毎月公開される新作映画は、洋画に限っても平均40本以上!限られた時間の中でどれを見ようか迷ってしまうことが多いかも。そんなときはぜひこのコーナーを参考に。スクリーン編集部が“最高品質”の映画を厳選し、今見るべき一本をオススメします。今月の映画は現代の映画界を代表する鬼才、クリストファー・ノーラン監督が驚異のスケールで放つ待望の新作「TENET テネット」です。

役者なら誰だってノーラン映画に出たいはず!

画像: 役者なら誰だってノーラン映画に出たいはず!

“時間の魔術師”“天才映像作家”クリストファー・ノーランを表す言葉は数あれど、一番は“役者の魅力を最大限に引き出す”監督なのではないかと思うのです。

今回主役に起用するにあたり、ジョン・デヴィッド・ワシントンに天性のカリスマ性を感じたという監督。(映画のラスト、この言葉の意味がわかる!?)その期待に応えるべく見事なヒーローぶりを発揮して主役を演じきったワシントン。彼の新たな代表作となったのは間違いありません。

圧倒的な映像美や難解な世界観もさることながら、人間の深層もしっかりと描くノーラン作品。その世界に招待された俳優は、高度な要求の中で、ポテンシャルを最大限に引き出すことによって、自身の役者史上最高作品になり得る可能性も秘めているのかも。ワシントンがノーランの名前だけで出演を決めたのも納得。誰だって彼の映画に出たいはず!

レビュワー:阿部知佐子
噂通り難解だった本作…頭で考えるより、映画の世界に身を委ねることが成功のカギ!? こだわり抜いたロケ地の数々も見どころです。

見終わった後の“答え合わせ”もまた、楽しい

これまでの作品でも“時間” の概念を様々な形で描いてきたクリストファー・ノーラン監督。そんな彼が“ 〈時間〉からの脱出”を描くとどうなるか。“逆行”というキーワードを基に、驚愕の映像で魅せてくれました。

正直、予備知識無しに見ても全ては理解できませんでした。ですがそれもまた映画の楽しみ方の一つなんだと再認識。知識を入れて挑んでもよし、ゼロの状態で先入観なしに見るのもよし。私の場合は見終わった後、あのシーンの意味は?あれはどういう意味?と編集部のみんなとの答え合わせが止まりませんでした。

映画に夢中になり、映画好きと盛り上がる。さらには、それを受けてもう1回見たい、と思う。そんな予想外な幸せな時間のオマケつきでした。なんか難しそうだから…と敬遠せずに、是非とも劇場で体感して欲しい、そんな1本です。

レビュワー:中久喜涼子
名もなき男だけでなく、キャットとセイターのストーリーにも注目。夫婦間の揺れ動く感情が、物語をさらに深みのあるものにしてくれます。

すべてを理解できるまで劇場へ足を運ぶ所存です

クリストファー・ノーランは劇場に行くきっかけをくれる監督の一人だ。いつからだろうか、彼の新作は大画面で鑑賞せねばと思うようになったのは。「TENET」も複数回劇場に足を運ぶことになるだろう。現に試写を見た日から数多の“?”が頭をもたげ、公開日が待ち遠しくてたまらないのだ。

リピート不可避の理由は “時間逆行”のルールの多さに対して説明が極端に少ないことにある。今思えば当時難解といわれた「インセプション」(2010)すら、わりとルールを解説していた気がするし「プレステージ」(2006)も大風呂敷を回収していた。

今回は立ち止まっていたら取り残されてしまう疾走感が全編から漂い、見たことのないカーチェイスや派手な空港の惨劇など、よくわからないが何かすごい場面を目の当たりにするうちにラストを迎える。とはいえ幾度か鑑賞してモヤが晴れた時の爽快感を味わえるのもノーラン作品ならでは。今回は何度目で視界良好になるか。

レビュワー:鈴木涼子
中毒性の高い劇伴を手がけたのは「ブラックパンサー」(2018)のルドウィグ・ゴランソン。今秋公開の「トロールズ」にも参加しております。幅広し!

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