これだけ長く続いた大ヒット・シリーズですから、もちろん「スター・ウォーズ」には、もう歴史的とさえいえるトリビアがいっぱい!そこで過去シリーズ8作品から、それぞれこれだけは知っておきたい驚きの秘話をご紹介しましょう。(文・相馬学/編集・スクリーン編集部)

※一部「スターウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」のネタバレ内容を含みます。ご注意ください。

星の見方

★ …初級
★★ …中級
★★★…上級

エピソード4「新たなる希望」
公開前の評判は不評でルーカスは自信喪失していた


トリビアその1 日本映画の巨匠、黒澤明へのオマージュが満載!

画像: C-3POとR2-D2 のコンビはある日本映画がヒントにあった Photo by Getty Images

C-3POとR2-D2 のコンビはある日本映画がヒントにあった

Photo by Getty Images

ジョージ・ルーカスが黒澤明監督から受けた影響は計り知れず、この巨匠に対する敬意は本作の中にも多く見てとれる。C-3POとR2-D2のキャラクターが、『隠し砦の三悪人』に登場する百姓コンビ、太平と又七をモデルにしているのは有名な裏話。

また、ジェダイという言葉は、黒澤が多く手がけた”時代劇”をもじって付けられたと言われており、ライトセーバーによる対決はチャンバラの影響が色濃く表れている。

★★
トリビアその2 ジョージ・ルーカス、公開時にハワイへ逃亡?

画像: 公開前は自信喪失していたルーカス監督(右) Photo by Getty Image

公開前は自信喪失していたルーカス監督(右)

Photo by Getty Image

全米公開前、ジョージ・ルーカスは試写での関係者の良くない反応にすっかり自信を失っていた。プレミア上映に出席せず、全米公開初日にはハワイの別荘にこもっていたという。

しかし、フタを空けると、それまでないほどの熱狂と大ヒット。映画館には一日中居座って何度も映画を見続ける観客もいたという。この後、アメリカの映画館が入れ替え制になったのは、本作のとてつもない人気に依るところが大きい。

★★★
トリビアその3 オーディションはホラーの名作『キャリー』と一緒に行なった

製作当初、ジョージ・ルーカスはスティーヴン・スピルバーグら同世代の若い監督たちと親交を深めていたが、ブライアン・デパルマもそのひとり。事務所を共有していたことから、本作のオーディションは、彼の出世作『キャリー』と併せて行なわれた。すなわち、ジョン・トラボルタがルークを演じていた可能性もあったということ。

ちなみに、ルークを実際に演じたマーク・ハミルはオーディションでは自己紹介をしただけだったので、落選を覚悟したとのこと。

エピソード5「帝国の逆襲」
前作の大ヒットにより映画会社が制製作費を出さずに作られた


トリビアその4 ルークの顔が変わってしまった??

画像: 前作の後、交通事故を起こして顔面を損傷したハミル Photo by Getty Images

前作の後、交通事故を起こして顔面を損傷したハミル

Photo by Getty Images

前作の撮影終盤、運転していたBMWが道路を外れて落下するという、交通事故に見食われたマーク・ハミル。顔面の損傷は深刻で、耳の皮膚を鼻に移植するなどの整形手術が行なわれた。顔が命というべきスターには深刻な状況で、一時は彼も俳優を辞めることを考えたという。ハミルのルックスが前作から変わっているのは、そのため。

そこで劇中では、氷の惑星ホスでルークがワンパという怪獣に襲われ、顔面に傷を負うというエピソードが加えられた。

★★
トリビアその5 監督業に疲れ切った内向的な性格のルーカス

前作で初めて大予算映画の監督を務めたことによるジョージ・ルーカスの消耗は相当激しかったという。俳優やスタッフと密にコミュニケーションをとるタイプではなく、内向的な性格のルーカスにとって、ご難続きの大作の撮影は重荷でしかなく、前作を作り終えた後、もう監督をしないと決めていた。

結果、彼はプロデュースに専念し、本作ではアーヴィン・カーシュナーが監督を務める。ちなみにルーカスは1999年の「エピソード1」まで監督を務めることはなかった。

★★★
トリビアその6 「SW」は世界最大規模の“自主製作映画”なのだ!

画像: 壮大なる自主製作映画でもある「SW」シリーズ Photo by Getty Images

壮大なる自主製作映画でもある「SW」シリーズ

Photo by Getty Images

前作は20世紀フォックススタジオが製作費を捻出して製作されたが、同社は『スター・ウォーズ』のヒットを期待しておらず、続編の製作権さえ所有していなかった。これはルーカスフィルムにとって幸いでした。ルーカスは前作の収入により、本作の製作費を100パーセント出資。これによりクリエイティブの自由を約束され、フォックスは配給権のみを所有することに。つまり、本作はルーカスの自主映画。この製作体制は続く「エピソード6」、1~3でも貫かれる。

エピソード6「ジェダイの帰還」
全米監督協会からスピルバーグに監督をするなとお達しが?


トリビアその7 タイトルが「復讐」から「帰還」へ変更

ジェダイは高潔な存在

Photo by Getty Images

オリジナルの副題は当初“Revenge of the Jedi”で、日本ではその直訳『ジェダイの復讐』というタイトルが付けられていた。しかし、全米公開を目前にしてルーカスは「ジェダイに復讐はふさわしくない」と主張。急きょ”Revenge”は“Return”に変更された。

日本では公開前から『ジェダイの復讐』が浸透しており、関連商品の関係からも変更が間に合わず、このタイトルで劇場公開されることに。2004年のDVD発売時に、晴れて『ジェダイの帰還』に改められた。

★★
トリビアその8 当初はスピルバーグが監督するはずだった?

画像: ルーカスと盟友スピルバーグ Photo by Getty Image

ルーカスと盟友スピルバーグ

Photo by Getty Image

ルーカスはプロデュースを手がけた『レイダース/失われた聖櫃<アーク>』の撮影時、親友のスティーヴン・スピルバーグに本作の監督を打診していた。しかしルーカスは当時、「エピソード5」に関する監督クレジットに関して全米監督協会と揉めてしまい、協会を抜ける。そのため、協会は所属監督の起用を認めず、この人選は断念せざるを得なかった。

結局、ハリウッド外の監督で、『針の眼』で注目されたイギリス人監督リチャード・マーカンドが大役を務めることに。

★★★
トリビアその9 実現しなかったハリソン・フォードのアイデアとは?

初出演時は無名だった旧シリーズの出演者の中でも、もっとも飛躍を遂げたハリソン・フォード。自信を得た彼はルーカスに積極的に意見を伝えるようになり、「ハン・ソロは本作で死ぬべきだ」と主張したという。そうした方が、出自もわからないソロの天涯孤独な部分が強調されると、彼は考えていたようだ。この要望が叶わなかったのは、ご存じのとおり。ソロの死は「エピソード7」まで持ち越されることになる。

This article is a sponsored article by
''.