェイニーを体型を変えて演じたクリスチャン・ベールが一歩リード。「グリーンブック」のヴィゴ・モーテンセン、「アリー/スター誕生」のブラッドリー・クーパーあたりが追うかと見られていたが、ゴールデングローブ賞(ドラマ部門)と俳優組合賞を「ボヘミアン・ラプソディ」のラミ・マレックが受賞したことで一気に有力候補に。フレディ・マーキュリーを入魂のなりきり演技で見せきり、作品とともにマレックの株が上がりっぱなしだ。
原稿を書いている時点ではまだゴールデングローブ賞(コメディー/ミュージカル部門)受賞のベール優勢だが、最後にマレックが逆転するかも。ちなみに『永遠の門 ゴッホの見た未来』でゴッホ役のウィレム・デフォーを加え、候補の5人中、4人が実在人物を演じている。
主演男優賞候補
ブラッドリー・クーパー(「アリー/ スター誕生」)
クリスチャン・ベール(「バイス」)
ウィレム・デフォー(「永遠の門 ゴッホの見た未来」)
ヴィゴ・モーテンセン(「グリーンブック」)
ラミ・マレック(「ボヘミアン・ラプソディ」)
主演女優賞
この部門も最初は「アリー/スター誕生」のレディー・ガガ優勢と言われてきたが、徐々に「女王陛下のお気に入り」のオリヴィア・コールマンが本命視され、それがゴールデングローブ賞(ドラマ部門)と俳優組合賞の受賞でグレン・クローズ(「天才作家の妻 40年目の真実」)が逆転しそうな気配に。彼女が有力になる理由はもう一つあって、これまで彼女は助演賞3回、主演賞3回と計6回候補になり、無冠。今回が7度目の候補で、ここで受賞できないと女優歴代単独トップの記録になってしまう。
そろそろこの名女優にオスカー像を、という傾向が業界内に出てきても不思議はない。ただ対抗オリヴィアもまだ侮れない存在。発表の瞬間まで予断を許さない。「ROMA/ローマ」のヤリッツァ・アパリシオはここまで目立った賞の受賞歴はなく、『キャン・ユー・エバー・フォーギブ・ミー?』のメリッサ・マッカーシーは、前日行なわれるゴールデン・ラズベリー賞(最低映画賞)でもノミネートされているという珍しいケースに。
主演女優賞候補
レディー・ガガ(「アリー/スター誕生」)
オリヴィア・コールマン(「女王陛下のお気に入り」)
メリッサ・マッカーシー(「キャン・ユー・エバー・フォーギブ・ミー?」)
ヤリッツァ・アパリシオ(「ROMA/ローマ」)
グレン・クローズ(「天才作家の妻 40年目の真実」)