【インタビュー】『エルヴィス』ではマネージャーの人物像を追求!
“エルヴィスの才能を見抜き可能性を見いだした”
自身が演じた実在の人物であるトム・パーカー大佐についてこう話している。
「彼は天才であり、悪人でもあった。自制心の強い男であり、非常に賢いビジネスマンでもあり、10セント硬貨すら惜しむケチであったが、エルヴィス・プレスリーが登場するまで存在しなかった大型ショービジネスを開拓したパイオニアでもあった。彼はエルヴィスが無類のアーティストであることを瞬時に見抜き、巨大な可能性を見いだした。もし自分がエルヴィスを使って巨額を儲けなかったら、ほかの誰かがそうすると分かっていたんだ」
〝トム〞というのが本名かどうかもさだかではない、謎めいたこの人物について、ハンクスは分析を続ける。
「エルヴィス・プレスリーは世界的に有名で、それは当時も今も変わらない。その大部分はトム・パーカー大佐の功績によるものだ。大佐はカーニバルで仕事をし、エディ・アーノルド、ハンク・スノウ、ジミー・ロジャーズ・スノウらのプロモーションに携わっていた。トゥペロ出身のこの若者をひと目見て……彼が観客、おもに女性に影響を与えることを悟ったんだ。エルヴィスは彼以外の誰かをマネージャーにすることはなかった。彼はマネージャーの枠に留まらず、プロモーターだったと言えるだろう」
大佐を語り手とし、彼の視点を通して物語を運んだバズ・ラーマン監督の手法を高く評価しているハンクス。「映画はオペラのように壮大で、時間、場所、視点が飛び交うんだ。この映画をつくるには、この手法しかないと思う」とハンクスは考察する。
「私が知る限り、バズはショービジネス界で最も働き者だ。彼が手がけた映画の多くは、本作と同じく従来の枠組みを打ち破っていると思う。だが、たとえ視点が流動的であっても、作品には常にしっかりとしたロジックがあるんだ。みんながエルヴィスのことを知っているのに、時系列に淡々と物語を進めても面白くなかっただろう。本作でバズが時代をさかのぼり発掘したのは、みんなが知らなかったエルヴィスなんだ」
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最新作『エルヴィス』のパーカー大佐についての役作り
過酷な日程を強いて“ プレスリーを殺した男”と言われるマネージャー、パーカー大佐を演じたハンクスは、彼を悪役とは思わないと言い切る。「大佐はエルヴィスをよく知っていた。そのうえで、カルチャーの歴史を変えた人なんだよ」
『エルヴィス』 ワーナー・ブラザース映画配給
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