【チェックポイント】
単独作として楽しめる! 『トイ・ストーリー』からは独立した物語
『トイ・ストーリー』の原点、アンディが好きだった映画を作ろうというのが発想の元だが、実際は『トイ・ストーリー』からは離れた独立した映画をマクレーン監督は目指したのだという。
「僕が目指したのは特定の映画を思い出すとか、パロディ的な作品ではない。観終わった後に観客の皆さんが“すごく楽しい宇宙のアドベンチャーだった”と感じてもらうことだった」と監督自身も説明しているように、例え『トイ・ストーリー』を観ていなくても楽しめるのがポイントだ。もちろんバズを知る観客なら、『トイ・ストーリー』版との違いも楽しめる点となるはず。
【チェックポイント】
“ソフトボイルド”かつリアル感満載のSFアドベンチャー
ファンタジーではなく、“ソフトボイルド”なSFの仕上がりとなった本作。宇宙が舞台なだけではなく、時間の観念なども絡み、とても面白い展開を見せている。
また現実に忠実なところも取り入れるため、国際宇宙ステーションに144日間滞在したアメリカの宇宙飛行士トム・マーシュバーンにいろいろとリサーチを行った。
また監督は「機動戦士ガンダム」や「マジンガーZ」など、日本のロボットアニメも大好きだそうで、もともとスーパーロボットの影響が強かった悪役ザーグにリアル要素をプラス。「ガンダム」っぽくなっているという。
マクレーン監督が明かす
名作映画からの受け継いだ“触感”
「この映画は、幾つかのSF作品に対してオマージュを捧げている一面もあります。いや、むしろ映画全般に捧げているという意味合いの方が強い。この映画では、デザインの美的感覚が全般的にややレトロなものになっているんです。ちょっとずんぐりしていて、80年代初頭のスタイルのような。
これは『スター・ウォーズ』や『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』(1981)、それに当時の多くのアニメとかからインスピレーションを受けたもの。手で触れることができそうな触感を宿らせて、フランスのヌーヴェルヴァーグのような高いコントラスト比で描くことにしたんです」
比較すると面白い?
『トイ・ストーリー』のバズをおさらい
アンディ少年のお気に入りのおもちゃで、それまでNo.1だったカウボーイ人形・ウッディのライバルであり、後に大事な相棒となるバズ。最初は自分をおもちゃではなく本物のスペース・レンジャーと思い込み、トラブルメーカーにもなったが、基本的に仲間思いで正義感が強いバズは後に最高に頼れる仲間のひとりになっていった。今回登場するバズが持っているクールな側面も、おもちゃなのに飛べると信じている頃までは見えていた部分であった。
『トイ・ストーリー』(1995)
持ち主のアンディの家に来た頃は、自分が大量生産されたおもちゃではなく、本物のスペース・レンジャーと思いこみ、空も飛べると考えていた。ウッディとともに外に出てしまい、なんとか家に帰ろうと2人で大冒険を!!
『トイ・ストーリー2』(1999)
実はレアトイなウッディが玩具コレクターのアルに連れ去られた。彼を助けようとバズが大活躍を。この作品では売られていた別のバズを起こしてしまい、自分を本物と勘違いする様を見て恥ずかしそうにするのが印象的。
『トイ・ストーリー3』(2010)
大学生になったアンディのもと、今は屋根裏部屋に入れられたバズらおもちゃたち。誤りでサニーサイド保育園に行き、保育園の主・ロッツォにデモモードにされて部下に。またカウガール人形のジェシーと相思相愛の仲になる。
『トイ・ストーリー4』(2019)
アンディの元から少女ボニーの元に移ったおもちゃたち。キャンプに行く際に姿を消したウッディを探しに行くバズだが、移動遊園地の射的の景品として壁に貼り付けられてしまう。助けだされたが、ウッディとは別れることに。
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バズ・ライトイヤー
好評公開中
アメリカ/2022/1時間45分/配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
監督:アンガス・マクレーン
声:クリス・エヴァンス、キキ・パーマー、ピーター・ソーン、タイカ・ワイティティ、デイル・ソウルズ
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