2度のアカデミー賞監督賞受賞など輝かしい経歴を持ち、いまだ現役で活躍を続けるイーストウッド。今回は、これだけは観ておきたいイーストウッドの必見作を10作品ご紹介します。(文・松坂克己/デジタル編集・スクリーン編集部)

「荒野の用心棒」(1964)

画像: 「荒野の用心棒」(1964)

二人の顔役が対立するメキシコの小さな町にポンチョ姿の凄腕のガンマンがやってきた……黒澤明の「用心棒」(1961)を無断で西部劇に翻案したマカロニ・ウエスタンで、イーストウッド、監督セルジオ・レオーネ、音楽エンニオ・モリコーネそれぞれの出世作となった。

「ダーティハリー」(1971)

画像: 「ダーティハリー」(1971)

サンフランシスコを舞台に、市に10万ドルを要求する連続殺人犯“さそり”と市警の一匹狼の刑事ハリー・キャラハンの対決を描く刑事アクション。イーストウッドを一躍トップスターにした最高の当たり役で、監督ドン・シーゲルとのコンビとしても代表作。

「恐怖のメロディ」(1971)

画像: 「恐怖のメロディ」(1971)

地方局のDJデイブにいつも“ミスティ”をリクエストする女。出来心から彼女と一夜を共にしたデイブに、その女は常軌を逸した迫り方をするようになる。イーストウッドの監督デビュー作で、恩師ドン・シーゲルが酒場のバーテン役でカメオ出演している。

「アルカトラズからの脱出」(1979)

画像: 「アルカトラズからの脱出」(1979)

脱獄不可能と言われたサンフランシスコ湾のアルカトラズ刑務所から脱獄した男の実話に基づくサスペンス。パトリック・マッグーハン演じる冷酷な刑務所長と寡黙な囚人イーストウッドの息詰まるような対決がサスペンスフル。シーゲルとの最後のコンビ作。

「許されざる者」(1992)

画像: 「許されざる者」(1992)

老いて農夫となった元ならず者のマニーが、若いカウボーイから賞金稼ぎの話を持ちかけられ、かつての相棒ネッドと共に三人で無法者を追う西部劇。アカデミー賞で初の作品・監督賞をイーストウッドにもたらし、悪役のジーン・ハックマンも助演男優賞に輝いた。

「ザ・シークレット・サービス」(1993)

画像: 「ザ・シークレット・サービス」(1993)

大統領暗殺を目論む謎の男との対決を描くサスペンス・アクションで、「人生の特等席」に出るまで、イーストウッド最後の他監督作への出演となった。60代にもかかわらずアクションに挑戦、渋い老練さを見せてくれた。監督はウォルフガング・ペーターゼン。

「ミスティック・リバー」(2003)

画像: 「ミスティック・リバー」(2003)

かつての幼馴染みがある殺人事件をきっかけに25年ぶりに再会し事件の真相を追っていくが、その中で彼らの人生の秘密も明らかになっていくイーストウッド監督作。ショーン・ペンがアカデミー賞主演男優賞、ティム・ロビンスが助演男優賞をそれぞれ受賞した。

「ミリオンダラー・ベイビー」(2004)

画像: 「ミリオンダラー・ベイビー」(2004)

老いたボクシング・トレーナー、フランキーのジムに入門を希望する31歳の女性マギー。最初は断わるもののやがて才能を認め指導するようになるが……イーストウッド監督・主演のヒューマン・ドラマで、アカデミー賞では作品・監督・主演女優・助演男優賞受賞。

「グラン・トリノ」(2008)

画像: 「グラン・トリノ」(2008)

引退した自動車工場の工員で朝鮮戦争の帰還兵ウォルト。彼は人種差別主義者だったが、隣人のアジア系住民を助けたことからその家族と交流するようになる。イーストウッド監督・主演作で、時流に流されない頑固な老人というキャラクターがイーストウッドらしい。

「運び屋」(2018)

画像: 「運び屋」(2018)

ふとしたきっかけで麻薬の“運び屋”をやることになった90歳目前の老人アール。家族を顧みず仕事だけに生きてきた彼だったが、運び屋を続けるうちに疎遠だった家族との関係に改めて向き合うことになる。これも実話の映画化で、現時点での最新主演作(兼監督)。

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