ミステリーやホラー、人間ドラマやラブロマンス… …どんなジャンルでも安定の面白さと独特の視点で話題となるコリアンムービー。見逃せない旬な新作を中心に紹介します!(文・よしひろまさみち/デジタル編集・スクリーン編集部)

文・佐久間裕子

社会派サスペンス編
偽りの隣人 ある諜報員の告白

ハートフルな人間ドラマとしても秀作

画像: ハートフルな人間ドラマとしても秀作

近年、80年代韓国を舞台とした社会派実録映画が日本でも注目を集めている。今作も軍事政権と民主化運動との闘いが題材ではあるが、あくまでもフィクションであるとイ・ファンギョン監督は語る。

物語の中心人物は、政権に目の敵にされ、自宅軟禁されている野党総裁イ・ウィシクと、隣の民家を拠点に彼を監視する盗聴チームのデグォン。前半はウィシク一家の行動にあたふたする盗聴チームの姿で笑わせ、家族を愛し、国民の平和と平等を願うウィシクの声を聞き続けることにより生まれたデグォンの心の変化をキッチリと描き出す。ウィシクの身に危険が及んだ時の彼が取る行動も含め、実録映画とはまた違う感動を呼ぶヒューマンドラマになっている。

チェックポイントはここ!

画像1: チェックポイントはここ!

舞台は1985年の韓国。自宅軟禁されていても家族は愛があふれる普通の家庭だ。軟禁中でもラジオを楽しむ家族の様子も登場。映画『サニー 永遠の仲間たち』(2011)でも歌われた韓国を代表する懐メロ、ナミの『クルクル』が、ウィシクとデグォンを繋ぐきっかけになる。

この社会派作品にも注目!

『KCIA 南山の部長たち』(2020)

画像3: 【今見るべき話題作】激アツ!最旬コリアンムービー3選

1976年の朴正煕暗殺事件を元にした実録サスペンス。No2.の権力者と呼ばれながら大統領を暗殺した男の謎に迫る。

画像: 豪華版Blu-ray 6,380円(税込)/発売中 発売元:株式会社クロックワークス/ 販売元:ハピネット・メディアマーケティング ©2020 SHOWBOX, HIVE MEDIA CORP AND GEMSTONE PICTURES ALL RIGHTS RESERVED

豪華版Blu-ray 6,380円(税込)/発売中
発売元:株式会社クロックワークス/
販売元:ハピネット・メディアマーケティング

©2020 SHOWBOX, HIVE MEDIA CORP AND GEMSTONE PICTURES ALL RIGHTS RESERVED

偽りの隣人 ある諜報員の告白
2021年9月17日(金)公開

韓国/2020/2時間10分/アルバトロス・フィルム
監督:イ・ファンギョン
出演:チョン・ウ、オ・ダルス
© 2020 LittleBig Pictures All Rights Reserved.

進化するホラー編
整形水

アニメだからこそよりグロテスクに!

画像: アニメだからこそよりグロテスクに!

勢いが止まらない韓国ホラーブーム。この夏、韓国では「哭声 コクソン」のナ・ホンジンが制作を担当した『ランジョン』が『ブラック・ウィドウ』を抜き、初登場1位を獲得した。そこで注目したいのがサイコホラーアニメ『整形水』。

主人公はバレエ大会で優勝できなかったのは容姿のせいと思い込んだまま大人になったイェジ。彼女の元に誰でも思うがままに美しくなれる整形水のサンプルが届く。美しくなってもイェジは、醜くなってしまうかもという恐怖から逃れられない。「美しくないから誰も私を愛してくれない」と思い込んでいる彼女には、両親が注ぐ深い愛情にも気づけない。かわいそうな自分だけを見つめて生きてきた悲しい女性の物語でもある。

チェックポイントはここ!

画像2: チェックポイントはここ!

整形水は自由自在に思い通りの容姿へと替えることができる奇跡の水。その使い方が簡単! バスタブや洗面器に体や顔を浸したら思いっきりビリビリッと破き、好きなように形を整えていくだけ。アニメならではのグロな表現でありつつ、ニヤニヤするおもしろさもある。

このホラー作品にも注目!

『殺人鬼から逃げる夜』

画像4: 【今見るべき話題作】激アツ!最旬コリアンムービー3選

サイコな殺人鬼から逃げ続けるのは聴覚障害者の女性。80分間の逃走サイレントスリラー。

2021年9月24日公開 配給:ギャガ
© 2021 peppermint&company & CJ ENM All Rights Reserved.

整形水
2021年9月23日(木・祝)公開

韓国/2020/1時間25分/トムス・エンタテインメント/エスピーオー
監督:チョ・ギョンフン
原作:オ・ソンデ
©2020 SS Animent Inc. & Studio Animal &SBA. All rights reserved.

This article is a sponsored article by
''.