名優の人生をキャリア中心に振り返る不定期連載がスタート。息の長い俳優とは、どんな人物かを紐解いていきます。公開間近の『ファーザー』でオスカー候補に挙がるアンソニー・ホプキンスの83歳にして現役感溢れるバイオグラフィーを紹介!(文・大森さわこ/デジタル編集・スクリーン編集部)

アカデミー賞主演男優賞、 有力候補で再注目

アンソニー・ホプキンスの役者人生において決定打となったのは1991年の『羊たちの沈黙』だろう。この作品でオスカーを初受賞したが、その時、54歳という遅咲き。

その後も快進撃は続き、今年は『ファーザー』で6度目のオスカー候補となる。現在83歳で、この年での主演男優賞候補は史上最高齢。名優は今も進化し続けている。

そのキャリアを少し振り返ると、1937年12月31日、英国ウェールズの港町、ポート・タルボットの出身。父親はパン屋で、けっしてアカデミックな家庭に育ったわけではないが、10代になってから演技に目覚め、絵を描くことやピアノを弾くことにも興味を持った。

そして、名門のロイヤル・アカデミック・オブ・ドラマティック・アート等で演技を学んだ後は多くの舞台作品で実力を磨いた。

シェイクスピア演劇などが基礎にあるので、『日の名残り』や今回の『ファーザー』のように濃厚なドラマ演技が得意な俳優だが、近年の『マイティ・ソー』シリーズのようなエンタテインメント作品にも出演。そのふり幅の広さが長く活躍できた理由のひとつだろう。

また、政治家ニクソン、画家のピカソ、映画監督のヒッチコック、聖職者のローマ教皇など、演じるのが大変そうな実在の人物像にも恐れずに挑戦。

近年は『ファーザー』のように年を重ねたことを、むしろ、強みとして生かしている。80代でも枯れない現役感! 今後も見る人を驚かせる役作りをまだまだ続けてくれそうだ。

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